カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2013-01-01から1年間の記事一覧

「ありがとうございました」~年末のご挨拶

冬休みになりました。「デイ・バイ・デイ」は次の登校日の1月7日まで、基本的にお休みです。 一年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。 それでは皆様、よいお年を!

「ご苦労様でした」~今年のできごとの復習

今日で2学期も終わります。2013年(平成25年)巳年も間もなく終わろうとしています。長い2学期、長い一年間ご苦労様でした。 今年の主な出来事をクイズにしましたので、いくつできるか考えてみてください。 今年就任した中国の国家主席は( )。 日本の安倍…

「記憶に残る変な人たち」~思い出の教師たち

昔の教師の方が偉かったというのはウソです。「坊ちゃん」に出てくる赤シャツだのウラナリだのはみんなロクなものではありませんし「吾輩は猫である」の主人公(猫)の飼い主(珍野苦沙弥)だって大したことはない。「二十四の瞳」の大石先生なんて現代の教…

「オキシトシンとセロトニン」~幸福ホルモンと自閉症

マウスにマグネシウムの入っていない食事を与え続けると、子育てをやめてしまうという話を聞いたことがあります。ずいぶん昔のことです。 従って人間もある種の物質をコントロールすることで、愛情を変化させることができるかも知れない―そう考えて何か不快…

「学校をいじれば社会が変わるという悪しき体験」~学校五日制の話②

日米貿易摩擦から日本バッシングが起こった90年前後、どうしたら週休二日制を進め、日本の過剰労働を改めてアメリカに鉾を納めてもらうか・・・政府が悩ましい問題に頭を抱えているところへ知恵者が現れます。それが誰かは知りませんが、ドイツに学んだので…

「1946年の学校五日制と40年後の働きすぎ」~学校五日制の話①

今日12月19日は文科省が(当時は文部省)が、公立学校における月一度の土曜休業を決めた日です(1991)。 あまり知られていませんが、戦後のわずかな時期、GHQの勧めで学校五日制(週休二日制)を実施した県がいくつかありました。秋田・滋賀・長野・山形・…

「その穴をふさぐ仕事」~障害者支援の仕組みには穴がある

一昨日の夜、東京で警視庁による一斉摘発がありました。対象となったのは「JKお散歩」と呼ばれる業界で働く女子高校生たちです。JKというのは女子高校生、「お散歩」というのは8000円前後のお金を払って散歩を楽しむお仕事なのだそうです。 いわゆる児童買春…

「PISA2012」②〜フィンランドの凋落

今回のPISA(OECD生徒の学習到達度調査)2012年のひとつの特徴は、東アジアの国・地域・都市が圧倒的な力を見せたということです。上位の6か国(上海・シンガポール・香港・台湾・韓国・日本)は、いずれも“得点を伸ばした”上でのベスト6です。ところがその…

「PISA2012」①〜学歴社会の勝利

大きなニュースにはなりませんでしたが、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2012年版が発表されました。大きなニュースにならなかったのは日本の成績が良かったからです。 PISAは15歳(高校1年生相当)を対象に3年ごとに行う調査です。日本は…

「県名を懸命に覚える」②

都道府県を形で遊びながら覚えるというのもよくある方法です。 特に有名なのが山形県のモアイ(男の横顔)。これなどはほんとうに笑ってしまうほど似ています。ここまですごいのはないと思っていたら最近、熊本県も同じように言っていることを知りました。熊…

「県名を懸命に覚える」①

ひところ、社会科で年号や地名を覚えるのはナンセンスだと流布され、ほとんど勉強しなかった時期があります。知識偏重が蛇蝎のごとく嫌われたころです。しかしどんなものでしょう。年号も地名も、覚えておくとかなり役に立つものです。例えば、 私は歴史上の…

「号泣!! オレの生きざまで感動を与えたい!」~私の好きになれない言葉

言葉は時代とともに変化していくものですし、不適切な語は自然に消えてしまいますからあまり苦にしなくてもいいようなものですが、どうにもこうにも我慢ならない語や語の用法がいくつかあります。 「感動を与えたい」 3・11以来繰り返し出てくる「感動を…

「自転車は左側通行でなければならないのか」~ちょっと驚いた話

今月から自転車の右側通行が処罰の対象となると聞いて首をかしげました。大昔からそうだったのではないかな、ということです。交通安全教室でもずっとそう指導してきたはずです。 そこで調べると、つぎのようなことが分かりました。 自転車で通行する際は車…

「頂点に立った日本の教育は、もう手本を見いだせない(のかも)」

昭和20年、広島に原子爆弾を落とすことに決めたとき、アメリカ国内にも多くの反対者がいました。一部は一種のヒューマニズムから、もう一部は純粋に軍事的な見地からの反対でした。太平洋戦争は放っておいても日本の負けです。そんな日本に対して原爆を使い…

「私が今15歳だったら、毎日ウキウキなのに・・・」~その気持ちを子どもたちと共有できないだろうか

昨夜の「クローズアップ現代」は、ips細胞のその後、といった感じの内容でした。昨年山中伸弥教授がノーベル賞を取ったばかりだというのに、ips細胞の臨床研究は飛躍的に進んでいるのです。具体的に紹介されたのは、まずミニ肝臓。 ips細胞から肝細胞をつく…

