カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「追加教育」〜体感!日本教育超現在史④

昭和22年、学校教育の具体的指導内容を定めた最初の指導要領(「学習指導要領案」)が示されましたが、それ以降追加された新しい教科・教育を“追加教育”といいます。私の造語ではありませんが広く教育界で通用する言葉でもありません。一部で使われ、便利…

「教師の多忙」〜体感!日本教育超現在史③

教師は多忙、というのはもはや常識となっていますが、なぜ多忙なのか、世間の人々は理解しません。夜の学校を見れば毎晩遅い時間まで灯りがついていますから、忙しいことはわかるがなぜ忙しいのかは理解できない。納期があるわけでも製品(授業)の質を厳し…

「教育のゼロ・サム・ゲーム」〜体感!日本教育超現在史②

日本の学校教育は世界一だと言うと、「いやだけど不登校もあればいじめもあるじゃないか」という人がいるかもしれません。あるいは「その上で学力も1位を目指すべきだ」という人もいるかもしれません。「エリート教育が必要だ」という人も、「スティーブ・…

「偉大なる日本の教育」〜体感!日本教育現在史①

今回の朝日新聞の問題で、最も美酒に酔っているのは長年「朝日新聞の自虐史観」を激しく攻撃してきた産経新聞です。しかし、その産経新聞が日本社会を見る目は狂っていないかというとそうではありません。特にその教育を見る目は、私に言わせればまさに「自…

「だから日本はダメなんだ」~日本はどこまで遅れているのかの検証①

先日のあるニュース・バラエティで朝日新聞が取り上げられ、「朝日は一貫して日本を貶めるような報道を続けた」ということで盛り上がっていました。 反対はしません。しかし「日本を貶めた」のは一人朝日新聞だけでなく、つい数年前まで、テレビや雑誌に顔を…

「出しゃばりお米(ヨネ)のセクシャル・ハラスメント」

昭和31年のヒット曲だそうですからリアルタイムで知る由もないのですが、「愛ちゃんはお嫁に」という曲があって中に「出しゃばりお米(ヨネ)」という女性が出てきます。この人が何をやったかというと、さようなら さようなら 今日限り 愛ちゃんは太郎の嫁…

「早期英語教育の蔭」~日本の子どもに、国を棄てる準備をさせる

評論家の内田樹が自身のブログで早期役後教育について書いています(「『英語教育論』についての再論」)。 私の好きな評論家で著書も多く読んでいるのですが、しばしば一般的とは言えない英語を使うので困った人でもあります。その人が英語の早期教育に反対…

「Webサイト利用」③〜記録をサイトに残す

教員は教職にある間にどれくらいの文書を残すのか。私にはブログの元となった文書がありますのでそれだけで原稿用紙4〜5枚(一日)×10年(2100日)=8400〜10500枚ということになり、相当な数といえます。しかしそれがなくても学年通信・学級だより・PTA会報…

「Webサイト利用」②〜ブラウザ・ホームページ

Webサイトを拡充させていた初期、もっとも頻繁に更新していたのは実は「リンク集」でした。それまでブラウザの「ブックマーク(お気に入り)」に入れてあったものを次々とサイトに載せたからです。そうして充実させているうちに私のリンク集は「ブックマーク…

「サイト開設事情」〜Webサイト利用①

若いころはなかなかの読書家でしたので、そういう者の常として、いつか自分も本を出したいと思っていました。内容は何でもよかったのです。とにかく世間に認められ、あるいは世間から乞われて1冊出版する、そうなれば文章とともに歩んできた自分の生きた証…

「逝く人とそうでない人」〜ガン病棟より 最終

「人は病気では死なない、寿命で死ぬ」と義母は言います。たしかにそう思わせる事実がいくらでもあります。また「運」というのも大事でしょう。 私もその時、たまたま研究機関に出向していたので病院にいきやすかったという面があります。現場にいて、学校を…

「その後」〜ガン病棟より⑧

私のガンは大別で四種類ある肺ガンのうち、二番目に悪性の大細胞ガンというものでした。名前の通り成長の早いガンで、発見されたときにはすでに巨大になっていて驚かされるガンだそうです。 悪性度が高いというのは基本的に進行が速いということです。生存率…

「その日」〜ガン病棟より⑦

手術を前に、楽しみなことが一つありました。それは全身麻酔です。 実はその数年前、私は声帯ポリープの手術で経験しているのです。それは実に不思議な体験でした。 ストレッチャーで手術準備室という感じの部屋に運ばれ、そこで硬く冷たいベッドに乗せられ…

「ガン病棟の不思議な人々」〜ガン病棟より⑥

ガン・センターという特殊な病院の患者たちにいくつもの共通点があります。 ひとつは当然ながら“死と直面している”ということです。特に初めての入院患者たちは、本人か家族、あるいはその双方に色濃い悲壮感が漂っています。しかし他方で、ガン歴15年とか…

「手術準備、失恋の悲しみ」〜ガン病棟より⑤

確定診断が出て手術日が決まり、私は胸部内科から胸部外科へと移りました。ここから手術に向けた検査や準備が始まります。たとえば自己血採取――手術中に輸血が必要になった場合もっとも適合するのは自分の血液だから予め採っておきます。麻酔の適合とか、細…

「検査のあれこれと最終ショック」〜ガン病棟より」④

レントゲン写真はさまざまに何枚も撮ります(手術後はほとんど二日に1回の割合で撮影したので、『こんなに被曝してガンになったらどうするんだ』と思ったりもしました)。CTも撮影しなおしです。そして初めての検査として、MRIと骨シンチグラフィー(…

「転院の優雅な日々」〜ガン病棟より③

肺の内視鏡検査というのはそもそも物が入らないようにできている部分(肺)に異物を挿入するわけですから、ただではすみません。さらにその時の私は普通の状態ではありません。基本的に咳をしたくてしかたがない状況の人間ですから――私は咳をしたい、異物が…

「ことの始まり」〜ガン病棟より」②

時計を巻き戻します。 17年前の3月、私はとんでもない忙しさの渦中にいました。4月からある研究施設へ出向することが決まっていましたから、その準備と家族全員の引っ越し、それまでの学級のまとめと娘の転校手続き息子の入園手続――そうこうしているうち…

「ガン病棟より」①〜バージンロード

娘を嫁に出し、「父親としては“ホッとしました”が正直な感想」と書きました。それはおそらく珍しい感じ方ではありません。しかし私の場合、他の父親の安堵感とは百分の一ほど異なるものがありました。それは「もしかしたら娘と一緒にバージン・ロードを歩く…

「家族の一生」~娘が嫁いだ日

娘が結婚式を挙げました。とは言っても半年も前に入籍して同居もしていますから、いまさらの感がないわけでもありません。あの面倒くさい結婚式を、なおもやろうというモチベーションもエネルギーも、私には理解しがたいところです。 しかし結論から言えば、…