カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ガセネタ列伝」~私がまんまと騙された話

人から聞いて「ああそうだったのか!」と膝を打ち、感動のあまり他にも吹聴して回ったらそれは全くのガセだった、というような経験がいくつかあります。今日はそれについて。 【アジサイの花の色はリトマス紙のように土壌の酸性・アルカリ性によって決まる】…

「非違行為と受忍限度」~アン・サリバンなら許さない②

非違行為防止、綱紀粛正を極限まで推し進めていくと正常な教育活動ができなくなるというお話をしました。そしてその矛盾を解決するカギは「受忍限度」という考え方だというところで昨日のお話は終わりました。つまり「九九を暗記する苦しみ」と「九九を覚え…

「とにかく非違行為らしきものを数え上げる」~アン・サリバンなら許さない①

先週の非違行為研修「今では許されない」(と勝手に名前をつけていますが)、やって本当によかったなと思いました。「連絡網を外に持ち出す」「通知票を家で書くために成績物を持ち出す」「罰としてトイレに行かせない」「密室での一対一の生徒指導」 こうし…

「プリントの掲示をどうするか」~文具自慢②

ちなみに「文具自慢①」は4月17日でした。 授業研究会でU中学校を見てきました。その授業の様子は先日お話しした通りです。 校舎は築67年という古いものですが「古い校舎をきれいに使う」の合言葉の通り、生徒の素晴らしい美術作品があちこちに展示され…

「残酷な正義について」~小さな優しい不正は、もはや教師に求められていない

どういう設問だったのかどうしても思い出せないのですが、たぶん「1333年は何世紀でしょうか」といったような問題だったと思います(ただしそこまでマヌケな問題ではなかったはずですが)。 授業の空き時間に採点していると、ある生徒の答えが「B」だっ…

「不審者対応訓練のこと」~日常の不審者対応、事故対応を子どもに教えておきたい

あちこちにクマが出た、イノシシが出た、シカが走り回ったという話がありますが、このところ不審者の出没も頻繁になっています。 よく誤解されますが、不審者、特に露出狂は冬場に出やすいということご存知ですか? 理由は「コートを着る機会が多いから」だ…

「人間以外のより高い何者か」~敵味方関係なく、亡くなった人は慰霊されなくてはならない

日曜日に父の一周忌の法要を行いました。1年たつとやはり人間のぬくもりも死の生々しさも忘れられてしまい、「ああやはり父も仏様になったのだなあ」とつくづく思います。 ところでこの“仏様になった”という言い方、本来は非常に問題を抱えたものなのです。…

「振り替え休業」~しかし仕事をしている

文化祭の振替休業になっています。 日ごろできない日常業務(銀行や市役所のしごと)をします。 午後は学校に行って仕事をします。

「文化祭の歴史」~本校の文化祭は案外、新しいらしい

中学校や高等学校の文化祭がいつ頃から始まったのか、その経緯はどうなっているのか、調べたのですがよく分かりません。私はインターネット信者ですから、ガセネタみたいな記事ですら検索できないということに少し驚いています。 ただこうした行事は大学の学…

「反原発のヒューマニズムについて」~私に理解できないこと

しばらく前のことですが、「福島を考える トーク&コンサート」というのに行ってきました。チケットが手に入ったから連れて行ってほしいと母が言うので、興味もなかったのですが付き合いました。 以前にもお話したかと思いますが、私は脱原発には懐疑的です…

「我が最大のヒヤリハット」~高速道路で前を遮られて、車線を変えたら目の前に事故車がいた!