「見ているのに見えない人たち、そもそも見ない人たち」~大人のADHDの話

ADHDを心配される子を、専門家に観察してもらったことがあります。総合的な学習の時間の制作活動の様子を見てもらったのです。授業が終わってから感想を求めるとクスクス笑いながら、「ホント、まるっきり典型」とおっしゃいます。私は気づかなかったの…

「止められない人たち」~児童自立支援施設の子どもたちと近所のヤクザのオッちゃんから考える

〇〇小中学校△△分校というのは▢▢学園(児童自立支援施設)の中におかれた学校組織です。そこの教頭先生と話したことがありますが、一番の課題は先生たちのモチベーションをどう支えるか、ということだと言っていました。 △△分校では児童生徒と教師が一緒にな…

「保護者懇談会の持ち方」②

これはわたしがそうしているという話で、理想的な姿でもこうすればうまく行くという話でもありません。しかし例というものはないよりもマシですから、参考にあるようならしてください。 保護者との話し合いでは、まずその子の学校での様子を素描します。どん…

「保護者懇談会の持ち方」①

いよいよ11月も終わり、年末のあわただしい時期に向かいます。学校としては取りあえず保護者懇談会の準備をしなくてはなりません。私は家庭訪問だとか参観日だとか保護者懇談会だとかは大好きですから苦になりませんでしたが、若い先生の中には憂鬱な方もお…

「まもなく12月」~12月のウンチク

いよいよ明日で11月も終わりです。今年度も余すところあと三分の一、そう書いて案外長いものだと感心したりもします。年末で“終わり”の気分が満ち満ちていますから何となく「あとわずか」といった気にもなりますが、まだまだ教育の機会はたっぷり残ってい…

「カモノハシの話」~知っていたとて、どうということもないけど

ちょっと訳ありで先週の土曜日、甥の二人の子どもを連れてNHKの放送センターに行ってきました。 一通り回った後、見学コースの出口に近いブースの片隅に「キミのかおはなんのカオ?」と書いてある四角い箱に気づき、何かと思ってみたら顔認証システムを使…

「子は親の姿から何を学んでいるのか」~油断できないですよ

参観日――昔は子どもよりも、親にとって特別の日でした。学校の高い敷居をまたぐのですからそれなりの格式がなくてはなりません。保護者(たいていは母親)の半分近くは和服で、洋服の人も髪にパーマを当てたりとしっかり化粧をし、凛として教室の後ろに立っ…

「殺される子どもたち」~ドストエフスキーを借りてシリア内戦を想う

昨日のニュースに「シリア内戦、子どもの死者1万1000人超 英報告書」というのがありました(CNN.co.jp)。 それによると、 オックスフォード・リサーチ・グループは、シリア団体が2011年3月から13年8月までの死者を記録した名簿を調べ、「盗ま…

「みな様、そうしておられます」~日本人の特性

たとえばドイツ人は厳格で規則にやかましいとか、イタリア人は女に手が早いとかいったステレオタイプ化した民族性を前提としたジョークをエスニック・ジョークというそうです。その中で私の好きな一話。○タイタニック遭難のような状況で、各国男性に救命ボー…

「永遠の0(ゼロ)」⑤

四日もしゃべってきてやっと本題です「永遠の0」を読み終えて最後に思ったのは、やはり政治は何も変わらない、ということです。とにかく合理的な判断をしない。 ガダルカナルの奪還戦では敵の戦力を完全に読み違えます。当初2千人と見積もった米軍は、実は…

「永遠の0(ゼロ)」④

日米戦争を分析するとき、「物量主義のアメリカ」対「精神主義の日本」という対置のしかたがあります。工業力に圧倒的な差がありますから、日本は不足分を精神主義で補わなければならなかったとも言えます。 あるいは「ヒューマニズムのアメリカ」対「人間不…

「永遠の0(ゼロ)」③

戦後60年あまり、日本は対外的にもよく頑張ってきました。 海外に暮らしたことのある知人からこんな話を聞いたことがあります。外国にいると「日本人」であるということ自体がブランドなのだと。私たちが一流ブランドの商品をほぼ無条件で信頼するように、…

「永遠の0(ゼロ)」②

私は戦争の話を読んだり考えたりするときいつも思うことがある、というお話しをしました。それは、「戦後の日本は、戦没者に報いるだけの国をつくったか」という問題です。そして今の日本はかなり良くやっている、ご先祖様に恥ずかしくない国になった、そう…

「永遠の0(ゼロ)」①

旅行先の臨時バスが15分も早く駅にに着いて予定していた急行より一本早い電車に乗ることができました。ただしバスが着いてから発車まで3分。死ぬほど走って15秒で土産を決め、1分半で支払いを済ませてまたダッシュという年寄りには命がけの仕事となり…

「文章を書くときの私のこだわり(続き)」~私の文章作法」③

(昨日の続きです) ④日本語として成熟していない言葉は使わない。また外来語についてもよほど日本に定着していない限り避ける。「目線」「お得感」「ボク的には」「ヤバイ」。「リテラシー」「リーズナブル」「アカンタビリティ」など。もちろん対応する日…