カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2012-01-01から1年間の記事一覧

「お正月バージョン」~しばらくテンプレートを変えます

ブログのテンプレートをお正月バージョンにしました。 「デイ・バイ・デイ」は新年のあいさつとか、ほかに何かあれば別ですが、基本的に次の登校日の1月8日までお休みです。 一年間ありがとうございました。 それでは皆様、よいお年を!

「二学期終業」~ご苦労様でした

長かった2学期が終わります。皆様ご苦労様でした。 この二学期は不祥事ばかり気にしていて、ということは外にばかり気持ちが行っていて、考えてみればこれでよく中で事故が起こらなかったと、今頃になって肝を冷やしている始末です。知らないところで、皆で…

「休職者5000人の重さ」~政府は理解できない

昨日の朝刊に「<心の病>全国教員の休職、微減の5274人…11年度」という記事が出ていました。文科省がこの時期に病気休職者と指導力不足教員、および処分者の数を発表するのは一種の年中行事のようなもので、毎年イライラしたクリスマスになっています…

「ハード・ディスク・エレジー」~PCが壊れるということの現実的な意味

「ある朝、グレゴール・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した」 有名なカフカの「変身」の冒頭ですが、まったく違う話で、しかしショックの度合いとしてはほぼ同じようなことが、先々週の…

「瑞浪事件、終わる」~女子中学生いじめ自殺事件の残したもの

2012年12月21日、マヤ歴による人類滅亡の日だそうです。 これまでも人類滅亡予言は山ほどありました。古くは1051年の末法入年(仏法が廃れ暗黒の時代が来る→そこで宇治平等院を建てた)から1910年ハレーすい星の毒ガスによる地球滅亡、ノス…

「教師の役得」~といっても大したものではなかったが――

昔、こんなコントだか漫才だかがありました。(ある映画館のチケット売り場で)A「高校生一枚」B「高校生一枚」C「中学生1枚」・・・すると後ろについていた老人が、「農業1枚」・・・。 私がまだ独身だったころのことです。自分のクラスの生徒にせがまれて…

「親の抵抗にどう対処するか」~子どもの犯罪に②

万引きをした店に謝りに行くことに、親が抵抗を示す。 理由は、①法律的に必要ない、②万引きがばれていじめられる危険性がある、③これ以上子どもを傷つける必要はない。不登校になったらどうしてくれるのか、等々。それに対する私の答えはこうです。 警察や弁…

「基本的な指導のしかた」~子どもの犯罪に①

子どもを先入観で見てはいけない、それは当たり前のことです。しかし昔、そうした話をしている最中に一人の同僚がこんなことを言ったことがあります、ボソッと。「ウン、確かに子どもを先入観で見てはいけない。でも、先入観って、これが結構当たるんだよな…

「育つ世界が違う」~彼我の教育の違い

アメリカのコネチカット州で子ども20人を含む26人が殺されてしまいました。26人も死んだというのにけが人が一人きりなので、どこかに閉じ込められた状態で殺されたのかと思っていましたが一人に3〜11発も撃ち込まれていたとか。本当に陰惨な犯罪だったようで…

「忠臣蔵を語る」~学校では教えないが日本人として知っているべきこと

こんなふうに毎日文章を書くようになって8年になりますが、毎年12月14日になると「忠臣蔵」のことを話したくなります。もちろん若いころ「赤穂浪士討ち入り事件」についてたくさん本を読んだということもありますが、それだけではありません。12月1…

「学力調査のあこぎな分析」~TIMSS2011のこと

一昨日「国際数学・理科教育動向調査」の2011年版(TIMSS2011)が発表され、日本の子ども成績が上がったと一応安堵の声が上がっています。しかしそれだけで済ませないのがマスコミ。 例えば毎日新聞の見出しはこうです。 「国際理数学力調査:学…

「技術の枯渇の問題」~利益を生まなくても、伝承しなければならない技術がある

2012年12月12日、「12」が三つも続きます。「イチ、ニ、イチ、ニ」と勇ましいことです。それはさておき・・・、 最近のニュースに、アップル社が生産の一部をアメリカ本土に戻すというのがありました。外部委託している中国の工場での相次ぐ争議、…

「最善を尽くすと約束する」~発達障害を持つ子の、母を救う四つの言葉 ②

ADHDの子どもを持つ母親として、「えじそんくらぶ」の理事(?)の方が救われた四つの言葉についてお話しています。 その第一は小学校の養護の先生のおっしゃった「この子はとってもいい子です」から始まるアドバイス、2番目が発達障害の専門医の「お母…

「親の努力に心を寄せる」~発達障害を持つ子の、母を救う四つの言葉①

先週、文科省より「普通学級に通う公立小中学生の6.5%(40人学級で1クラスに2〜3人)に発達障害の可能性があるが、そのうち約4割は特別な支援を受けていない」といった内容の発表がありました。その関係かと思いますがNHKのラジオで発達障害が…

「懇談会の心得」~心したい五つのこと

懇談会が始まります。懇談会について、私がいつも心がけていることについて、簡単にメモをしておきます。 (1)柔らかく温かい雰囲気で。 若いうちはどうしても気合が入りますが.決戦の場ではありません。暖かく柔らかい場の雰囲気をつくっておきたいものです…

