カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「恐い親、厳しい親」~恐い親はけっこういるが、厳しい親はめったにいない

教員としての先輩からいただいたアドバイスの中で、もっとも役立った言葉の一つは、「あのウチの父親は、恐いけれど厳しくありませんから・・・」というものでした。 そしてそういう目で世の中の父親を見ていると、恐い父親はそこそこにいますが、厳しい父親…

「『未来の自分』『未来の我が子』を売り渡してはいけない」~今の躾は未来のその子を守るため

昔生徒の喫煙に関して指導をした際、ある母親がこんなことを言いました。「でも、私どもとしても、子どもに強く言えないんです。夫も、私自身もタバコを吸いますし、家ではお祖父ちゃんも吸ってますので・・・」 それは違うと、私は思いました。 タバコは、…

「100点でなければいけない」~避難訓練の話

今日は避難訓練があります。 避難訓練というと、よくできたときなどは、「もし万が一本当に火事があっても、こんなふうにきちんとできるといいですね」と言ったりしますが、私はそうは思いません。 学校が燃え、火の粉が飛び、友だちの髪がチリチリと燃える…

「教職という職人の世界」~誰でも、普通は、精進すれば何とかなる

教職というのはいわば職人芸ですから、年季を積めばそれだけよくなるという部分が、かなりあります。本物の職人がそうであるように、日々精進し、先輩の技を見習い、盗み、失敗を繰り返しながらも同じ過ちは犯さないよう心がけ、努力を重ねれば、いつか一端…

「美しき明治の子どもたちの話」~世界が変ったのはつい最近のことだ

「こちらでは、うまく説明できないのですが、しつけというものが血のなかに流れていて、例外なく外にあらわれてくるのです。 日本の子供が、怒鳴られたり、罰を受けたり、くどくど小言を聞かされたりせずとも、好ましい態度を身につけてゆくのは、見ていてほ…

「明日は勤労感謝の日」~ところでどういう日だっけ?

明日は勤労感謝の日です。 『国民の祝日に関する法律』(祝日法:1948年公布・施行)では、勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあうことを趣旨としているそうです。 子どもたちには「お父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、その他…

「子どもについて、信じられること」~誰だってスゲェナァと言われたい

「子どもを信じなさい」とは言うものの、「うちの子に限って・・・」と信じて馬鹿を見た親はいくらでもいますし、「この子は万引きなんか絶対にしないと信じていましたのに・・・」と警察で言って、誉められた人もいないでしょう。「あなたはきっと東大に入…

「物書く民族」~日本人は書くのが好きという意外な事実

現在世界の人口は66億4000万人で、日本の人口はおよそ1億2000万人です。つまり、日本人は世界の1.8%ほどということです。「日本人」と「日本語で読み書きする人々」はほぼ同数ですから、日本語で読み書きする人はやはり1.8%ほどと考えて…

「こんなのいかが? 教師の整理術」④~付箋

いつどのようにして手に入れたのか覚えていないのですが、手元に写真のようなメモケースがあって、けっこう困っていました。何かに使えるようで、そうでもなくて、捨てるに惜しくて、あると邪魔で・・・。 と、あるとき突然閃いたのです。 付箋紙というのは…

「今日はマラソン大会」~マラソンと42・195kmの起源

あまりにも当たり前なのでついつい言い忘れてしまうということがあります。マラソンの起源は誰でも知っている話ですが、案外子どもは知らないのかもしれません。そこでもう一度おさらいしてみましょう。 マラソンの名は、紀元前450年、ギリシャのマラトン…

「恥の文化を守る」~自分のやるべきことを他者にやってもらうのは恥ずかしいことなのだ

有名なルース・ベネディクトは著書「菊と刀」の中で日本の文化を「恥の文化」と名づけヨーロッパの「罪の文化」に対置させました。そして他律的な「恥の文化」では正義より名誉が優先され、個人の道徳心は、他者により左右されてしまうと問題視しています。…

「こんなのいかが? 教師の整理術」③~書類整理

机の一番下の引き出し、たくさんの書類やフラットファイルを縦に入れておくと、いつの間にか古いものが沈み込んで、見えなくなってしまう時がが あります。で、編み出した技が写真のようなものです。 100円ショップで買ってきた3連の本立て、それだけで…

「ヨハネとパウロはビートルズ!」~名前の不思議②

アメリカの人とキリスト教の話を始めたのに、ジョンだのポールだのとビートルズのメンバーの名前が出てくるので面食らったという人がいます。聖ヨハネは英語でジョン、制パウロは英語でポールというのだということを知らないと、話がかみ合わなくなります。 …

「PTA作業ごくろうさま」~その歴史と意外なできごと

PTA作業、ご苦労様でした。短時間でしたが、大人が大勢で取り掛かるとあっという間に学校全体がきれいになります。びっくりしました。 ここのところ臭いのすっかり少なくなったトイレも、いっそうさわやかになりました。日々の清掃をしっかりやって、維持…

「道徳教育の行方」~どのような可能性があるのか

かつて道徳の授業はひどいワンパターンの中にはまり込んだことがあります。 それは〔資料の読み取り〕→〔自己の行為の振り返り〕→〔自分自身を見返しながらの反省〕→〔授業の感想〕といったものです。それを口の悪い人たちは、〔文章読解〕→〔内省〕→〔懺悔…

「なぜ、『さん』をつけて呼ばなくてはならないのか」~美しい言葉遣いのために

人の名前の下に「さん」や「くん」をつけると、その後に醜い言葉をつけることは困難になります。ためしに、「山田さん」に「バカヤロー」つけてみればいいのです。「山田さんの、バカヤロー!」なんと間が抜けた、お茶目な言い方でしょう。「バカヤロー!」…

「なぜ中学校は3年なのだろう?」~小学1年生と6年生が同じ学校でいいのだろうか?

なぜ小学校が6年、中学校は3年なのだろう? 義務教育9年はたぶん予算から割り出した最大の年数だろうが、それにしても5・4制とか4・5制という割り振りのよいものにはできなかったのか? 長く調べて来ましたがよく分からないところです。 結局たどり着…

「中学校は大人になるための学校」~大村はまの言葉より

義務教育が9年間で、しかも小学校と中学校に分かれていることに疑問を持たない人が多すぎます。中学校がなくて小学校だけで9年間やれば、グランドも体育館も校舎もひとつ、校長も教頭も一人で済みます。校舎施設はもちろん、校長・教頭の給料だけを考えて…

「ロシア人の名前」~名前の不思議①

まだ私が小学生だったころ「大学生の愛読書 ベスト10」とかいうのが新聞にあって、その第一位がドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」でした。幼心にも私は、大学生になったらこれだけは読もうと決心しました(そして実際に、学生時代に2回読みました)…

「我慢できる子 がんばる子」~高い価値のために、より低い価値の何かを捨てる

大沢先生が、 徳川家康は倹約が大好きだったというエピソードを社会科の時間に学習したら、子どもが「倹約」という言葉を知らなかった、 といって嘆いておられました。 私もあきれましたが、考えてみればいかにもありそうな話です。「倹約しましょう」などと…

「仕事の旬」そのときにやらなければたぶん絶対にやらない仕事

仕事には「旬」と言うものがあります。そのときにやらなければたぶん絶対にやらない仕事、それが「旬な仕事」です。 昨日の朝、1年生教室前のトイレの、足拭きマットに躓いて転びそうになりました。周りを留めていたガムテープがすっかり擦り切れて、用を成…