人生

「競技場には魔物がいる」~東京2020オリンピック・メモ②

13歳のゴールド・メダリストが誕生した。 競技場には魔物がいて、しばしば人の運命を好き勝手に動かすようだ。 それが苦しいこともあれば、失敗が面白すぎる場合もある。 という話。 (写真:フォトAC) 【13歳の金メダリスト】 いよいよ13歳10カ月…

「人生の現場を離れると違う価値が浮かび上がってくる」~老い⑤ 

老人は役に立たないと思われる時代が、そう長かったわけではない。 ただ、今がそうだというだけの話だ。 また、価値はひとつではなく高齢者には別の価値がある。 だから後悔することは少ない。 という話。 (写真:フォトAC) 【いつから価値は若者に移った…

「食事が旨くなった・時間は自由に使える・保障された読書」~老い④

退職したら思わぬ発見があった。 仕事を辞めると食事が旨くなること、 「時間をうまく使う」という概念がなくなること、 おもしろい本がどこにあるのか、鮮やかに分かること、 という話。 (写真:フォトAC) 【食事が旨くなった】 妻はもともと家庭科の教師…

「若者よ、しかし悪いことばかりではない」~老い③

年老いた人間の生活を、若者はあまりにも低く評価する。 老いて醜く、誰からも期待されず、 社会に寄与するどころか邪魔にさえなっている――。 だが若者よ、そんなふうに見える高齢者の生活、悪いことばかりではないのだよ。 という話。 (写真:フォトAC) …

「若い人から見ると老人はやはり――」~老い②

若い人たちは私たち年寄りのことをどんな目で見ているのだろう。 歌や漫画に出てくる老人は実年齢よりさらに年老いている。 それはまさに若者が年寄りを見る目そのものではないだろうか。 私たちは思った以上に、つまらない存在と思われているのかもしれない…

「老醜を晒す人々――私とアインシュタインとチャーチルと・・・」~老い① 

自覚は薄いが私もずいぶんと老いた――ようだ。 シモーヌ・ド・ボーヴォワールと上野千鶴子が、 偉人でももう老人は役に立たないとガンガン責めてくる。 あの人たちですらダメなのだから、いわんや私をやだ という話。 (写真:フォトAC) 【シモーヌ・ド・ボ…

「ある自営業者の誇り」~国や都には感謝していると言える人の美しさ。

店を閉じるのだから給付金や協力金はもらって当たり前と思う人、 これきしの支援ではやってられないと、店を開け、酒を提供して深夜まで営業する人。 しかし大半は粛々と協力して耐えている。 中には国や都に、感謝の気持ちを伝えようとする美しい人もいるの…

「ボヘミアンK氏の生き方」~年賀状が呼び覚ます記憶と人間模様④

電話を介して三十数年ぶりにKさんと話しながら、 遠い遠い昔のことを思い出す。 そのうち私は、なぜあれほどKさんと会いたかったのか、 Kさんに“その後の私”を知ってもらいたかったのか、 ようやく理解することになる。 遠く及ばないにしても、私もKさん…

「馬齢を重ねてここまで来た」~なにも成し遂げずに終わる人生も悪くない

今日は坂本龍馬の命日。31歳の若さで亡くなった。 私の半分以下の年齢だ。 それに比べて自分は何をして来たんだとずっと思っていたが、 いまは少し落ち着いていられる。 という話。 (写真:フォトAC) 【昨日・今日・明日に亡くなった人たち】 昨日、「…

「肉体労働者、職人教師、職業作曲家、映画やコンサートを支える人々」~私のアリアナ体験④

世の中には自分の領域を厳しく限定し、 その中で完璧を期すプロフェッショナルがたくさんいる。 彼らすべてが一流であるわけではないが、 すべてが誇りをもって仕事にあたっている。 という話。 (写真:フォトAC) 【肉体労働者:生頼範義】 昨日、イラス…

