言葉
レーゾンデトールという言葉があった。 人はその「存在理由」がないと生きていけないという。 しかしどうだろう。 ただ生きて、そして死んでいくだけではいけないのだろうか? という話。(写真:フォトAC) 【私にはテーマが必要だ】 昨年の暮れ、元教え子…
夜行性のはずのキツネに、真っ昼間、遭った。 こちらに気づくといったん止まり、カメラ目線でじっとしている。 撮影が終わると、退散。 そんなキツネについてちょっと調べてみたくなった。 という話。(写真:SuperT) 【真っ昼間、キツネに遭った】 買い物…
「ありがとう」や「ごめんなさい」を強要すると、心ない子どもが育つ、放っておいても感謝の気持ちが高まれば「ありがとう」言う子になる――と、ネット上にはトンデモ学説がいくらでも飛び交う。しかし「ありがとう」も「ごめんなさい」も文化なのだ。文化で…
ウクライナの取材から戻った若きジャーナリストの記事を読み、 その誠実で勇気ある態度に感心した。 この人はどんな育ち方をしてきたのだろう。 そのヒントは記事の中にあった。親たちがそのように生きてきたのだ。という話。 (写真:フォトAC) 【ウクライ…
テーブルの上の置いてあったマジック・インキ、 見ているうちにとんでもないことに気づいた。 「PILOT Wytebord Marker」 ホワイ・ジャパニーズ・ピープル、ホワイ「Wyte」。という話。 (写真:フォトAC) 【ホワイ? ホワイトボード(Wytebord)】 母の家…
今年の新語・流行語大賞が発表され、 大谷翔平選手関連の二つが大賞となった。 しかし残り28の大半がわからない。 そこで全部、改めて調べ直した。という話。 (写真:フォトAC) 【私が遅れているのか、社会の仕組みが変わったのか】 紅白歌合戦の出場歌…
南アフリカ由来の新型コロナ変異株、オミクロンと名づけられたそうです。 アルファ株から始まった警戒すべき変異株(VOC・VOI)の13番目で、 当然ニュー株になると思ったらまさかのオミクロン。 そもそもデルタだのオミクロンだの、何だったっけ?という話…
深刻な問題なのに頭に浮かんでくるのはオチャラけた話、 誰が考えたってそれをやったら怒られることを平気でする、 どこかに共通点はあるのだろうか? それにしても頭のタガが緩んでいいないかい? 気をつけよう。 という話。 (写真:フォトAC) 【ドコモ…
もともと思考が深まる性格ではなく、 連想に囚われたり気移りしたりすることも多かった。 しかし連想したことがいつまでも離れないというのは最近のことだ。 いよいよ頭がサビついてきた。 というお話。 (「森の妖精」フォトACより) 【横滑りする思考】 若…
やたら発言に外国語をさしはさんでくる小池東京都知事に、 いまさらのようにイラつく。 ときどき若者の中にも似たような話し方をする人がいるが、 ダメです。あんなものの真似をしては。 というお話。 (「子ども ステイホーム」フォトACより) 【都知事、…
(アルフォンス・ミュシャ「曙」) 安室奈美恵さんの引退が大きなニュースとして取り上げられました。私は世代も違いますしファンでもないので関心はありませんが、かと言って一芸能人の引退がこれほど大きく扱われることに抵抗する気持ちもありません。 何…
昨日の続きの「桜」ウンチクです。 【サクラ サク】 おそらく一定の年齢以上でないと分からない、すでに死語です。 今では大学入試の合格発表もネット上で見られるようになりましたが、かつては発表の日に直接大学に赴くか入学書類の到着を待つしか方法があ…
先月5日の当ブログで、 娘のシーナは「直火(じかび)」を「ちょくび」と言って父親(私)を絶望させますし、婿のエージュは最近まで紅白歌合戦が男女別だということを知らなかった(中略)かくいう私も30歳過ぎまで「あさくさ寺(浅草寺)」と「せんそう寺…
私は何もいっさい外国語を使うなと言っているわけではありません。 戦時中おこなった、野球のセーフを「よし」、アウトを「ひけ」と言うような愚かさはもちろん避けなくてはなりませんし、母国語にこだわるあまり極端に英語を排斥したフランスは、ITの世界で…
「レガシー」「ダイバーシティ」「ワイズスペンディング」「ホイッスルブロワー」 最近、ニュースの中をやたらと飛び回っている言葉ですが、それは最初たった一人の女性の口から発せられたものでした。小池百合子東京都知事です。 めったにないことですが、…
