カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「昔の教師は偉かった――ワケじゃない」~呆れた教師(私)の三題

【第一話】 昨日、「昭和天皇在位60周年記念金貨」(正確には「天皇陛下御在位六十年記念硬貨」)のことを書いて思い出したことがあります。それはもう20年以上前のことです。 当時勤めていた中学校である日4時間目あたりの授業をしていた時、珍しく教…

「金(ゴールド)の話」~なぜヒスイやダイヤモンドではなく、金が貨幣になったのか

先日、実家に帰ったら母が「金が高いそうなので、これを売ってきて欲しい」と言われ、指輪やら金杯やらを少々渡されました。しかしその翌日新聞を見たら「金は値下がり」と書いてあったので、気持ちが躓いてしまいました。 ところで、金の値段、今いくらだと…

「新しい学校中心主義」~学社連携について⑤

学社連携について4回に渡って考えてきましたがこれが最後です。 学社連携―「子供たちの教育は、単に学校だけでなく、学校・家庭・地域社会が、それぞれ適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが重要である」―という理念は高邁すぎる夢でし…

「学校を多忙化する学社連携」~学社連携について④

1995年の中教審答申によって示された「子供たちの教育は、単に学校だけでなく、学校・家庭・地域社会が、それぞれ適切な役割分担を果たしつつ、相互に連携して行われることが重要である」の理念を、「学社連携」といいます。その中心的課題は「開かれた…

「開かれた学校とスリム化」~学社連携について③

いみじくも安倍元首相が「ゆとり教育は、理念は正しかったが先生たちが理解できなかった」と言ったように、「ゆとり教育」はあまりにも高邁な理想でした。それを可能とする教師もたくさんいましたが、普通の教員が日常の努力でなしうるものではなかったのか…

「ゆとり教育と学校のスリム化」~学社連携について②

アメリカから強く要求されてきた企業の週休二日制促進のため、当時の自民党は今で言う「政治主導」によって強引に学校五日制を始めてしまいました。しかし制度として定着させるためには正当化が図られなければなりません。そこで持ち出されたのが「ゆとり教…

「学校五日制の話」~学社連携について①

学校週五日制がいつどんなふうに始まったか、私も忘れてしまったので調べたら1992年(平成4年)の9月12日でした。この日が9月の第二土曜日で、以後しばらく月の第2土曜日だけが休みの変則的な学校五日制が始まりました。年度の途中から始まってい…

「ノイジー・マイノリティの声に惑わされない」~五山の送り火で越前高田の松が焼かれなかった話から

陸前高田で津波によって倒れた松に被災者が言葉を書き込んで京都五山の送り火(大文字焼き)で燃やそうという計画に、検出されなかったとはいえ放射性物質が含まれているかもしれない薪を燃やすのはけしからんという市民から非難が相次ぎ、やむなく中止にし…

「後期研修がんばろう」~おかげで海外旅行にも行けないけれど

夏休みがあっという間に終わり、後期研修が始まります。 特にここ10年余りは、「公費で賄っている教員を夏中遊ばせておいていいものか」という世論を慮り、できる限り教員を学校に留め研修を受けさせようといった施策が数多く打たれるようになっています。…