「小柳ルミ子のダモクレスの剣」~それぞれのコロナ①

新型コロナ自粛の中で、歌手・小柳ルミ子はいったん引退を決意したという。 その期間中、誰も小柳ルミ子を思い出さず、誰も仕事をくれなかったらからである。 しかし芸能人の大半は同じ状況にいたはずではないか。 小柳ルミ子はなぜそんなふうに思いつめて行…

「死に逝く者の責務を果たせる者だけが死んでいい」~女優、竹内結子も逝ってしまった

女優の竹内結子さんが亡くなった。自殺の可能性が高いという。 打ち続く芸能人の自殺、 あるいはそこに共通点があるのかもしれないが、竹内さんは少し違う。 人には死んではいけないときがある、死ぬことが許されない場合もあるのだ。 という話。 (ダフィッ…

「働いていないことの消耗」~三浦春馬さんの死とコロナ禍

テレビで、三浦春馬さんの最後のドラマを見た。 これほどの人がなぜ死を選ばなくてはならなかったのか、 若い人にはそもそも生きる力が備わっているはずなのに――。 そこで想われるのが新型コロナ事態である。 という話。 (写真:フォトAC) 【三浦春馬さ…

「新型コロナの、事態後を想う」~失うもの、残るもの、残さなくてはならないもの 

ふと気づくと、 新型コロナ禍の中で一過性だと思っていたもののうち、 いくつかはこのまま残ってしまうのではないかと思い始めた。 失うもの、残るもの、残さなくてはならないもの、 今こそそれを、考えておこう。 という話。 (「大勢の仲間と飲み会でビー…

「私のヒーロー、地蔵菩薩」~チコちゃん、私は憧れていたんだ 

先週金曜日の「チコちゃんに叱られる」で、 「お地蔵様は閻魔様だ」と言っていたが、 私はちょっと違うと思う。 地蔵菩薩はもっとすてきな、私のヒーローなのだ。 というお話。 (「護国寺」フォトACより) 【チコちゃんにひとこと言いたい】 先週の金曜日(…

「時間はどこに消えたのか?」~私の近くに「モモ」の灰色の男たちがいるらしい

2学期最初の一週間、ご苦労様。 新型コロナで教師の仕事はさらに増えた様子、たいへんなことだ。 それに比べたら私の生活の、なんとゆとりある、豊かなものなのだろう。 ――と言いたいのだが実は時間がない。 職場に行かなくなって浮いたはずの私の時間は、ど…

「記憶力と地頭(じあたま)、落ちてくる啓示」~天才の脳と人生②

天才の脳には形状や大きさに特徴でもあるのだろうか? そもそも天才というのは何なのだろう? 私たちは天才とどうかかわっていくのか? 天才たちは幸せなのだろうか? といったもろもろが浮かぶ――。 というお話。 (「AI スピード」フォトACより) 【脳…

「結婚は生き直し、子育ては繰り返される脱皮」~母親になった若き女性への手紙

娘の友だちが初めて母親になった。 これから子どもともに、長い長い成長の日々が始まる。 それは平坦で楽な道というわけではないが、 人生で最もおもしろく、歩きがいのある道である―― と伝えておこう。 というお話。 (「うつぶせで寝る赤ちゃん 3」フォト…

「細く扇型に広がった運命の道」~新社会人の皆様へ

大変な求人難の中で就職し、世の中で大切されて始まるはずだった社会人生活、 それがこんなに暗く不安なものになるなんて! しかし新社会人の諸君、 人生は結局、運命とどう折り合っていくかだ。 冬の時代をうまく切り抜けて行こう という応援のお話。 (ヴ…

「死ぬのはいいけど、面倒なことはイヤだ」~人間ドックの結果が出る

人間ドックの結果が来た。可もなく不可もなく、順調に下り坂。 年寄りはそういうものだ。死ぬのも怖くない。 しかしちっとも芳しくない結果を見ながら、ふと、 やはり健康でいようと思った。 という話。 (「診断書とボールペンと聴診器」フォトACより) 【…