ヒヤリハットという言葉、最初は本物の英語だと思っていました(ハリー・アップみたいな感じで・・・)。 それはさておき、私の最大のヒヤリハットは5〜6年前の夜の高速道路、自動車専用道路としてはかなりきつい右カーブで起きました。 私は日頃、例えば…

「浪人の世界」~リストラにあった武士たちのトリビア

(先週お話しした“お家断絶”の続きです) お家断絶というのは現代にあてはめると「超不況下での大型企業倒産」みたいなものだというふうに書きました。しかし現代の倒産とは比べものにならないほど厄介な事情があります。それは再就職がほとんど不可能、ほぼ…

「日本人が足を引っ張る」~世界的に評価の高い日本の教育が、日本人の手で壊されていく

今週の「たかじんのそこまで言って委員会」は「世界に誇る日本の7つの力」という特集で、技術力・映画力などを挙げてコメンテーターが採点する、というものでした。その四番目が「教育力」です。 番組の冒頭、「みなさんは日本の教育が世界的に高く評価され…

「丸谷才一の『文章読本』のこと」~子どもに文章の書き方を教える

作家の丸谷才一さんが亡くなりました。87歳だったそうです。小説家としても大きな仕事をした(「たった一人の反乱」ほか)人ですが文芸評論に多くの業績があり、芥川賞を初めとして数々の文学賞の選考委員も長く勤めました。 以前お話ししたことがあります…

「すべてを見直す」~ほんの爪先ほどでも、セクハラ・パワハラ・人権蹂躙が疑われることはやってはいけない

ある夏の午後、堤防の道路を車で走っていると俄かの土砂降りになり目の前が真っ白になりました。その先に若い女性の後ろ姿があって、見ると頭の上にバッグをかざし、急ぎ足で歩いています。そのときの私の車には人にやっていいビニル傘がひとつあって、それ…

「アテが外れることの恍惚」~予定どおりに行かないことを喜べないと、授業はできない

小学校の歴史でお家断絶(改易)を扱った時のことです。 (その前に)お家断絶というのは現代にあてはめると「超不況下での大型企業倒産」みたいなものです。要するに城下数百人の一族郎党が一瞬で職を失い、その家族が路頭に迷います。超不況ですから再就職…

「あの人たちがやってくる」~団塊の世代が老人社会を握る日

あの人たちがやってくる・・・。 あの人たちというのはいわゆる団塊の世代の人々です。厳密に言って1947年から1949年までの3年間に生まれた世代で、今年63歳から65歳にあたる人々です。 彼らは70年安保闘争の主力部隊であり、オイルショック…

「山中教授ノーベル賞受賞!」〜おめでとうございます

京都大学の山中伸弥先生がノーベル生理学・医学賞を受賞しました。日本人としては19人目の受賞者です。 山中伸弥先生は神戸大学の医学部を出て国立大阪病院で整形外科の研修医となった人です。ところが(本人は不器用ではないというのですが)普通の医師な…

「よいことをしたら・・・」~誉め続けなくても子どもを動かす魔法の言葉

教室の前に張ってある「よいことをしたら、けっしてひとにはなしてはいけません」の掲示について、中林先生が学級通信で扱ったのを見せて下さいました。ありがたいことだと思います。6月の道徳の時間に「はきものをそろえる」で扱ったものですが、その「は…

「好き嫌いの話」~結局食べられないものを、どう説明するのか

この歳で自分の問題性を親のせいにするのも情けないのですが、母が無類の料理嫌いで、おかげで私はとんでもない偏食少年でした。それもニンジンが嫌い、ピーマンがダメといった穏やかなものではなく、野菜がダメ、海産物が食べられないといった言い方なので…

「もうだめかもしれない」~人々が気分で学校をいじり続けている

こんなことが長く続くはずはないと思い始めてもうずいぶんになりますが、教育問題を気分で分析するといいう風潮は何とかならないものでしょうか。例えばここ十年来言われてきた“学生の理科離れは学校教育のせいだ”といった言い方は、もうそれ自体が“理科離れ…

「来てます、来てます」~近づいてきた老化の兆し

学校帰りの長い道中を翌朝の「デイ・バイ・デイ」を考えながら帰るのが常です(運転しながら考え事をするというのも、あまりほめられたものではありませんが)。30分少々の帰宅時間内に、おおよその構想ができる場合もあれば、何を書こうという見通しも全…

「台風一過と衣替え」~子どもたちに教えてあげよう

「台風一過というのはこういうことなんだよ」って、空の色、空気の爽やかさも合わせて確認しておきましょう。 私が台風一過で思いだすのは枕草子の「野分けのまたの日」(第二百段)です。『野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。立蔀、透垣など…