カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「知の霊媒師」~教師とはそういうもの

このブログも8年目となると、そろそろ話題にも事欠くことになります。読み手は代わっても使い回しはしたくないと意地になっても、結局は同じ人間の頭の中から出てくることですから、まったく同じ内容をただ書き直しただけ、といった場合も少なくありません…

「私には、わからない・・・」~再生エネルギーの眉唾な話

昨日のニュースの次のようなものがありました。 経済産業省の有識者会議「調達価格等算定委員会」(委員長=植田和弘・京大大学院教授)は25日の会合で、7月に導入する「再生可能エネルギーの全量固定 価格買い取り制度」の原案をまとめた。次回会合で正…

「『古いお札入れ』には何を入れたらいいのか」~仁和寺にて

私はときどき娘から、「臆病者」とからかわれることがあります。それはレストランや食堂に行っていつも同じものしか頼まず、新たな冒険をしないからです。 ただし私にも私なりの言い分があります。外食はめったにしませんから、自分の食べたいものを逃したく…

「不空羂索観音の話」~その宝冠と醸し出す幻想

修学旅行のコースから東大寺三月堂が抜けていて、代わりに「東大寺ミュージアム」などという聞いたこともない施設が入っているのが内心不満でした。ところがこれは私の無知で、三月堂は現在改修中で拝観できず、内部の諸仏は「ミュージアム」に移されそこで…

「家庭防災」~家族を火災から守るアイデア

金曜日の避難訓練、特に低学年の先生方が階段を下りる際、さらにゆっくりと歩かせているのには心遣いが細かく、さすがだと思いました。 本校のように小さな学校だとそれほど問題にならないのですが、30人以上のクラスを率いるとき、先頭が階段を降りきった…

「逓信記念日」~郵便制度の誕生日

今日4月20日は逓信記念日だそうです。1871年の今日、それまでの飛脚制度に代り郵便制度が実施されました。 その数年前、旧幕臣でありながらその能力を買われて新政府の要職についた前島密は、駅逓権正(えきていごんのかみ・水陸運・通信を司る長官)…

「10種競技の世界チャンピオンでも、100m走だけでは日本選手権でも勝てない」~勉強を教えるのは塾の先生のほうがうまいという幻想②

昨日書いたことを簡単にまとめると、 「塾の先生にも、教えるのがうまい人もいればへたな人もいる」全員がうまいというわけではない。それにもかかわらず塾で成績を上げる子がいるのは、 勉強に本当に困っている(つまり意欲のある)子がたくさん来ている。 …

「塾も学校もそれぞれ特殊な場」~勉強を教えるのは塾の先生のほうがうまいという幻想について①

「勉強を教えるのは塾の先生のほうがうまい」といった話が平気で語られ、教員がそれに反論しないばかりか、東京あたりでは塾講師を招いて義務教育の教員の研修会が行われたりするので、なおこの話は真実めいてしまいます。しかし、私は若いころ8年近くも塾…

「黄色のマーカーの秘密」~私の文具自慢①

これまでも気に入った文具について何度か紹介してきましたが、今回、ちょっと自慢したいものを見つけましたので書いておきます。 それは「Handy-lineS」というぺんてる社の水性マーカーです。何がいいかというと、ノック式なのです。 マーカーの厄介なところ…

「ロケットとギリシャ文字の話」~昔、日本にカッパロケットというのがあった

金曜日に北朝鮮がミサイルの打ち上げに失敗しました。その日の夕方のニュースで街頭インタビューを受けた女性が、「ショボかったですねぇ〜」とか言っていたのが笑えました。家庭や友だちの間ならまだしも、国家的プロジェクトの失敗が「ショボかった」はい…

「重複能力の話」~ひとつの能力では食えなくても、二つ、三つと重なれば・・・

私は若いころ、自分が何かの天才であるという想いに支配されていました。なかなか器用な性質でしたので、多くのことが「そこそこ」にできたからです。そのうちのどれかに才能があって、それを捉えれば絶対に成功するはずだ、と思いこんでいいました。しかし…

「他の学校が叱られて、私の学校が引き締まる」~修学旅行の思い出③

旅館が貸し切りの場合はいいのですが、二校・三校と入っている場合はどこの県と一緒になるかは案外深刻な問題です。学校教育の在り方は都道府県によってずいぶん違いますから、うっかりすると宿舎内で自分の学校はそっちのけで、他校の生徒の指導をやらされ…

「旅行先で生徒をビシッとさせる方法、その生徒が和尚をビシッとさせたこと」~修学旅行の思い出②

昔の修学旅行は学校の制服にリュックサックという極めて機能的で怖ろしくダサイかっこうで出かけました。それが生徒たちにはそうとうに不評で(それはそうだろう)、花の京都に出かけるのに田舎者丸出しで、かなり惨めな気持ちになったようです。 私はそうい…

「綿密な計画、いい加減な当日」~修学旅行の思い出①

私の教員生活の中で「自分で自分を誉めてやりたい」と思うほどしっかりやった仕事のひとつは、3期目の中学校での修学旅行です。 当時とても尊敬できる校長と学年主任の下にいて、私がドジを踏んだらこの人たち辞めてくれるに違いないと信じたので、逆に緊張…

「子育てのマジック」~子どもは親の言動から予期せぬことを学んでいる

息子が小学生の時、空き缶と棒でフレットのない1弦ギターのような楽器をつくりました。私も子どものころ楽器づくりにはま(りかか)った経験があるので、息子の趣味は大いに気にいるところでした。 そののち似たような弦楽器を数本つくり、段ボール箱に竿を…

「理解できないことにも理由はある・・・のかもしれない」~宮崎県教頭偽札使用事件

職員室でも話題にしましたが、宮崎県で50歳の教頭が風俗でニセ札を使ったという事件がありました風俗店の支払いに偽一万円札=小学校教頭逮捕 ―宮崎県警(時事通信 4月3日《火》) 風俗店への支払いに偽一万円札を使用したとして、宮崎県警捜査2課と都城署…

「始業式の思い出」~顔が怖くて悲喜こもごも

顔がこんなふうなのでよく人から怖れられます。 新しく赴任した学校で転入職員紹介の際、担任交替のきまっているクラスの子どもたちが壇上の教員の顔を見て、「ああ、アレ以外だったら誰でもいいや」と思う“アレ”は、ほとんどの場合私でした。 中沢小学校に…

「子どもたちは一週間で変わる」~いよいよ明日は始業式

以前勤めていた小学校での話です。 その学校に赴任してまず驚いたのが清掃の騒がしさでした。休み時間なら半分はグランドに出ているのに、清掃時間はほとんどが室内ですからその連中が一斉に騒ぎ始めるとハンパではないのです。三人に一人は掃除なんかしてい…

「初日を終えていかがですか」~仕事には旬がある

新しく本校にみえられた6名の先生方、初日を終えていかがですか? とりあえずどんな学校に移っても初日というのはしんどく、職員会議も何をやっているのか分からないのが普通です。司会の方も周知事項はとにかく一渡りやってしまえ、という感じなので理解さ…

「先生方、よろしくお願いします」~ 新年度のご挨拶

新しく6名の先生方をお迎えして、平成24年度が始まります。 学校というところはそれぞれが零細企業並みの職員数ですが、毎年入れ替わりがあって3年もたつとがらっと雰囲気が変わってしまいます。 悪く言えば相性の悪い人がいても3年弱の我慢で離れるこ…