カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2009-01-01から1年間の記事一覧

「ご苦労様でした」~来年は寅年、トラ・トラ・トラ

2009年もようやく終わろうとしています。今年はインフルエンザの流行を除けば、本当に平和な一年間でした。生徒指導上の大きな問題もなく、一人の不登校も出さず、学力的に言えば全国学力学習状況調査も目の前に秋田県しか見えないほどの好成績で基本的…

「サンタクロースの話」~サンタのプレゼントの配り方

毎年12月24日になると思うのは、なぜ日本の子どもたちにはクリスマスプレゼントとお年玉という二重のご褒美が許されているのかということです。その間わずか一週間です。今年は深刻なデフレーションですから、それに比例して子どもたちの収入も減ります…

「メメント・モリ」~明日、その人がいなくなっているかもしれないと、こころの隅で少し思うこと

知り合いの息子さんが、21歳の若さで亡くなりました。東京のアパートで一人暮らしだったので、一週間も発見されなかったのだそうです。原因不明の突然死ということらしいのですが、まったく予兆のないできごとだったのでご両親の悲しみにも、いっそう深い…

「ピーター・パンに言いたいこと」~いつまでも子どものままでいても、いいことはないよ

武藤先生が雑誌「プレジデントファミリー」4月号(2009)から「知れば変わる、子どもの自立メカニズム」という記事を拾って紹介してくださいました。5人の研究者の解説ということでどれも興味深い内容なのですが、その中で「急増中! 反応期のない子どもは…

「結局、学校かな」~親がダメだと嘆いても、何も始まらない

私が子どもだったころ、母は内職をしているだけの専業主婦でした。子育てが一段落したころから急に外に出て働き出し、70歳になって「みっともない」という理由で辞めるまで、外で働き続けました。 母が専業主婦として家にいた昭和30年代〜40年代という…

「昔の学校の物語」~思い出すのは楽しかったことばかり

ひょんなことから、澤田先生と私が同じ小学校の出身で、就学時期を部分的に重ねていることを知りました。しかし先生が「校長先生は◯◯先生でしたよね」とか「私の担任は◯◯先生でしたが」とか言われても何も思い出せず、逆に「そう言えば事務の先生は△△先生と…

「愛情貯金のこと」~いざというときの大型支出(葛藤・対立)に備える

懇談会の中で、祖父母に子どもを任せ、ほとんど会っていない親御さんがいることがわかって職員室で話題になりました。そのとき滝田先生が「この借金、いつ返せるのかな」とポツリとおっしゃいます。 今、当然払うべき愛情を支払わなければ、将来膨大な借金と…

「とにかく勉強しない子たちに勉強させる方法」~もう、量を減らすしかないんじゃないのか?

以前にもお話しましたが、十年以上前、「子どもはどうしたら勉強するようになるのか」というテーマで2年がかりの研究をしたことがあります。 結論はいたって簡単で「学習に価値を感じていること」「そのための学習量が適切であること」そして「学習習慣があ…

「ノストラダムスとアトムとーー」~世界は驚くほど進歩も変化もしなかった

学生の頃熱心に調べたこともあって毎年12月14日になると「ああ、今日は赤穂浪士の討ち入りの日だな」と思うのですが、ふと調べものがあってついでにインターネットを見たら、なんと今日はノストラダムスの誕生日でもありました(1503年:フランス)。…

「子どもの進路に親は口を出そう」~イチローの父も、横峯さくらの親も、石川遼の父もみんなやったことだ

家族で外食するのにいつも似たようなものしか注文しないので、子どもからは「臆病者」などと言われてからかわれています。しかし別に冒険を恐れているのではなく、他のものを注文すると一番食べたいものが食べられないのが、なんとも惜しいのです。その意味…

「インフルエンザ再考」~再び流行の兆しです

一週間以上「新たな発症者ゼロ」が続き最後の出席停止が登校して二日間、インフルエンザ患者ゼロの日がありました。しかし残念なことに昨日新たな発症者が一人出て、平和なときは二日で終わってしまいました。市内全域沈静化しているものの一部の学校が患者…

「児童のガバナビリティ」~授業を受ける者としての能力について

理研展示会での入賞者が13人もいて、校長室で記念写真を撮ろうにもフレームに収まりませんでした(昨年は6人ほどなので簡単でしたが)。 職員室の廊下に張った絵画展や作文コンクールの賞状も尋常な数でなく、低い賞の分は張り切れなくて、直接児童に渡す…

「12月8日」~日本が卑怯者になった日の責任を、誰も取っていない

わりと忘れがちなのですが、今日、12月8日は太平洋戦争の開戦記念日です。戦争自体は1931(イクサのハジメと読みます)年の満州事変から続いていたものですが、引き返せたかもしれない最後の一歩を踏み出してしまった、今日がその日です。 真珠湾攻撃…

「アニマル・セラピーのこと」~ネコやモルモットが先、犬はあと

以前、動物愛護センターに研修に行ったことがあります。 動物愛護センターというのは県の機関で、野良犬や野良ねこ、徘徊犬・ねこなどについて捕獲・収容したり、負傷動物の保護・収容なども行っている組織です。 その他の業務としては「動物とのふれあい教…

「汝を如何せん」~この子をどうしようかと戸惑うとき

最近のこと、清掃の時間にある男の子の運動着姿がなんとなく変で、何かなと思ってよく見たら、運動着の下のランニング・シャツが袈裟懸けになっていました。左腕はいいのですが、右腕を入れる際に首を入れるのと同じところに首といっしょに突っ込んでしまっ…

