カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2016-01-01から1年間の記事一覧

「お世話になりました」〜2016年、私の過ごし方

【仕事のために家庭を犠牲にしない世代】 私たちより上の、団塊の世代よりさらに上は、仕事のためにいかに家庭を犠牲にしたかが自慢になるような人々でした。教員の世界ももちろん、「運動会なんて何十回やったか分からないが、自分の子どもの運動会には一度…

「サボテンと不揃いの階段」

【なんと愚かなことを!】 ジャコバサボテンが今年も花芽をつけていよいよ花開きそうになったので、暖かな居間に入れて毎日楽しみに待っていました。 ところが何日たっても花が開かず、さらにしばらくすると白い蕾が黄味がかってきて、そのうちひとつふたつ…

「戦場について語るとき」〜子どもに何を伝えるか

【アレッポを忘れるな】 19日、トルコの首都アンカラで、ロシアの駐トルコ大使が暗殺されました。犯人は22歳の警察官でその場で射殺されたそうですが、彼の「アレッポを忘れるな」「シリアを忘れるな」という叫びには心動かされるものがあります。 もち…

「ポスト真実とおでんツンツン男の物語」③

【そこは秘所】 かつてネットの社会は匿名が基本でした。営業に使う人を除けば普通はハンドルネームを使い、身元は極力知られないように苦労しました。かくいう私も文章内で細かくウソをつき、粉飾し、直接話をしたいという切実な願いにも背を向けて自分のサ…

「ポスト真実とおでんツンツン男の物語」②

【坂本金八の亡霊】 マスメディアは正しい情報を、流していないのではないか、そう疑う人は多いでしょう。それは自分がよく知る世界が描かれたときに感じます。 例えば私の場合は学校。「ごくせん」や「GTO」くらいハッチャケると誰も本気のしないからいいの…

「ポスト真実とおでんツンツン男の物語」①

【ポスト真実】 先月中ごろ、新聞に次のような記事が出ていました。「ポスト真実を選出」 〇英 今年注目の単語【ロンドン共同】 英オックスフォード大出版局は16日、今年注目を集めた英単語として「客観的な事実や真実が重視されない時代」を意味する形容…

「成績を上げると意欲も自信も活動も落ちる?」〜PISA2015報道のまやかしと失望⑤

国立教育政策研究所の発表したPISA2015(OECD生徒の学習到達度調査)に関する報告はいくつかのファイルから成り立っていますが、全体を俯瞰した「PISA2015年調査国際結果の要約」がもっとも重要であり、「PISA2015年調査補足資料」がさらに細かな分析として…

「勉強は楽しくやるものなのか」〜PISA2015報道のまやかしと失望④

PISAやTIMSSの成績が振るわないと「学校は何をしているのだ」ということになりますが、成績が良ければ誉められるかというとそうでもありません。しばしば使われるのは、「日本の子どもは、成績はいいが楽しく学んでいない」とか「成績はいいが、意欲的でない…

「落日のフィンランド、顧みられないアジア」〜PISA2015報道のまやかしと失望③

PISA2015で明らかになったことのひとつは、かつて学力大国と言われたフィンランドの明らかな凋落です。 表はフィンランドの学力低下がもっとも顕著にみられる「数学的リテラシー」における上位15か国・地域の順位・得点ですが、すでにPISA2009でその予兆が見…

「日本の子どもは何を学んでいるのか」~PISA報道のまやかしと失望②

科学や数学の分野で常に10位以内、しかもかなり上位の成績を残しているのに読解力だけは一段劣る、これだけ優秀な日本の教育システムが読解力の壁を乗り越えられないとしたら、そこには何らかの制度的あるいは民族的・国語的な制約があるからだ、いったい…

「PISA2015結果発表に寄せて」~PISA報道のまやかしと失望①

PISA2015(OECD生徒の学習到達度調査)の結果発表があり、12月6日、マスコミ各社から報道されました。 量的に一番多かったのはNHKで、他局はサラッと触れる程度。内容としては、「科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーいずれも上位に位置しているが、…

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「キース・アウト」 2016.12.11 分析国際学習到達度調査(PISA)2015

「父親が娘に伝える性教育」⑤〜最終

(10) 結婚適齢期はあるよ 「結婚適齢期なんてない」いう人もいるけど、便利という意味では適齢期はあるよ。 例えば父なんて、結婚が遅くて親になるのも遅かったから、定年退職と(弟の)アキュラの成人式が一緒だ。幸いお母さんが正規で働いてくれていて、し…

「父親が娘に伝える性教育」④

(8)奢られてはいけない。 ほんとうに恋人同士になればワリカンも通用するけど、それ以前は男も奢りたがるものだ。金を持っているところを見せたいというより、鷹揚な感じを演出したいんだろうね。 でもウカウカとそれに乗ってはいけない。理由のないプレゼン…