「大人の相談はどこに持って行けばいいのか」~人生の最期をきれいに終わらせるために

今年起きた老人による二つの大きな事故・事件。 「東池袋自動車暴走死傷事故」と「元農水事務次官長男殺害事件」。 もちろんよそ事ではないが、我が身に置き換えたとき、 どう対処したらよいのか。 という話。 (「夕空と木の側のベンチと老人」パブリックド…

「祭りの準備に船頭が多すぎた話」~敬老の日に重ねて

地区の祭りの準備に行ってきた 参加者は老人がほとんど しかし口は多い 船頭多くして何とやら なかなか面倒くさいが 年寄にはそれが必要なのだ というお話。 (写真ACより) 【祭りの準備に行ってきた】 地区の神社が秋の大祭で、その準備に行ってきました。4…

「『腐女子、うっかりゲイに告る』が残したもの」~ネタバレだらけ

4月スタートのドラマが ここにきて続々と最終回を迎えた 今回は特に心打たれる物語があり 私は人生をもう一度考え直したというお話。 【4月スタートのドラマが終わる】 4月スタートの連続ドラマのいくつかが最終回を迎えました。 私は特にこの二か月間、…

「わが家の五月危機」~孫のハーヴに見る4歳児の成長2

人生は不思議なもので なぜか忙しいときに新たな仕事が入り 長いことなかった冠婚葬祭がまとめて一気に押し寄せ 電化製品はしばしば同時に壊れる 2019年5月 なぜかわが家に看過できない事件が続いた というお話。(ピーテル・ブリューゲル《父》 「聖マ…

「長く生きることの大変」~母を見ながら考えた

長命な家系です うっかりすると80歳・90歳 あるいは100歳を越える人生というのもあるのかもしれない そう考えたら少しビビった・・・ という話。 【長命な人々】 とりあえず、私たちは親戚の多い世代です。 私の場合、父が4人兄妹、母が5人姉弟ですの…

「様式からはみ出ることの胡散臭さと必要性」~冠婚葬祭の経済学3

同棲は無責任、式も披露宴もしないというのは逃げ――そう考える人たちがいる。 しかし時代とともに考えなくてはならないこともあだろう。 というお話。 (ブレア・レイトン 「登録簿へのサイン」) 【同棲の経済学と倫理学】 娘のシーナが結婚式を決める1年…

「貧乏人こそ結婚しろ、披露宴で脇を固めろ」~冠婚葬祭の経済学2

貧乏人同士は結婚した方が楽。(マイナス)×(マイナス)は(プラス)だ。披露宴で支援者を募れ、というお話。 (ピーテル・ブリューゲル《父》 「農民の婚宴」) 古くから伝わっている儀式とか組織とか風習にはそれなりの意味があります。 問題はその意味が…

「結婚式で生活資金を生み出す法」~冠婚葬祭の経済学1

金がないから式が挙げられない、 いやそもそも金がないから結婚自体ができない、 という人に――、 結婚式は大げさにやればやるほど安くつくよ。というお話。 (ルーク・フィルズ「結婚」) 昨日のニュースに「結婚式挙げない人の半数以上は「資金不足」で仕方…

「禿頭(とくとう)考」〜なぜ男たちは禿げるのか

私には一カ月おきに会って飲み会を開く仲間が8人ほどいます。高校時代からの友人で8人そろうことは稀ですが、それでも半世紀続く仲間というのも多くはないでしょう。 その50年の間に、私たちは就職し、結婚し、子を育て、定年退職したのですからやはりず…

「見ない人、逃げる人」〜ひとの生き方と死に方(最終)

(ギュスターヴ・クールベ「オルナンの埋葬」) 義姉夫婦は病気が発見された当初からネットや書籍でがんについて調べることをしませんでした。もちろんそういうやり方がないわけではありません。 特にネットの世界は玉石混交、偽情報もあれば体験談と見せて…