カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「明日から12月」~12月のウンチク

明日から12月、日本では「師走」という言い方もしばしば使います。元は僧侶が仏事で走り回る様を言ったようですが、師を「先生」と解釈し、日ごろ落ち着いている先生でも走り回るほど忙しいという説もあります。これについてはよく子どもたちに話したりし…

「あちらもこちらも墓を守る人がいない現実」~墓と仏壇と家②

先週の金曜日に仏壇と位牌と墓の引継ぎの話を書いたら、翌日の朝刊に「政府『女性宮家』の検討表明」などという記事が出ました。 「現在の皇室典範では、女性皇族は天皇、皇族以外と結婚すると皇籍を離れる。現在、三十歳未満の皇族九人のうち、男性は皇位継…

「ゴヤ 光と影」~なかなか面白かった

上野の国立西洋美術館に「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」という展覧会を見に行ってきました。ここ数年、わざわざ行くというのではないのですが毎年何らかの事情があって大型の展覧会を見に行く機会に恵まれています。 個人の名のついた大型展覧会の良さは、…

「跡継ぎのいなくなった墓をどうしよう」~墓と仏壇と家①

父は次男なので私の家には仏壇というものがありません。したがって今回父が亡くなり仏壇を購入することとなったのですが、そのとき初めて知った(というか、気がついたというか、考えざるをえなくなった)ことがあるので世間知という観点から記しておきます…

「都道府県差」~実は教育制度は都道府県でかなり違うらしい

妙な題名ですが、要するに学校の具体的なあり方の、都道府県による違いといったものについてです。 一口に学校教育と言っても、都道府県によってずいぶん差があるらしいと気がついたのは、初めて県外の授業研究会に出席した時のことです。とにかくバカでかい…

「明日は勤労感謝の日」~意味を子どもに伝えよう

あわただしく日を送っている中にひょこんと祭日が入っていたりすると、私たちも嬉しくてついついそのまま子どもを送り出してしまいますが、よく考えてみたら祭日の意味も教えずに休ませるのはもったいないですね。 せっかくの休日、何かひとつくらいは考えさ…

「屋外に自動販売機のあるのは、すごいことらしい」~意外な日本の偉大さ

畑の中の道を走っていたらジュースの自動販売機があったので、車を止めて缶コーヒーを買おうとした。財布を見ると小銭がないので1000円札を入れてボタンを押す。缶コーヒーが出てきて『お釣り』のボタンを押すと小銭がジャラジャラと落ちてくる。機械が“…

「罪を憎んで人を憎まず」~生徒指導に道徳をからめてはいけないという話

生徒指導の失敗のひとつは、情や道徳をからめることから始まります。そういうことが少なくありません。 罪と罰を定めた刑法にはそういうことはありません。例えば刑法199条に、 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。 とあるよう…

「『レ・ミゼラブル』は意味もなく長かった」~私が読んだ長編小説の話

若い頃、正月はドストエフスキーの「罪と罰」か「カラマーゾフの兄弟」を読むと決めて交互に5年ほど続けたことがあります。たぶんそれで「罪と罰」は3回、「カラマーゾフの兄弟」は2回読んだと思います。ただし「カラマーゾフ〜」の方は最初の200ペー…

「命の値段」~子どもの命に値段のつく最悪は避けたい

例えば子どもが学校でのいじめを苦に自殺した場合、保護者は学校の設置者を相手に損害賠償を請求する訴訟を起こすことができます。その内訳はおおざっぱに言って子どもの逸失利益(生きていれば一生の間に稼ぐはずだった金額から生活費と目される金額を差し…

「アクセル・ブレーキ」~同時に踏んではいけないのに、子育てでは要求される矛盾

その子を誉め、意欲を掻き立て、能力を最大限に引き出そうとする教師や親の活動は、いわば車のアクセルを踏むようなものです。それに対して子どもの好ましくない動きを抑えようとするのは、ブレーキを踏むのと同じでしょう。教育はいわばこのアクセルとブレ…

「失うものがない人間は強いが、守るべき大切な人がいない人生は意味がない」~映画『悪人』を見ているうちに考えたこと

たいていの場合、月曜日の「デイ・バイ・デイ」は前の週の金曜日に書いているので時期を逸することがあります。先週の日曜日に見た映画「悪人」について、少し調べて書こうと思っていたのが、時間がかかって今日になりました。 何を調べたかったかというと、…

「十干十二支(じっかんじゅうにし)の話」~やたら使っているのに意味を知らない言葉

今日、2011年11月11日は並べてみると20のうしろに1が6個もつく日です(だからどうということもありませんが)。 西暦というのはイエス・キリストが生まれた(と信じられた)年を元年として、延々と受け継がれた年の数え方です。日本では明治初頭…

「服装の乱れは心の乱れ」は間違って理解されている

私が教員になったころ、勤務先の中学校の男子はすべて詰襟の学生服でかつ丸坊主でした。私服を捨て、断髪をして中学校に入るというのはなかなか気合の入るもので、小学生が中学生に生まれ変わる重要な契機となるものと当時は思っていました。 しかしほどなく…

「そもそも”幕府を開く”ってどういう意味?」~ほんとうはここまでやっておきたい歴史教育

「1603年、徳川家康は征夷大将軍になって江戸に幕府を開きました」 小学校6年生以上を経験した人ならだれでも知っていることです。しかし「幕府を開く」ということに、子どもたちはどういうイメージを持っているのでしょう。私自身も子どもだった時はあ…

「キャリア教育で息子がモテた話」~私が唯一信頼する追加教育

私が教員になったころはエイズ教育なんていうものはありませんでした。金銭教育もなければコンピュータ教育もなく、交流教育も環境教育もあとから追加されたものです。小学校の生活科も外国語活動もなく、総合的な学習の時間だってなかったのです。性教育や…

「敢えてPCを壊す」~教員の子どもだけが立派に育つ時代の予感

先日、田澤先生とお話をしていたら、息子さんの通知票に書かれていた宿題の提出状況が悪く、怒り狂った田澤父親は息子の前でゲーム機を叩き壊した、という話が出てきました(勢いでソフトもぶち割ろうとしたら硬くて壊せなかった、そこが少々カッコウ悪かっ…

「お経の話」~ちょっとかじるとけっこう面白い世界

義理でお葬式に出たり法事に参加したりすると、長い長い読経の時間が苦痛です。足の痛みに耐えてわけの分からないものを聞き続けるのは容易ではありません。せめて何を言っているのか分かったらなあと思ったこと、ありません? 幸いなことに私の場合、20代…

「文化の日」~お休み

文化の日

「あの人ならどう考えるか」~父が死んだ

日曜日に、父が死にました。 子どものころ、父は非常に遠い人でした。市役所の職員でしたが38歳で課長、48歳で部長と異例の出世をした人です。しかしそのことは私にとっては少しも幸せなことではなく、土日も含めて年中仕事ばかりで、一緒に遊んでもらっ…

「親孝行考」~体を毀損することについて

伊達政宗というのは相当な奇人であって、秀吉に疑惑を持たれた際には白の死装束に金箔を塗った磔柱(十字架)を背負った姿で出頭したとか、健康にいいからといって冬は炬燵の一方を必ず開けさせたとかいった面白い逸話をたくさんもっています。料理に長け、…