カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「百姓とは何か」~百姓の裔①

日本人の姓(苗字)はどれくらいあるのか。これに関する正確な数は分かりませんが、平成9年(1997年)発行の「日本苗字大辞典」本には291129件載っているのだそうです。およそ30万件。それに対して姓の本家中国の場合は4100件ととんでもな…

「後悔」~私が救ってやれなかったLDの児童

その子は小学校5年生で担任したとき、すでにかなり厄介な感じでした。基本的にはそこそこ能力のあるまじめで素直な女の子なのですが、とにかくキレ易い。非常にエキセントリックで感情の起伏が激しく、そうかと思うと突然プツンと切れて教室を飛び出す、部…

「敬称の話」~師が弟子に敬称をつけて呼ぶ時代

おそらく2年ほど前ぐらいこと思うのですが、病院で患者を指していう言い方が突然、「患者さん」から「患者さま」に変わりました。そのことを毎年2月に行っている人間ドックで酷い違和感とともに知りました。しかも椅子に座っている私に対して、看護士は何…

「本名を隠した人々」~名前を知られると人格を奪われる

教員でなかったらもっと楽だったろうにと思ったことにひとつに、自分の子への命名があります。何しろ何かの名前を思いついたとたんに同じ名の元教え子の顔がちらつき、「あんなふうになったらかなわん」とか「あの子の名前をもらったら名前負けしそう」とか…

「ピカソ」~今日が誕生日の、天才に関するウンチク

今日、10月25日はパブロ・ピカソの誕生日です(1881年)。 史上稀に見る多作の芸術家で、生涯におよそ13500点の油絵と素描、10万点の版画、34000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作したといわれています。 ピカソの作品は分かりにく…

「まず寝なさい。そして食べなさい」~ここ一番というときに、最も効果的な指導ができるように

200万部ものミリオンセラーとなった「だからあなたも、生きぬいて」(講談社、2000)の著者大平光代さんは16歳でヤクザの妻となり、離婚後29歳で弁護士、38歳で大阪市助役、44歳で龍谷大学客員教授に就任というとんでもないツワモノです。 背…

「子育ての天才たち」~普通の親では気づけないことに心のいく人たち

小学校図工の授業を見てきました。木工クラフトの授業でしたが、これを見ながら「造形遊び」の面白さ楽しさが初めて分かった気になりました。あれは子どもにしかできないすばらしい芸術です。家に持ち帰ったとき、保護者は一緒に喜んでくれるでしょうか? さ…

「学校は非常識であるべきだ」~漢字の止めや撥ねをうるさく言い、教師が異常に働く学校に常識を求めない

「学校の常識は社会の非常識」ということについてお話ししようと思い、少しネットで調べてみました。やってみると検索ではかなりヒットするのですが、いずれも「学校の常識は社会の非常識と言われますが、注意しましょう」みたいな話ばかりで具体的な非常識…

「学校智」~なくしてみないと分からない学校の知恵

昨日のブログで「学校というところは子どもたちの成長にとって必要なことは、必ず残る自然のシステムを持っている」と書きました。これを私は「学校智」と呼んでいます。 学校智は困ったことに量も種類もが多すぎて、その智に従っている教員自身でも分からな…

「音楽としての国語」~音読のススメ

十数年前何かで読んだ学校教育批判。 「学校では未だに音読というバカげたことが行われている。先生に指名された生徒が一人ひとり起立して、一文ずつとか一行とか読まされるのである。明治以来の伝統のようだが、なんとむだなことをと呆れかえる。いったい今…

「祝祭(ハレ)の日」~同じアホなら踊らにゃ損、損

民俗学者の柳田國男は日本人の世界観として「ハレとケ」の概念を提唱しました。「ハレ」は漢字で「晴れ」と表現され、「晴れの日」「晴れ着」といった言葉があるように祭儀・年中行事のような非日常を表し、「ケ」は日常を表します(明治以前は「晴れ着」に…

「企業面接は最初の5秒で決まる」~こいつと30年間、気持ちよく仕事をしていけるか

超氷河期といわれた就職戦線がしばらく良かったと思ったらリーマンショック以来また最低の状況になっているようです。ほんとうに深刻だと思うのはひとりで60社も回って内定が出ないと、学生は根本的なところで生きる自信を失ってしまうことです。希望のレ…

「知の霊媒師」~それが教師の仕事

私はかなり熱心なネット・サーファー(今はこんな言い方はしないか)で相当な時間をコンピュータの前で過ごします。しかしそうやって有用な情報だけを集めていられれば良いのですが、時にはどうしようもないガセネタを掴まされたり、精神衛生上良くない、イ…

「子どもに指導の枠を乗り越えられてしまったら」~あなたならどうする?

「イジメは絶対に許さないという毅然とした態度が必要」という言い方があります。理念・態度としては分かります。しかし“絶対に許さない”と言ったにも関わらず、子どもがイジメをしてしまったらどうしたらいいのでしょう。 それが20年以上前なら簡単です。…

「ノーベル賞と日本」~根岸・鈴木両教授のダブル受賞を機に調べ直した

昨日の朝お話すればタイムリーだったのに一日遅れてしまいました。せっかくのダブル受賞ですので、ホットなうちに子どもたちにも話しておけば良かったのですが。 せめてノーベル賞が世界最高峰の賞であることや、ダイナマイトの発明者であるノーベルの遺言に…

「ゴリラは何を考えているのか、あの巨大な脳で」~そして日本人は

ニコラス・ハンフリー(1943―)というイギリスの心理学者は心理学がいつまでたっても人間の心を解き明かさぬことに嫌気がさして、ある日アフリカのルワンダに出かけ、そこで3ヶ月間、ゴリラと生活するようになります。ハンフリーのテーマは「ゴリラの脳は非…

「正義が世界を崩す」~角を矯めて牛を殺す話

大阪地検特捜部の前田某が証拠品のフロッピーディスクを書き換えた問題が、連日トップニュースとなっています。 もちろん犯罪捜査の最初の段階で証拠の一切合財を持っていってしまう検察が、その証拠を作り変えてしまうというのはたいへんな犯罪です。そのよ…

「まず隗より始めよ」~誤解された逸話と教育改革

尖閣列島の問題に関わって「外務省の見通しに甘さはなかったのか」という問いかけに前原外相が「外務官僚は非常に有能で、あらゆる可能性を考えて対応していた。その意味で、今回のとは想定内のことだった」といった発言をしていました。良いことだと思いま…

「心にヤスリをかける」~学校がすべきこと

最近、教師や教育関係者が不用意に子どもを傷つけて謝罪したといった新聞記事がやたら目につきます。 道徳の授業の最中に担任が誘拐されたことにして「脅迫状」を作らせた(新聞から文字を切り取ってみんなで脅迫状を作成する)とか、幼稚園バスの運転手が昔…

「10月になりました」~今月のウンチク

日本では旧暦10月を「神無月」と呼びます。由来についてはいくつかの話が伝わっていますが、一般には、出雲(島根県)の出雲大社に全国の神様が集まって一年の事を話し合うため、出雲以外には神様がいなくなる月だからと言われています。そのため日本全国…