私は、明治期における日本語の統一ということには無頓着でした。 もちろん日本語表記の方の問題性については承知していました。 木版印刷の時代には問題とならなかった異体字(例えばひらがなの「な」も、元となった漢字の「奈」から「な」に至る中間的な文…
土曜日の朝、NHKニュースを見ていたら中国で茶道を学ぶ学生たちの話題を扱っていました。その際、非常に耳障りだったのは「茶道」を指して言う「ちゃどう」という言い方です。ただし天下のNHKのことです。言葉の使い方、特に経年による日本語の変化について…
その1「元気を与えたい」 東日本大震災のとき、ギターを抱えて避難所を訪れた若者が二人、路上ライブの態勢をつくってひと言。「今ぁ、ボクたちにできることは歌うことだけです」 その瞬間、ギターを奪い取る者がいて代わりにスコップが渡された・・・。 最…
研修会の講師をやったのだけれど、結局うまく行かなかったというお話を書いています。 私もこれまで何十回となく様々な講演会を聞いてきましたが、眠くなる話のいくつかは明らかに情報過多が原因です。重要な話がいくつも出てくるのですが、多すぎて聴衆がつ…
ひょんなことから児童館で1時間半の研修会の講師をやる羽目になりました。話すことは嫌いではないのでいいのですが、1時間半という長時間は経験がなく、どの程度の分量の原稿を用意したらよいのかも想像つきません。 校長講話をやっていた頃は「15分でお…
若いママさんたちがブログなどで使う用語――「義実家」「義両親」などに違和感がある、というお話をしました。「だったら義実家のことは普通はなんて言うの」という娘の問い合わせに対して、「夫の実家」と返事をしておいて、しばらく後にこれにも違和感を持…
若いママさんのブログばかりを集中的に読んでいくと、そこにはそこの独特な用語や表現のあることに気づきます。その世界でしか通用しないものですから、これはもう隠語とか符丁とか言ってもいいようなものなのかも知れません。 たとえば「完母(かんぼ)」。…
若い頃は、自分ができるかどうかは別として、世の中、努力さえすればなんでも可能だと思っていました。ところが年齢を重ねるにしたがって、次第にそうではないことが分かってきました。 どんなに努力をしたところで私が100mを9秒9で走ることはないし、…
標準語と方言とのせめぎ合いの末、日本は国内のどこへ行っても現地の人と普通に話せる公用語を獲得しました。方言の味深さが失われるのはいかがなものかという議論はありますが、統一言語を持っているということは大いなる幸せです。言語表現はすべて一つの…
先週の金曜日、カーラジオで参議院予算員会のやり取りを聞くともなく聞いていたら、中西健治(無所属クラブ)という議員がとんでもない質問をしていました。「これからのグローバル社会を考える上で、英語を準公用語にしたらよいと思うがどうか」と言うので…
妻が「リセット・ポール」という健康用具を購入しました。直径20㎝、長さ1m20㎝ほどの円筒で、この上に横たわって背骨を伸ばしながら軽く運動をするというものです。なかなか気持ちのよいもので、気分よく運動しながらあちこちの筋肉を揉みほぐしていた…
今は時代劇も廃れてしまい、清水次郎長だの森石松だの言っても何のことかわからないひとが多いのかもしれませんが、私の子どものころは浪曲ブームの名残もあり、また現代ヤクザが主人公の映画「仁義なき戦いシリーズ」の影響もあって男の子は少なからず“その…
何か失敗を犯したとき、不運に見舞われたとき、誰かに嫌な思いをさせられたとき、普通の人は何と言って呪ったり罵ったりするでしょう?「チェッ」「クソ」「クソったれ」「クソが」「クソめ」「クソ喰らえ」「コンチクショー」「畜生め「あの野郎」「この野…
言葉は時代とともに変化していくものですし、不適切な語は自然に消えてしまいますからあまり苦にしなくてもいいようなものですが、どうにもこうにも我慢ならない語や語の用法がいくつかあります。 「感動を与えたい」 3・11以来繰り返し出てくる「感動を…
二週間ほど前から91歳になる義母の具合が悪く、心配されました。横になったままものが口を通らなくなり、息も荒かったのです。それがここにきて、数日前からまた少しずつ食べられるようになってきています。うまくいけばもう一度、家に戻れます。老人とい…