カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「いじめもどきの話」〜マイ・レジューム

文科省がいじめの実態調査をやり直したところ3万件も増えてしまったというニュースがありました(10月28日)。 以前だと「学校の隠ぺい体質」だの「隠されたいじめ」だのといった大げさなタイトルの記事となるところが、案外落ち着いているので驚いてい…

「いじめの軛(くびき)」2〜マイ・レジューム

いじめ問題に関するさまざまな考察を見てきて、いつも不思議の思うことが三つあります。 ひとつは昨日も書いた「なぜ時間的経過の中でとらえないか」ということ。 いじめの様態は時期によって変化します。 第二は、「なぜいじめの様態を分類しないのか」とい…

「いじめの軛(くびき)」1〜マイ・レジューム

今はどこでどのような暮らしをしているのかわかりませんが、私はいつも彼女に深く首をたれ、深い感謝と謝罪の表す心づもりで生きてきました。死ぬまで私が背負っていかなければならない負債です。 よくぞ死なないでくれた、よくぞ耐えてくれたと、感謝ともに…

「何が悪かったのか」2〜マイ・レジューム

初めて中学校の教員となり、いきなり担任を持って何もわからないまま様々なことを決めていく、様々なことが決まっていく。その間の私は分からないことだらけでした。 分からないのであれば他の先生に聞けばいいのに、しかし私はそれを聞かない。自尊心の問題…

「何が悪かったのか」1〜マイ・レジューム

ゴールデン・ウィークが明けるとクラスは荒廃の一途をたどりはじめます。 担任として出した指示が通らない、必要な生徒の活動が滞る、教室の具体的風景が明らかにすさんでくる――何が悪かったのか。 一言でいえば全部悪かったのですが、そう言ってしまったの…

「更新しました」

東大、アジア首位から3位転落なぜ?世界大学ランク「キース・アウト」(2015.10.23)

「教員生活の始まり」〜マイ・レジューム

汚い仕事をしているうちに組織が腐り、人間が腐っていく、その様子を目の当たりにしなければならない状況から、一変して善人が善意だけで動かしているような学校という場に移ると、世の中は全く違ったものに見えてきます。 私はほんとうに幸せでしたし、教職…

「先生たちはバカなのです」5 〜マイ・レジューム

「先生たちはバカなのです」とあまり繰り返して言うと本当にバカだと思われてしまいかねないので、学校が理解されない例をもうひとつ挙げて終わりにしたいと思います。それは「三角食べ」です。「三角食べ」というのはWikipediaによると、「和食を食べるとき…

「先生たちはバカなのです」4 〜マイ・レジューム

マスメディアの学校理解が進んでいなくて、とんでもなく見込み違いをしてしまったのが、1992年のいわゆる「埼玉業者テスト問題」です。 これは当時、埼玉県のほぼすべての中学校で民間の業者による統一テストが行われていて、その成績をもとに私立高校の…

「先生たちはバカなのです」3 〜マイ・レジューム⑨

学校も教員も非常に誤解されやすい存在ですが、それは世間の人たちが、「教員はほんとうにまじめで誠実で、素直でウソがなく、常に児童生徒のことを第一に考えている馬鹿みたいな人たちだ」ということを知らない、または前提として考えないからです。ですか…

「先生たちはバカなのです」2 〜マイ・レジューム⑧

以前、民間に努める飲み仲間と給食費未納の問題について話していて、こんなことを言われました。「給食費なんてまともに払うやつはバカさ。 払わないのは仁義に悖るが、あんなもの一年間まとめて年度末に払えばいいんだ。その間、銀行に預けておけば、わずか…

「先生たちはバカなのです」1〜マイ・レジューム⑦

『教員となった1983年の4月1日を、私は生涯忘れまいと決心し、現在も強く心に残っています』 これは何度か文章に書いて、このブログにも書き残したものです。 新採用として赴任した学校で気絶するほど忙しい一日を過ごした後、歓迎会の席で酒を注がれ…

「私が詐欺師だったころ」3〜マイ・レジューム⑥

社名が三つ教室名が三種ですから切り盛りするのはかなり厄介です。本社は早速移転して間口の狭いのっぽビルの三階分を借り切ります。各階に別の看板を掲げ、その間を社長が行ったり来たりするわけです。 電話を取る際も、今、自分が何階の何という社名の場所…

「私が詐欺師だったころ」2〜マイ・レジューム⑤

そもそも学習塾が成り立つかどうかといったリサーチもせずに、ただやりたいという人がいるというだけの理由で教室を開くのですからあまりにも無謀です。 本当はもっとまじめな経営もできたのかもしれません。会社の収入は最初の百万円とフランチャイズ料を除…

「私が詐欺師だったころ」1〜マイ・レジューム④

数年後には中級マンションと外車の生活だという甘い夢は2年目の途中から怪しくなります。傘下の教室数が25を超えたあたりからさっぱり増えなくなるのです。新規開拓に失敗したのではありません。つくる端から古い塾が潰れていくのです。ひとつつくればひ…

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中学校給食一時停止へ 神戸市教委、異物混入問題受け会見 「キース・アウト」(2015.10.10)

「夢追い人」〜マイ・レジューム③

1975年は日本にとってひとつのエポック・メイキングです。 電気冷蔵庫・洗濯機・掃除機といった基本的な家電の普及率がほぼ現在の水準に高まり、高校進学率も上限にたどり着きます。また大学進学率もこの年にいったんピークとなって翌年から少しずつ下が…

「根拠なき恍惚と不安、我にあり」〜マイ・レジューム②

「透明人間になったら初めに何をするか」という設問があってたいていの男はよからぬことを考えるものですが、似たようなものでありながら「タイムマシンがあったら最初になにをするのか」という問いに会ったことがありません。もしかしたら可能性が広すぎて…

「まれ」〜マイ・レジューム①

少し以前のことですが、NHKの朝の連続ドラマ「まれ」が終わりました。 私のところは本当に、一緒に何かをやるということのない夫婦で、妻は典型的な仕事人間ですしふたりともドがつくほどのケチですから、それこそ外食もしない映画も見ない、旅行などとんで…

「いのちのこと」14〜まとめ

もう一月ほどこちらに置いておきたかったのに、シーナとハーヴはエージュの許へ帰っていきました。教員であるエージュが夏休みの間に戻っておきたいというのが一つの理由です。母親と違い、父親は早く役割を負わせないと父親になれません。赤ん坊が小さけれ…

「いのちのこと」13〜一か月のち

一か月検診は実質的に初めての「お出かけ」です。ハーヴは精一杯めかしこんで(と言っても知り合いからいただいた新しい服を着て)出かけます。 生まれたときのことを考えてシーナは相当の覚悟をして出かけたのですが、診察室から戻ってくると反応も運動も問…

更新しました。

北京大にも抜かれ…東大、アジア首位転落 京大も88位に後退 「キース・アウト」(2015.10.03)

「いのちのこと」12〜それから

退院してのちも、細かな問題はたくさんありました。 母親も赤ん坊も初心者なのでなかなかうまく乳首をふくませることができず、難渋した時期もあります。 左の乳房からの母乳の出が悪く、しかもシコリがあるので外科に見てもらったら「大丈夫、癌はありませ…

「いのちのこと」11〜退院

金曜日にハーヴは保育器から出され、産着を着てほかの新生児と並んですごすようになりました。私たちも他の家族と一緒に、新生児室の大きなガラス戸から見ることができます。比べてみるとほかの子より幾分大きく、目立って膚の浅黒い子です。生まれた時は紫…