「仙人の話」~その主食、”霞(カスミ)”の食べ方

日が短くなって、暗いうちに家を出ています。ついこの間まで、朝陽を正面に受けて運転しずらかったのがウソのようです。陽は、出勤してだいぶたってから昇り始めます。 その太陽の上がる寸前の、東の空に広がる強い太陽光を昔は「霞(かすみ)」と呼んだよう…

「現代の家柄」~家族にきちんとした人が、最低ひとりいることの大切さ

本校のある先生のお子さんが、学校の授業中に少し大きなケガをされたそうです。本人の不注意らしいのですが、それに対して祖母に当たる人が帰宅したばかりの先生に、すぐに学校に電話しろと迫ります。とにかく早く電話して、お詫びしろと。もちろん先生はす…

「懇談会で心がけたい三つのこと」~子どもを簡単にスケッチ、言いたいことをすべて言わない、時間通りに

保護者懇談会が近づいてきて、皆さん、準備に余念のない時期かと思います。 懇談会というのはいわば、四月に話し合って決めた教育計画の中間決算のようなもので、「この件についてはここまでやって、この程度までできるようになりました、しかしこの点に関し…

「天使を育てているつもりで悪魔を育てる」~もう一度、育てているものを見つめ直そう

ネオンテトラという熱帯魚を40匹ほど飼っていた時期があります。その飼育し始めのある日、水槽の内側にきれいな透明のタマゴが数十個もついていることに気がつきました。うれしくてうれしくて、さっそく孵化用の箱を買って水槽に入れ、毎日うっとりと眺め…

「その子の手札を見直す」~その子の持っている能力、欠けている力の点検

以前お話した「受けてみたフィンランドの教育」という本の中に、フィンランド人は計算ができない、という話がありました。とにかく算数数学は授業もテストも電卓持込なので、計算をする必要がないのです。それも高校数学もできるようなスーパー電卓で、あま…

「懲りない性格」~子どもはそもそもそういうものかもしれない

昔ご一緒させていただいた校長先生のひとりに、初孫をもって嬉しくてしょうがなく、しょっちゅう孫の話をしているような人がいました。 その人の話の中で、階段を登るようになったのはいいが降りてこられないので必ず2階で泣く、大泣きするので行って降ろし…

「ジャパン・クール!」~世界が日本をめざす今日

私が最近読んだのは マックス霧島 著「ハリウッドではみんな日本人のマネをしている」(講談社:2009)と、櫻井孝昌 著「世界カワイイ革命〜なぜ彼女たちは『日本人になりたい』と叫ぶのか」(PHP研究所:2009)の二冊です。 簡単に言うと、世界は今、空…

「組み合わせの効能」~マスク、手洗い、うがい、全部やればいいに決まっている

先週の共同通信のニュースに『「ウイルスカット99%」は過大 インフル用マスク』 というのがありました。 それによると「国民生活センターによると、15商品のうち、ウイルスの捕集効率95%以上は3商品だけだった。6商品は80〜95%、2商品が60…

「美しさを学ぶ」~それが道徳教育の神髄

リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトストラはかく語りき』は『2001年宇宙の旅のテーマ』という題名で有名ですが、これはシュトラウスがニーチェの哲学的著作『ツァラトストラはかく語りき』を呼んだときの感動を表現したものだと言われています。 そう…

「教員の不祥事のこと」~それを防ぐためのひとつの提言

教員による不祥事が止まらない、少なくとも止まらないような印象を与えます。 ある人は教員だからニュースになり易いだけだと言い、別のある人は規準が変わり昔からあったものが許されなくなっただけだと言います。また別のある人は、教師を見る目が厳しくな…

「流星の絆」~我が子とともに、しし座流星群の降りしきる星を浴びた夜の話

今朝、ニュースを見ていたら、しし座流星群の話をやっていて、「しまった」とばかりに表に飛び出しました。幸いなことに外はまだ真っ暗で・・・と思ったのですが、暗さは低く垂れ込めた雨雲のせいで、星はひとつも見えません。星の観察なんてそんなものです…

「文章表現という欲望について」~書くことがらをしっかり持てば、表現は自ずとついてくる

調べたわけではないので確実とはいえないのですが、世界の民族の中で、太鼓やドラムといった打楽器を持たないものはひとつもないような気がします。同様に、拍手をもって賞賛や喜びを示さない民族もないように思うのです。チンパンジーやゴリラだって、しば…

「有難い人たち」~休日なのに、これほど多くの先生たちが仕事に来ている

さまざまな仕事があって土日二日間、そこそこの時間を学校で過ごしました。そうやって休日に学校にいると、実に多くの先生方が登校していることに驚かされます。 児童のために教室環境を整えに来る人、出席停止や学級閉鎖の対応で宿題や連絡プリントをつくり…

「邪馬台国の話」~なぜ日本は”邪”で”馬”なのか、卑弥呼は”卑しい”のかという大問題

奈良県桜井市の纒向(まきむく)遺跡で大型の建物跡が発見され、新井白石(近畿説)・本居宣長(九州説)以来の邪馬台国論争に終止符が打たれるかもしれないと言われています。 もしかしたら21世紀(始まったばかりですが)の日本史上最大の発見になるかも…

「拙速大事」~”できあがりがいくら立派でも遅い”は、”できがまずくても速い”に及ばない

宿題でも何でも「とにかくやりました」みたいないい加減なものを次々と出してくる子がいます。こちらもいい加減イラついて「オマエ、やりゃあいいってモンじゃないよ」と指導するのですが、そんな子に限って、やけに生きが良かったり活力があったりする場合…