カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「そんなことはないだろう」~常識的に考えてありえないことは、実際にない

先週の産経新聞で、「透明人間になったら何をしたいか」という問いかけに対して「人を殺す」「強盗する」と答えた小学生の例を挙げ、 かわいそうに児童たちは、家庭でも学校でも、「人を殺してはいけない」ことを、教えられてこなかったに違いない。といった…

「ハゲてはいけない」~頭髪がなくなるのは、もう頭を守らなくてもいということか?

久しぶりに床屋さん(*)に行って調髪をしてきました。*一時期「床屋」は差別用語で「理髪店」または「理容店」が正しいという話がありました。私の用語辞典ではそうなっていません。そこでは「理容店」は髪を切って整えるところ、「床屋さん」は四方山話…

「学級という烏合」③〜学級目標のこと

学校がいくつも持っている教育上の知恵――小学校では並んで教室移動をするとか、授業の始まりに毎回挨拶をするとか(それらを私は学校の教育学と呼んでいますが)――には、無意味なものはありません。無意味に見えるとしたら、それはかつて意味はあったがもは…

「学級という烏合」②〜目標が置ききれない

学級というのは同い年で同じ地域に住んでいるという二つの共通項以外に何の類似性もない、烏合の衆だというお話をしました。 “学ぼう”とか“学習しよう”とかいった共通の目的を持っているわけでもないバラバラな集団をどう切り盛りしていくか、それが学級経営…

「学級という烏合」①~クラスは難しい

むかし勤務したことのある小学校で、新しく来た校長先生が低学年の全担任を女性に、高学年をすべて男性の挿げ替えるという大英断を果たしたことがあります。この方の説によると、低学年のうちは女の先生に十分甘やかされ、高学年になってからは男の先生にビ…

「私の資質」~顔が怖くて得した話

ある種の信念とこだわりから学校にいる間はずっと背広で過ごしました。小学校の担任をしていた時、着替えの時間がなくてスーツのまま体育指導をしていたのを校長に見つかり、指導を受けたことがあります。「背広で体育は、ねェだろう!」 中学校勤務で、若く…

「ハズレた場合」~ウチの担任がハズレだと思ったときに

私は顔がそうとうに怖いらしい、というかものすごく神経質に見えるらしく、しばしば人を恐れさせたり怯えさせたりします。 異動で新しい学校に移り、新任職員紹介でステージに立ったとき、下のフロアーの子どもたちが「(新しい担任は)アレ以外だったら誰で…

「庇いきれない人たち」~ごく少数だが、”困った教師”はやはりいるよな

私は基本的に教師サイドでものを考える人間であり、「この話は五分五分だな」と思うときも発言は6:4あるいは7:3で教師よりに傾けるようにしています。こうした人間は校内にむしろ少数派です。問題がれば教員の犠牲で解決する風潮があり、「子どものた…

「富士フイルムの話」〜己の資質を見極めよう

「富士フイルムがエボラ出血熱対策に向けて治療薬アビガン錠を追加生産」という記事が出ていました。アビガン錠というのはインフルエンザ薬として日本で認可されている薬ですが、エボラ出血熱にも効果があるのではないかと期待されている薬です。と、ここで…

「もっと英語を話そう」~その下手な英語、母語が英語の外国人なら聞き分けてくれるよ

しょっちゅう英語教育の悪口を言うので、英語に反感を持っていると思われているかもしれませんが、そうでもありません。中学高校と「英語」は苦手科目でしたから親近感もないのですが、英語が好きで将来は通訳になろうというような人の学習を妨げるつもりは…

「愚かな不審者対応」③〜“いいこと”もやめてしまう

「学校に求められることで“悪いこと”はひとつもありません。“いいこと”だらけです。そして“いいこと”はやめられないのです」 昨日はそう書きました。「生活科」も「総合的な学習の時間」も「外国語活動」もみんな“いいこと”です。キャリア教育も日本語を使わ…

「愚かな不審者対応」②〜いいことはやめられない

13年前の大阪教育大学付属池田小学校事件、その再発を想定した避難訓練が今も行われていると聞けば、世間の人たちはどう考えるでしょう。「学校はよくやっている」と思うのか「アホなことを」と思うのか、想像がつかないところです。 しかし実際に、暴漢侵…

「愚かな不審者対応」①〜そんな子どもでは困る

あるテレビ番組を見ていたら、子どもを不審者から守るにはどうしたらよいか、というテーマで話し合いが行われていました。さまざまなケースを想定し子どもが取るべき態度を考えるのですが、これが何とも納得できません。 例えば、道端でうずくまっている人が…

「しぶとい民族」~日本人の伝統

台風19号はみごとに日本列島を縦断して三陸沖に抜けて行きました。その巨大さ強さにも関わらず、被害は最小に留めることができたようです。それはおそらく、進路や到達時間が正確に予測されたこと、そして事前の警告が十分だったためだったと思われます。…

「月はどっちを向いてるの?」~三日月はどちら向き?

皆既月食で思い出したのですが、花王石鹸のロゴマークのように細い月に顔を描くとして、右向きの月と左向きの月、三日月はどっち? という設問があります。 答えは「左向き」。花王のロゴもドリームワークスの映画で釣りをする少年の乗る月も左向きの三日月…

「あの月は何だったのだろう?」~子どもの頃に見た月食の月が、やたら大きかった話

昨夜の皆既月食、いかがでしたか。私の家からは時々雲に邪魔されながらも、最初から最後まで見ることができました。都会にいる子どもたちに写真付きのメールを送ると、娘からはすぐに「見えてる! いい感じ!」と返事がありました(息子からは返信なし。いつ…

「イスラム国物語」~なぜ学生はISに加わろうと思ったのか

二十歳のとき、私は自分が天才だと思っていました。 絵も描ける、音楽もできる、文も書ける――もちろん明日から生活ができるほどではないにしてもそのうちの何かで天才であることは間違いないと思っていたのです。しかしそれが何の天才か分からない、それが悩…

「佐世保事件の父」~辛くても、生きて話してほしかった

7月に起きた佐世保女子高生殺人事件の、加害少女の父親が亡くなりました。自殺だといわれています。事件当初は爆発的に報道されたこの事件も、以後情報が途絶えたのかマスコミの上で評判になることはありませんでした。今回の自殺もテレビでは臨時ニュース…

「ファンフォン」~台風のことを調べた

台風18号が近づいています。大型の、非常に強い台風と言われていますから注意が必要です。天気予報に注意しながら行動したいと思います。 今回の台風には18号という名前がついています。これは2014年になってから18番目に発生した台風という意味で、例年台風…

「人々の営み」~御嶽山で多くの人々が亡くなって考えたこと

御嶽で大きな災害がありました。現在のところで死者47名、行方不明と思われる人はさらに20人近くいるとされています。登山届が出しながら連絡の取れない方が5名、夫婦で登りながら一方しか発見されていない例、あるいはグループで登りながら一部が戻って…

「現状」〜体感!日本教育超現在史・最終

平成不況の下で20倍〜30倍という競争率を勝ち抜いて教員になった人たちはやはり、かなり優秀でした。これは公務員全体に言えることで、地方公務員で10年ほど前40代だった私の弟も、「今、20代の奴らに出世競争で負けてもかまわない」と言っていたほどです…

「アカウンタビリティとコンプライアンス」〜体感!日本教育超現在史⑤

アカウンタビリティとコンプライアンスはほぼ同時に日本に入ってきました。一応「説明責任」と「法令順守」という日本語が当てられています。しかし普通は英語のまま使われます。概念がぴったり重ならないからです。 日本にパンダがいなかったからパンダはパ…