「父親が娘に伝える性教育」③

(5)家柄の良い人と一緒になりなさい。 家格だとか出自だとかではなく、「人柄」と同じ意味での「家柄」のいい人と結婚しなさい。家庭の雰囲気が良く、価値観の合う家庭で育った人と一緒になれという意味だ。 それはひとつには、“彼”の家族は一生あるいはそれ…

「父親が娘に伝える性教育」②

(3)男なんて10人中8人は似たようなものだ。 この国にいる限り(というのも外国の事情は分からないけど、という程度の話だけど)、とんでもなく素晴らしい男も、とてつもなく悪い男もそれほど多くいるわけではない。 ああすごい、これは間違いなくいい、と言…

「父親が娘に伝える性教育」①

「結局、男の子の教育はお父さん」とか「女子教育は女の仕事」とか言ったりしますが、性教育に関しては両親からやるのが理想的でしょう。性の問題ですから両性の見方はどうしても違ってきます。それぞれの見方を伝えるのは、それぞれの性だというのが理の当…

「2016女性受難の年」

いよいよ12月に入って今年もまとめの時期となりました。いろいろな観点があろうかと思いますが、私はひとつに「女性(政治家)受難の年」だったなあという気がしています。 あのヒラリー・クリントンが落選するとは思わなかった、あの朴槿恵大統領の支持率が…

「負の遺産」〜長野の矜持、東京の怯懦

2020年東京オリンピックの競技場問題、ボート・カヌー会場は「海の森水上競技場」に、水泳は「オリンピックアクアティクスセンター」に決まったようです。元に戻ったわけです。 バレーボール会場はクリスマスまでの棚上げだそうですが、これも元の「有明アリ…

「結婚ノ ススメ」~恋愛フォビアと結婚願望」③

私は34歳と11か月12日、つまりあと20日足らずで35歳になるというときに結婚しました。当時としてはそこそこ遅い結婚でした。なぜそんなに遅れたかというと、モテなかったからと言えばそれまでですが結婚したい気持ちがなく、寂しくもなく、不便もなく――要す…

「こうなったら相手はだれでもいい」~恋愛フォビアと結婚願望②

恋愛をして相手を十分理解したうえで結婚しても、それで幸せが保障されるわけではない。現代の若者たちが無意識に親から学んだのはそういうことです。もちろん親から学んだかどうかは別にしても、それは真理です。そこから恋愛なんて必要ないという考え方が…

「恋人がいらないらしい」~恋愛フォビアと結婚願望①

先週木曜日(11月24日)のNHK「クローズアップ現代+」は「恋人いらないってホント?出現!“いきなり結婚族”」という題名で、今日の若者の恋愛・結婚事情について、新たな観点からルポルタージュしたものでした。 サイトの紹介によると、「恋愛が面倒」「セ…

「教師の役得」〜かつて映画の招待券をもらっていたことがある②

かつて映画館の招待券が学校に置いて行かれたことがあったというお話をしました。 たいていの教員は年中忙しがっていますからその券も無駄になることが多かったのですが、私の数少ない趣味のひとつが映画鑑賞でしたから、けっこう便利に使わせていただいてい…

「教師の役得」〜かつて映画の招待券をもらっていたことがある①

11月も押し迫り、そろそろお歳暮のことを考えなくてはいけない時期になりました。我が家の場合はもう何年も前からミカンと決まっていて(別に産地ではないのですが)、「どうせ今年もSuperTさんのウチから来るに違いない」とアテにして買わない家もあるとか―…

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「キース・アウト」 2016.11.23 引きこもり仕組み、一端解明へ 京大教授らマウスの脳内変化確認

「おやおやおや」~今日はブログ10周年でした

このブログの元となった原稿は今から12年前、当時勤務していた学校内で書き始めたものです。もともとネット上に上げるつもりはなく、毎日のん気に思うところを書いていたのですが、それから一年半ほど経った頃、私の運営するサイト上でちょっと厄介な問題…

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「キース・アウト」 2016.11.22「AIの性能を上げている場合ではない」 ──東ロボくん開発者が危機感を募らせる、AIに勝てない中高生の読解力

「拾遺」〜アメリカ大統領選挙の憂鬱6

いつまでもアメリカ大統領選挙にこだわっていても埒があきませんので、せっかく調べたのに文の中にうまく収まらなかったものを列挙してこの問題から一応撤退したいと思います。もっとも相手がトランプですので何を言い出すかわからず、せっかく心落ち着けた…

「果たして人間は平等なのか」〜アメリカ大統領選挙の憂鬱⑤

自由とか平等とかは基本的人権の中でも最も基本的なものです。 しかし果たして本当に人間は自由であり平等なのか? トランプ現象が突き付けるのはそうした本質的な問いです。 しかしこれについてはきちんとした証明、もしくは説明はないのです。 これについ…

「アメリカ大統領選挙の憂鬱」④〜トランプは何を開いたのか

一週間がたちました。 私も落ち着きましたが、トランプ当選以来、次期大統領に対する凄まじい見直しが始まり、「政府内部でも『トランプも案外悪くない』『ヒラリーよりはむしろいい』といった声が上がっている」といった噂がまことしやかに流れたりしていま…