「最初のことは忘れてしまった」~ものごとの原点に立ち帰る重要性

しばらく前、田中文科大臣が認可申請していた3大学を認めずすったもんだした挙句、結局「この3大学については認めます」ということで鉾を収めた事件がありました。あの時、田中文科大臣の横暴に憤る声が多かったのと同時に、「しかし言っていることに間違…

「良き本を読むことの意味」~表現力をつける

先週、「老後に“やればよいこと”のひとつは、同じ本をもう一度全部読み直して、新鮮に楽しむということです」とか書いたことが頭の隅にあったのか、土曜日に家を出る際、何の気なしに昔読んだ文庫本をバックに投げ込みました。重松清の短編集「ナイフ」。1…

「ピロリ菌の検査をしてきた」~検査の実際と、医師との不思議なやり取り

初めの内は自分の健康を確認するために行っていたような人間ドックも、最近では毎年課題を増やすだけになっています。「好中球数の増加がみられますが、心配いりません」「血清総蛋白の低下がみられますが、心配はいりません」「脳ドックの結果所見が認めら…

「総選挙がやってくる」~子どもに訊かれて困らない程度には学んでおきましょう

職員旅行、ご苦労様でした。団体で行く旅行にはそれなりの楽しみがあります。見たもの、感じたもの、食べたものなどに共通の基盤ができることです。家族で感動を共有するのもよいですが、職場の仲間と感性を分け合うのも素敵なことです。ああこの方はこうい…

「本の愉しみ」~単に読むだけが本の愉しみではない

最近はそうでもないのですが、若いころは本そのものが好きで、文庫本ですらとても大切にしていました。 買ってくるとまず表紙を外して後ろの方から2ページずつ、全体の三分の二くらいのところまで折り開いて行きます。いきなり最初から読み始めると、最終的…

「生徒指導の現場ですべきこと」~罪深さを知らせる②

事情聴取において丁寧でねちっこい事実確認をする中で、犯罪者は自己の言動を細かく語ることを通して、次第に自分を客体化し、様々な事情や言い訳をそぎ落とし、やがて自らの罪深さを思い知る。そして敢えて命まで捨てる覚悟をし、正直な供述を始めるという…

「なぜ殺人者は死刑になると分かっていながら自白するのか」~罪深さを知らせる①

日本の裁判で3人以上を殺して死刑にならなかった例はないと思います。もちろん1人の殺人で死刑になることもあります。ですから人を殺した人間は絶対に警察にしゃべりたくないし、3人以上殺したとなるとしゃべることはと死ぬことは一緒ですから、決して口を…

「穂積隆信という男」②

1982年に出版された「積木くずし―親と子の二百日戦争」は読む者にとって非常に有益な本です。しかし出版によって日本中に名を馳せてしまった主人公の娘にとっては、あまりにも過酷なものでした。 本の出版、テレビドラマ化、映画化と、「積み木くずし」…

「穂積隆信という男」①

先週の金曜土曜と二日間、フジテレビ系列で「積み木くずし最終章」というドラマをやっていました。非常にイライラしながら二晩とも見てしまいました。私は非常に複雑な思いを持っています。 一連の「積み木くずし」シリーズ(穂積隆信・著)の発端となった「…

「明日は勤労感謝の日」~子どもに意味を教えておこう

明日は勤労感謝の日です。子どもたちは休日の意味などどうでもよく、「三連休、ラッキー」といったものでしょうが、意 味も分からずただ休んでいるというのも芸がありません。その意味を知ったところでどうなるというものでもないかもしれませんが、一応話し…

「教師はどんなときも、子どもに寄り添い続ける」~学校を災害が襲うとき③

子どもの躾けやマナーが問題になるとき、あるいは万引きをした生徒を学校が引き取りに行ったというような話が出たとき、しばしば「それは家庭の問題だろう」とか「学校がやることではない」といった議論が起こります。「学校は勉強を教えるところであって、…

「市の計画では場所を貸すだけだが」~学校を災害が襲うとき②

私は前々から「いざというとき、災害対策の重要なパートを学校が受け待つだろう」と言ってきましたが、東日本大震災の現場では実際にその通りになったようです。その重要なパートというのは避難所の運営です。 本校も避難所に指定されていますが、その運営は…

「『学校を災害が襲うとき―教師たちの3.11』から学ぶこと」~学校を災害が襲うとき①

「学校を災害が襲うとき―教師たちの3・11」(田端 健人 著、文芸春秋社 2012/10/25)を読みました。 2011年3月11日とそれに続く日々を、宮城県内の教員たちがどう生き、何を感じたかというルポルタージュです。小中高の10人の匿名の教師と2名の…

「子どもに本を紹介することについて」~子どもにどんな本を薦めるか

(前置き) 読書旬間の「先生による本の紹介」を任されました。さんざん迷ったあげく最後はヤケクソで、20分も使って紹介したのは次の10冊でした。ヴァン・ダイン「僧正殺人事件」スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」ミヒャエル・エンデ「はての…

「何のための旅行かに誤解がある」~修学旅行について②

(原稿はあったのに出すチャンスを失っていましたが、) 先週の金曜日の「デイ・バイ・デイ」に、修学旅行はまず軍事教練として始まり、すぐに軍事色は衰え、太平洋戦争が近づいて再び軍事色が強まるまで今日と大差のない旅行として続いた、と書きました。な…