カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「黒板」④〜黒板の工夫

黒板の使い方がうまいかどうかを見分ける簡単な方法があります。授業の途中から入っていってその時点まで何をやってきたかが分かる板書(黒板の記述)、それが優秀なのです。これは重要で、子どもたちは授業中しばしば気を失います。ほんとうに失わないまで…

「黒板」③〜黒板の名手たち

ほんとうに切ないくらいの悪筆で、自分の文字は一字たりとも世間に出したくない――そういう情熱が私のコンピュータ・スキルの原動力です。だから8ビットコンピュータの時代からワープロ・ソフトを探しまくり、ワープロ専用機はもっとも早い時期に購入しました…

「黒板」②〜自慢!移動式連絡黒板

30年も前の話です。 当時担任するクラスと教室が決まって最初にやる仕事のひとつが黒板を整えることでした。正面の大黒板の右側に、白い水性塗料で「月」「日」「曜日」「当番」と書いて毎日の記入に備えます。教室の廊下側の黒板には「学習予定」と書いて…

「黒板」①

羽衣文具株式会社が会社の廃業を発表しました。チョークで有名なあの羽衣です。その名前は知らなくても、写真のようなチョークの箱はどこの学校へ行ってもありふれたもの見覚えのある方も多いでしょう。 重さといい硬さといい、もちろん慣れということもある…

「日本的おもてなしへの郷愁」~嫌なら他へ行ってくんな!

冬の奈良・室生に行ったことがあります。30年以上も前のことです。 急に思いついて出かけた旅なので出発も遅く、室生口大野駅についた時点で午後4時を大きく過ぎ、室生川を渡って仁王門が見えたときはほとんど閉門の直前でした。 中から男の人が「もうす…

「羊を巡る連想」~羊のウンチク

今日は毛皮の日だそうです(日本原毛皮協会)。11月20日を「いいファー(毛皮)」と読ませる語呂合わせだそうですが、そうとう無理があるのではないでしょうか。 さて、2015年の年賀はがきのデザインは、ヒツジがマフラーを首にかけているものです。その…

「体罰の問題」⑦最終〜体罰のない社会へ

私が子どものころ、そしてそれ以前の教師は二重の下駄を履いて教育活動を行っていました。「体罰」と「保護者からの絶対的信託」です。 昔の教師の教育力というのはそういうもので、それが“坊ちゃん”や“うらなり”、“野だいこ”でも教員が務まった主な理由です…

「体罰の問題」⑥〜それでも許容できない

3回に渡って体罰の教育力というものを考えてきました。「体罰は子どもを傷つけ怨みを残すだけで何の教育的効果もない」という人がいますが、そんなことはない、「体罰」には子どもをコントロールし、自らを伸ばそうとする強い力がある――私が証明したかった…

「体罰の問題」⑤〜障壁の超克、体罰の普及性

桜宮高校の場合がそうでしたが、体罰がもっとも頻繁に使われる場は部活です。それには理由があります。顧問の一部は“体罰”がチームや選手の限界(力の障壁)を超えさせる力があると信じているからです。 部活というのは学校生活の中でも極めて特徴的なもので…

「体罰の問題」④〜事態の昇華、ステージ・アップ

あるとき、中学校の三年になってから、無着先生が私たち全員をゲンコもちでぶんなぐったことがあります。みんな目をつむらせられて、ゴツンゴツンくらつけられました。みんなも、自分がぶんなぐられていたかったのも忘れて、「先生にぶんなぐられるようなこ…

「体罰の問題」③〜体罰の優れた教育力

「体罰の優れた教育力」。副題にそう書くのはなかなか勇気のいることです。誤解されやすいに決まっていますから。しかし日本の教育が長く体罰の伝統としてきた以上、そこには誘惑的な魅力があったことは確かです。教育学は基本的に経験の学問ですから理論的…

「体罰の問題」②〜悪いものの魅力

これほど強く非難され社会的制裁も厳しいのに、なぜ学校から体罰がなくならないのか――。この問題は一筋縄ではいきません。「暴力に寛容な社会性」や「教師の自覚の欠如」に答えを求める向きもありましたが、そう言われてずいぶん年月が経ちました。その間、…

「体罰の問題」①〜証拠主義のコスト

いわゆる「舞鶴女子高校生殺人事件(2008年)」について、無罪が確定したばかりの男が大阪で38歳の女性を11か所も刺して逮捕されました(11月5日)。幸い被害者は一命をとりとめたようですが。 このニュースを聞いたとき、即座に思い出したのは1996年の小野…

「天国と地獄」子どもの前でちょっとした芸を見せる

ちょっとした芸をご披露します。若いころに仕入れたものですが、以後、目にしたことがないので案外知られていないのかもしれません。 紙飛行機をひとつ作って、こんなふうに話を始めます。①「大型旅客機がちょうど200人の乗客を乗せて飛び立ちました」(…

「ウサギとクマの話」~両方とも同じ生き物なのに、なぜクマは殺されなくてはいけないのだろう?

ウサギを3羽飼っています。 1羽は娘が学生時代に買ったもので、引っ越しをしたら新しいマンションに入れられず、私のもとに来ました。ネザーランド・ドワーフという種類でピーター・ラビットのウサギとして知られています。他の2羽より一回り小さく、下(…

「無名のジョブズ」~日本にだっていくらでも才能はある

「なぜ日本にスティーブ・ジョブズが育たないのか」という命題があります。つい最近もテレビでそんな話をしていました。しかし、いかがなものでしょう。ジョブズはそんなに必要なものなのでしょうか。 話を始める前にジョブズを定義しておきます。このテーマ…

「100人学級だってかまわない」~良い子ばかりだったらね

財務省が小学校の35人学級制度(法的には小学校1年生のみ、予算配置で2年生にも拡張)をもとの40人学級に戻せと言っていることに関し、Webの掲示板に投稿がありました。「啓示板」はかつて私の主戦場でしたが、ここ10年ほどはすっかり枯れ、なかなか…

「年をとって分かること、できること」

天候は今ひとつでしたが、三連休を何もせずに過ごすのも嫌で、家族と紅葉狩りに行ってきました。その紅葉もだいぶ雨に落とされてやはり今いちでした。しかしそれでもかなり美しいものです。そこそこに人の入りこみもあったようです。 ところで私は子どものこ…