カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「良いお年を」~年賀状・盆暮れのあいさつは面倒を回避する先人の知恵だ

「国民アンケートクイズ リアル日本人」という番組で、年賀状を書く理由についてアンケートをとり、その結果を回答者が当てるという場面がありました。 選択肢は「A.近況を知らせたい」「B.関係を深めたい」「C.しかたなく」「D.出していない」です…

「現代の家柄」~生きていくことの価値④

私には長く生きて見てみたいものがある――。 これからどう生きて行こうかと考えているとき、突然思いついたのは息子の子育てのことです。息子が父親として自分の子をどう育てていくのか、それを見てみたいと思い始めたのです。 私と同じ子育てをするとは思い…

「遠くの孫より、近くのネコ」~生きていくことの価値③

クリスマス 幼子なき家(や)の 焼き魚 平穏と言えば平穏ですが、なんだかんだ言いながら大騒ぎしたクリスマス・イブも懐かしいものです。 さて、 5年ほど前、昔、お世話になった校長先生のご葬儀でのことです。弔辞の一番が若く美しいお孫さんで、涙ながら…

「定年後の生き方に結論が出ないまま来てしまった」~生きていくことの価値」②

10年前から10年後(つまり今日)を考えてきました。 私は、半分は教員として、もう半分は自分の子の父親として生きてきましたから10年後、その双方をほぼ同時に失うことに大きな不安があったのです。 読書も音楽も、観劇や美術館巡りも好きですが、そ…

「死ぬのは怖くないが――」~生きていくことの価値①

前橋市で無施錠の部屋から入った暴漢に老夫婦が襲われ、夫が殺されるという事件がありました。それを聞いた87歳の母が、にわかに席を立って、「ちょっと、戸締り、見てくる」 私は少し呆れて、「怖いの?」 すると、「だって殺されるんでしょ?」 父が死ん…

「先見の迷」~ブームをつくるひと、最も早く乗っかってしまう人

昨日は「日本のピークはこれからかもしれない」という記事をネタに、今日の日本を予見した自分を少し自慢しました。けれど若いころの私はもっときらめいていました。 荒井由実、現在の松任谷由実の発見者は私です。少なくともLPレコード(コレ、若い人は何…

「そして忘れてしまった」~自分の書いたことが思い出せない

他は知らないのですが私のブログは“拍手”をクリックした上でコメントをいただいく、いわゆる「拍手コメント」にお返事する機能がありません。*このHatena Blogの話ではなく、元となったteacup blogの話です。 せっかく書いていただいたのに返事ができないと…

「総選挙でもうひとつ」~選挙に生死がかからないと、なかなか投票率は上がらない

選挙運動期間中でしたので、ここ2週間のワイドショー、ニュース番組は奇妙な緊張感がありました。候補者や政党を直接あつかうのは公職選挙法がらみで面倒なので、その周辺をウロウロして具体性のない話ばかりしていたからです。その中のひとつが、「若者の…

「普通に賢い人は選挙に行くよ」~総選挙の翌朝に考えたこと

まだ20代の初めのころの話です。 総選挙が行われ、今朝のようにテレビの全チャンネルが結果分析の話題でいっぱいに覆われている日のことです。なにしろ見る番組がないので仕方なく選挙特番を眺めていた私は、突然、強いショックに襲われて、ガバッと起き上…

「適齢期のこと」~非婚の時代④

ひとつ言い忘れていました。 いつだったか、テレビのワイドショーを見ていたら、「みんなに共通する適齢期なんてありません。その人が結婚しようと思ったとき、それが適齢期です」などと発言する人がいて、その気の利いたような言い方に、みんなが「そうだ、…

「結婚のススメ:この先、50年も同じ生活を続けるの?」~非婚の時代③

高度成長期に電気炊飯器とガスレンジ・冷蔵庫が台所に革命をもたらしたように、80年代は瞬間湯沸かし器と電子レンジが台所を一変させました。 真冬に苦もなく食器が洗えること、冷たくなった食材を一瞬のうちに温められること、この二つがかなって初めて、…

「退屈だから、私は結婚した」~非婚の時代②

初任のころ勤めていた学校は職員が60人近くにもなる大校で、若い先生たちもたくさんいました。ほとんどが独身で、気ままであると同時に士気も高かったので、人より少しでも良い仕事をしようと平気で夜中まで学校で過ごしていました。しかし困るのがやはり…

「かつて、生きるために結婚した時代があった」~非婚の時代①

87歳の母の手元にある見合い写真が三枚。いずれも三十代後半の女性のもので、友人から預かったと言います。しかし男性の手札が一枚もなく、そこで私に相談が持ちかけられるのですがこちらの手持ちもゼロ。それどころか私自身にも気になっている女性のカー…

「太平洋戦争開戦の日」~子どもの頃に、戦争の爪痕があった

今日12月8日は日本軍による真珠湾攻撃のあった日、つまり太平洋戦争開戦の祈念の日です。 1941年12月8日午前2時40分(ハワイ時間7日午前7時10分)に攻撃が始まり、日本国民には午前7時の臨時ニュースで知らされました。「臨時ニュースを申…

「男の子の育て方、女の子の育て方」③

「中学校は女の子を育てるところだよ」 そう私に教えてくれた先輩はもうひとつ重要なことを教えてくれました。「女の子が“真面目できちんとした男の子が好きだ”と言えば、男子はあっという間にキリッとする。逆に“男子は少しくらい腐っている方が旨い”と言い…

「男の子の育て方、女の子の育て方」②

少年鑑別所や成人矯正施設に勤務したのち、医療少年院長を経て現在講演活動に従事している小栗正幸は、子どもが非行に走りやすい要因(非行のリスクファクター)の最大のものは「男の子に生まれることだ」と言います。非行少年の最大の共通項は「男子」なの…

「男の子の育て方、女の子の育て方」①

ジャン=ポール・サルトルは20世紀最大の哲学者で、かつ信じられないくらいあっさりと忘れ去られた人です(これを「サルトル忘却」と言います)。それはサルトル自身が自らの実存主義哲学をマルクス主義の下位思想と位置づけ、そのマルクス主義がソ連崩壊と…

「そうだ、選挙に行こう!」~しかし若者は行かなくていい。それが私たちのためだ

成人式というのは珍しい式で、祝辞が二本、ひとつは市町村長、もうひとつは選挙管理委員長と相場が決まっています(記念品贈呈は教育委員長)。 めったに表に出てこない選挙管理委員長が祝辞を述べるのは、言うまでもなく選挙権を手にした新成人に選挙に来て…

「第四の人生」~社会にも家族にも貢献できなくなってからの老後

87歳の母が昨日、同い年の友人を施設に見舞いに行ったようです。母はそこそこ元気ですが、“友人”はすでに両眼が見えず、音がうるさいとラジオも聴くことなく日々暮らしているようです。会って話を始めたのはいいのですが、涙、涙でさっぱり会話が前に進ま…