カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「教師を使いこなす」~同僚の先生に、優先的に私の仕事をやってもらう方法

教員の仕事は一部独立採算性のような部分があって、極めて個人営業的、閉鎖性が高いものです。しかし一方校務分掌は多岐多様にわたり、いろいろな意味で他人の力を仰がなければならないものが出てきます。例えば原稿を出してもらうとかアンケートに答えても…

「学校へ行きたくない」~カフカの『変身』だと虫になる

「朝、学校へ行きたくないと思ったことがありますか」というアンケートを取ると、小学生の7割ほどが「Yes」を選択します。そこから「今や学校は子どもにとって『行きたいところ』ではなくなっている」などとマスコミは書きたてたりしますが、裏を返せば3割…

「記憶の話」~物事をどう覚えるか

最初から言っておいた方がいいと思い、「名前や顔を覚えるのが苦手です」とことあるごとに 言ってきました。ほんとうは他にも覚えられないことは多いのですが、魚の種類を忘れても失礼に当たることはありませんが、人間の名や顔を忘れるとなるとまるで誠意が…

「さまよい人の話」~惑星について学び直す

日が落ちて真っ暗な道を走っていると、西の空に大きく輝く星が見えました。宵の明星、金星です。夕暮れになると真っ先に見える星で、太陽と月を除くと全天で一番明るい星にあたります。 太陽系の惑星の中でも、地球よりも内側(太陽側)にあるものを内惑星と…

「さあ文化祭です」~師弟一緒になって盛り上げましょう

あいにくの雨ですが・・・ 現代社会のハイテク化を「文明開化だ!」と言ったらそうとう違和感があるのであって、「文明」も「文化」も「モダン」も、元は新しさを強調する言葉だったはずなのに、もうそれ自体が古い印象です。「文化祭」も、この言葉がつくら…

「金の卵を探す」~福岡県の「(スポーツ)タレント発掘事業」について

少し古い話になりますが、10月14日体育の日、NHKの9時のニュースで面白いものをやっていました。「核心:埋もれた“金の卵”を探せ」という特集です。それによると福岡県は10年前から「タレント発掘事業」というのを行っており、優秀なスポーツ選手…

「人はいかにして飯を食っていたのか」~歴史を考える上でのひとつの視点

「自分が小学生だったときの教科書に、どんな話が載っていたのか」 この設問にはかなりの人がすぐに答えられるような気がします。何といっても教科書は珠玉の作品の固まりですから、誰でもひとつぐらいは記憶に残っていて不思議はありません。私にとってそれ…

「柿考」~昨日いただいた柿を頬張りながら調べたこと

昔、ある先生が職員室で柿を頬張りながら「『柿が赤くなると医者が青くなる』って言うくらいだから、柿ってよっぽど栄養があるんだよね」と言ったところ、近くにいた別の先生が「それって柿じゃなくてリンゴでしょ」と言い出し、少し離れたところにいた若い…

「愛は伝わらない」~はっきり言葉で言わないと、子どもは理解してくれない

昔、人に言われてこんなアンケートをとったことがあります。 あなたのお父さんやお母さんは、あなたのことをどう思っていると思いますか。 お父さんやお母さんから言われた言葉で、覚えていることを教えてください。 結果は惨憺たるものでした。 1の答え・・…

「還暦ってなんだっけ?」~十干十二支(じっかんじゅうにし)の話

社会科を教える上で困ることのひとつは、広い知識の裾野がないと安心して教壇に立てないないということです。 たとえば「壬申の乱」についてそうとう熱心に教材研究を進め、天智天皇や大海人皇子、藤原鎌足や大友皇子の事跡まで固めても、一人の突飛な子の「…

「運命の旗振り人」~こちらに来なさいと運命が旗を振る

長く生きてくると、妙に迷信深くなったり運命論者になったりすることがあります。これは無理ないことで、人生の様々な場面で、偶然と思えないことや不思議なこと、何らかの暗号に繰り返し出会うからです。 私の場合もっとも基本的に持っている信仰は「信賞必…

