カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「昭和の風景」⑥

私はもちろん戦前の生活は知りませんが、“第二次世界大戦が終わって生活は一変した”というのは政治や社会制度の変化であって国民の意識自体はそう変わってはいなかったのではないかと思っています。 確かに軍国主義や国家主義は瞬く間に霧消しましたが、そん…

「昭和の風景」⑤

朝ご飯が終わって家族が仕事や幼稚園に行ってしまうと、母は洗濯に取り掛かりました。「桃太郎」に「お婆さんは川へ洗濯に・・・」という部分がありますが本当に川に洗濯に行くのです。洗濯物を小脇に挟んで「たらい」と洗濯板を持って堤防の向こうの河原に…

「昭和の風景」④

高度経済成長は私が生まれた翌年に始まり、高校を卒業して間もなく終了しました。前にも言った通り、ですから私はまさに“高度経済成長の子”です。他の人たちとは違う景色を見て育ってきたのです。 とにかく父のボーナスが出るたびに生活のガラッと変わる。全…

「昭和の風景」③

ケンちゃんは何でも知っていましたからさまざまなことを教えてもらいました。メンコの遊び方だとかコマ回しだとか、かくれんぼうでもカンけりでも何をやってもうまいのです。 小学生になるとケンちゃんはお父さんの自転車を引っ張り出して、それを乗りこなし…

「昭和の風景」②

私が生まれ育ったのは地方都市の郊外、一級河川の堤防下に作られた、市営住宅の一軒でした。 コンクリートブロックモルタル造りといい、ブロックを積み上げた建物にセメントを吹き付けただけの簡単なもので、二軒が繋がって一棟になっていていました。中は6…

「昭和の風景」①

私は1953年に生まれて1973年に二十歳になりました。この53年に生まれて73年に二十歳になったというのは非常に重い意味を持ちます。なぜならそれは日本の高度成長期にほぼ匹敵するからです。「日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、1954年(昭…

「愛着障害研修会」~御礼

愛着障害に関するミニ講演会に主催者側として参加し、「お礼のあいさつ」というのをやらされてきたので紹介します。短い話です。 ◯◯先生、本日はたいへん貴重なお話をありがとうございました。学んだことと感想を簡単に述べさせていただき、お礼のあいさつと…

「子どもの人生の設計図」②

娘のシーナに描いた人生に設計図は何ひとつ達成されなかった、どこに間違いがあったのか、というお話をしました。 その原因をずいぶん長い間、高校入試の段階でシーナが意外に頑張ってしまったこと、そうした性格を見抜けなかったこと、そこにあるのだと思っ…

「子どもの人生の設計図」①

娘のシーナが生まれる以前、というよりは結婚するはるか以前から、私は女の子が生まれたら看護師にしようと思っていました。教員もいいですが、もっと直接的に人の役に立ち成果の見えるものをと考えたからです。幸い女の子に恵まれ、素直な子でしたので本人…

「子を持つ覚悟について」~どうせ、いわゆる健常児に生まれたって健全に育つわけではない

まだ職員文集(学校の先生たちが寄稿して毎年一冊の文集をつくる)というものがあった時代、私はその中にひとつ、とても気になる文章を見つけました。それは初めて子どもを持つ若い、男性の教師の出産体験記です。こんなことが書いてありました。「はじめて…

「男の子の育て方」③

二十歳の女の子と男の子を見比べると、これはどうしたって女性の勝ちです。 女の子はほぼ完成が見られ、良いにつけ悪しきにつけ手が入らない感じになります。ところが二十歳の男なんて、いくらでも手の入れがいがある感じです。と言うよりはまだまだ手を入れ…

「男の子の育て方」②

母は口うるさい人で、私は子どものころからあれこれ細かく世話を焼かれ、指示や指導を受けてきました。 大人になってもその様子は変わらなかったのですが私が40歳をだいぶ過ぎてから、ふと気がつくと何も言われなくなっていた、そう気づいたのです。 いつか…

「男の子の育て方」①

結論を先に書きます。 男の子の育て方、それは「分からん」の一言です。身も蓋もない話ですが、たくさんの男の子を見てきて、さらに自分でもひとり育てて、その答えは「分からん」しかありません。とにかくバカなので対応が難しいのです。 居間の壁紙を張り…

「PTAを如何にせん」⑤

爆発的に教育予算を増やして学校のメンテナンスや登下校の安全指導を業者に任せ、あるいは図書費や備品費にあて、地域の育成という役割はPTAに代わる若年層(子育て世代)の交流の機会をつくる。その上でPTAを潰す。――それはひとつのアイデアです。 P…

「PTAを如何にせん」④

私は立場上、学校関係者の会合で司会を頼まれることが多かった、そういう時期がありました。しかし多くの人が敬遠するこの司会業、参加者が教育関係者(多くは教員)である場合に限って、ほとんど苦にならないのです。なぜなら相手が教員である限り、彼らは…

「PTAを如何にせん」③

通学区(校区)というのは学校を中心にコンパスで円を描いて等距離になるように設定しているものではありません。学校が建てられる土地は自由に転がっているわけではありませんし、住宅地も学校を中心に広がっていくものではありません。したがってとてもい…

「PTAを如何にせん」②

先週の土曜日、近隣の小学校の運動会を覗きに行ってきました。 かつて運動会は秋が定番でしたが日程上どうしても9月中旬〜下旬に行うしかなく、ところがこれが秋の長雨に重なって天候不安に悩むことが少なくなかったです。運動会を春に、というアイデアは昔…

「PTAを如何にせん」①

退職してから大きく変わったことのひとつはテレビをよく観るようになったことです。特にニュース・ショーとかワイド・ショーとか、かつてはゆっくりと見ることのできなかったものばかりです。 特にワイド・ショーの類は芸能ゴシップだのセレブの生活だの、こ…

「子どもの記憶」~頭は覚えていないが心は覚えている

東野圭吾のガリレオ・シリーズの主人公、湯川先生はしばしばこう言います。「現象には訳がある」 このフレーズ、私はけっこう好きなのですが、このように結果には必ず原因が付随するという法則のことを因果律といいます。 たとえば、人は簡単に他人を殴った…

「躾って、できるんだ!」~ウチのウサギの話

以前にもお話ししましたが、ウサギを3羽も飼っています。 1羽は娘が学生時代に購入して引っ越しの際に手放さなければならなくなったもの。ネザーランド・ドワーフの純血種(オス:現在4歳)のカフェです。あとの2羽は1年後に妻がもらってきたミニウサギ…

「興醒め鳥」~モズの習性

庭のマユミの木が徒長したので枝切バサミでジャキジャキ切り始めたら、反対側の木に止まった体長18センチくらいの小鳥がカタカタとうるさい声で鳴きはじめました。そんな近くに野鳥が来るのは妙だなあと思いながら作業を続けると、なんとそのマユミの木の…

「社会を動かす者と動かされる者」~歌謡曲考④

前田敦子というタレントさんの魅力がさっぱり分からないといったら娘のシーナが教えてくれました。「まず手足が長く身長もそこそこ、センターに立つとやはり見栄えがする。けれどもっと大切なのはオタクがもっとも好むタイプだということ。 教室の片隅にいて…