「アンパンマンの父」~やなせたかしさんが亡くなって思うこと

やなせたかしさんが亡くなりました。本名は柳瀬嵩と書きます。1919年(大正8年)2月6日生まれで、享年94歳。経歴を見ると漫画家・絵本作家・イラストレーター・歌手・詩人とあります。田辺製薬の宣伝部にいたり新聞記者になったり、三越に就職したり。また若…

「『君をのせて』にみる父と母の役割」~両親が逆に背負ってもいが、子どもには父性と母性が必要だ

家庭における父親の役割・母親の役割といった話をしようとすると厄介なのが、性差別の問題との整合性です。何も父性原理を担うのが男である必要はない、という主張とどう擦り合わせるかということです。 父親の役を必ずしも父親が行う必要はないというのはま…

「科学の話ができるかもしれない」~事故や問題の理由を精神性に求めない風潮よ来たれ!

事故を起こしたJR北海道の野島社長が記者会見で微妙な言い回しをしています。 野島社長は、一連の問題の背景に「現場の『あきらめ感』があった」と指摘。「本社が現場に向かって(安全重視の意識を)伝えきれていない。現場をつかみきれていない。現場の責…

「教師の地位」~日本の場合、教職は尊敬できる仕事だが、子どもには絶対に勧められないという国際調査の結果

今月5日、教師の年収や社会的地位に関連する「教師地位指数(Teacher Status INDEX)」に基づく調査結果というものが発表されました。調査をしたのは英国の国際教育機関・バーキーGEMS財団というところです。 米国や中国、日本、韓国など21カ国の異な…

「魔の右カーブ」~桜塚やっくんの死と私の体験

タレントの「桜塚やっくん」が交通事故で亡くなりました。「やっくん」が運転するワンボックスカーが中国自動車道の下り右カーブで単独事故を起こし、追越し車線をふさぐかたちで停止。車外に出て警察に通報しようとしていたマネージャーがトラックにはねら…

「食べられているトマトに手足をつければ金賞がもらえる」~芸術の秋に②

民間の絵画展に応募して私の子が素晴らしい賞(というか“素晴らしい副賞=絵の具セット・クレヨンセット+1万円と5千円の図書券)をもらったというお話をしました。応募点数が少なく教師の目も通っていませんからここで勝ち抜くのはあまり難しくない、そん…

「児童の絵の選び方」~芸術の秋に①

昔、児童の作品展に出す絵を選びかねていたら美術を専門とする先生が横合いから声をかけ、あっという間に選んでくれました。それはいいのですが、私が思っていたのとは違う絵が県展宛になっていたので「あれ、こっちの方がいいんじゃありません?」と訊ねた…

「なぜ科学の話ができないのか」~科学にゆだねれば解決するかもしれない三題

科学を持ち出してそれにゆだねれば解決するかもしれないのに誰もしない――私がそう感じている三つの話。 【その1】 福島第一原発の汚染水。流出事故が止まりません。東電の杜撰さ、責任感のなさ、意識の低さには呆れるばかりです・・・と書いて、果たしてそ…

「児童虐待のこと」~小動物でさえいたぶるのは苦しのに・・・

いじめで子どもが自殺したとなると学校は徹底的にたたかれ、メディアは何ヶ月ものあいだ学校を追い回して離してくれません。もちろん人ひとりが死んだわけですから文句を言う筋合いはないのですが、一方で心の隅には「それにしても不公平だ」と思う気持ちが…

「氷の微笑」~怖ろしい保護者の一面を見た話

これまでたくさんの保護者を見てきました。 本当に心から尊敬できる人もいれば首を傾げる人も、あるいは子どもが可哀想になる場合も理解できない場合もあります。理解できないというのは「この親からどうしてこんな良い子が育ってくるのか」という場合もあれ…

「10月」~今月のウンチク

10月になりました。年度の折り返しです。 それぞれの学年の後半になりますし、中学校2年生は中学校生活そのものを折り返すことになります。私たち教師も、一つひとつの仕事を整理しながら年度末に向けて粛粛と進めていかなければならないときになります。…