カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

言葉

「言葉の水生図鑑」~むがく・えんこー・アホロートル

先日の高校生クイズ大会の決勝戦で、対戦した両チームの答えが割れたにもかかわらず両方正解という妙なことがありました。 問題は「ヤツメウナギは何類?」というもので、一方が「ムガク類」と書き、他方が「エンコー類」と書いたのが、どちらも正解だったの…

「ポ・ジ・ティ〜ブ・シンキング♪」~運を引き寄せる私のおまじない

「銀座まるかん」という漢方を中心とした化粧品・健康食品を販売する会社の社長さんは斎藤 一人(さいとう ひとり)という、十年連続で長者番付ベストテン入りした方です(長者番付自体は現在行っていません)。 この人は徹底的なポジティブシンキングの方で…

「あきすとぜねこ」~突然思い出した昭和のこと

昨日のことですが、どういう脈絡か、突然小田先生が「あれ?『あきすとぜねこ』って何だったっけ?」とか言い出しました。 私には一瞬「空き巣とゼネコン」と聞こえたのですが、「空き巣とゼネコンどちらが『悪』か」といった話ではなさそうですし、アリスト…

「ABC理論」~当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる

先日、凡事徹底について、「当たり前のことを、バカみたいに、きちんとやる」と書いたら、それは違う。「当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる」が正しい、という指摘を受けました。 大差ないじゃないかと思ったのですが、それが大違い、「当たり前…

「言葉遊び」~子どもたちの歓声がとらえた言葉たち

大沢先生のクラスの後ろの黒板に、子どもたちが拾い上げたさまざまな言葉と、その意味が書かれた短冊のような掲示がありました。 ある子は「以心伝心」という言葉に心引かれ、別の子は「取らぬ狸の皮算用」といった言葉を拾い上げてきます。 「ムスカリ」 青…

「三ザル、岩猿、着飾る」~親父ギャグの系譜

教師は世間知らずだと言いますが、テレビを見たり週刊誌を読んだりといった時間も不十分なので、どうしても時代に残されてしまいがちです。 「腐女子」という言葉も、長く普通の「婦女子」だと思い込んでいたので話の辻褄が少しずれたままでしたし、「草食系…

「”お悔やみ申し上げます”と言わざるを得ない日」~悔やみを共有すること

知り合いの16歳の若者が、何の前触れもなく突然亡くなりました。これほど若い人の死に出会うのも初めてなら、それが息子の友だちで、小さな時から成長の様子を見てきた子となればなおさら心が揺れます。しかしこれについては、あとでゆっくりと考えること…

「ひな」~”ひなびた温泉”はあっても”しなびた温泉”はない

雛人形や雛祭りの華やかさから、若い頃「鄙(ひな)」というのは都会のことだと思い込んでいた時期があります。したがって「鄙にも稀な美人」は「都会にもめったにいないような美人」ということで、筋が通っていたのです。 ところが、「鄙」が都会だとすると…

「2009年の年賀状」~子ども向け

今年の子ども向け年賀状です。 ―----------------------------------- あけましておめでとう。 本年もよろしくお願いします。 ウシ[牛:丑]は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科ウシ亜科の動物。4つの胃をもち、一度飲み…

「医者が青くなる」~原因は、柿かトマトかリンゴだったか・・・

先日、職員室で佐藤先生が柿を頬張りながら「『柿が赤くなると医者が青くなる』というからね」と言うと、山中先生が「柿じゃないでしょ、トマトでしょ」と言い始め、少し離れたところでで「りんごじゃなかった?」という声が出ました。 私ははっきりとは言い…

「同漢(?)異義語」~同じ漢字なのに日中で意味の異なる言葉

同じ漢字なのに日中で意味の違う言葉について、職員室で話題になりました。 普通、「手紙=トイレットペーパー」、「愛人=最愛の人(普通は妻や夫)」「麻雀=スズメ」などは定番です。 「愛人」の周辺にはさらにややこしい言葉があって、「娘=母親」「老婆…

「現状回復は絶対にできない」~言葉の誤用について

先日、ある会合で「現状を回復する」という文に出会いました。それは不可能です。「原状(元の状態)」を回復することはできても、「現状(今の状態)」を回復するなど、できるはずがないのです。 大学生の時、「書類が『チョウフク』することがないように」…

「『を』と『は』と『へ』」~日本語で厄介な文字は三つしかない

英語の困難のひとつは、明らかに、文字が26種類しかないことに由来しています。日本語の場合、五十音表に表される45文字以外に、濁音や半濁音などを入れると80以上の表記があり、基本的には日本語の全発音はそれで表現できます。ところが二重母音など…

「油断ならない」~子どもはとんでもない思い違いをしていることがある

昨日のゆずで思い出したことがあります。 昨年7月5日に北朝鮮が軍事ミサイル「テポドン2号」を打ち上げた翌日、女の子が職員室にやってきて、「先生! すごいよねぇ~、北朝鮮、デコポン2号を打ち上げたんでしょ?」 デコポンなんて、そんな平和なものは…

「サンフレッチェ!」~さかーチームの名の由来

「FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2007」の3位決定戦で、浦和ダイヤモンド・レッズが勝利し、世界第3位のクラブチームになりました。サッカーの「サ」の字も分からない人間でも、何となく気分のいいものです。 さて、「ダイヤモンド・レッズ」はダイヤモ…

「今日はマラソン大会」~マラソンと42・195kmの起源

あまりにも当たり前なのでついつい言い忘れてしまうということがあります。マラソンの起源は誰でも知っている話ですが、案外子どもは知らないのかもしれません。そこでもう一度おさらいしてみましょう。 マラソンの名は、紀元前450年、ギリシャのマラトン…

「リンゴ」~なぜ欧米人はこだわるのか

いろいろ調べてみたものの結局分からず、いつか答えに出会うに違いないと思って放りっぱなしにしているテーマがいくつかあります。そのひとつが「リンゴ」です。どなたかご存知の方がおられたら、教えてください。問題は、欧米では、なぜリンゴに特別な地位…

「”天は人の上には人を”は、平等の話ではない」~言葉の誤用

「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」 福沢諭吉の有名な言葉です。これをもって福沢諭吉は平等主義者ということになっていますが、「学問ノススメ」続きを読むと、意外なことが書かれています。 ところがいま、広くこの社会を見渡すと、賢い…

「長い名前の話」~ちょっと思い出したので・・・

日本人でもっとも名前の長いのは、たぶん次の人だと思います(実在の人ではありませんが)。 寿限無、寿限無 、五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 やぶら小路の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガ…

「どんだけ〜」~現代若者言葉の憂鬱

一昨年、娘が中学校3年生で、私がまだ単身赴任を続けていた時期のことです。 受験生の父親として、校内テストや模試があるたびに一応「どうだった?」と聞くのですが、答えはたいていはかばかしくない口調で「ビミョー」。 ああ「いいとも悪いともいえない…

「和顔愛語、先意承問」~教室の定番

「和顔」とは、なごやかな顔、「愛語」とは、やさしい言葉です。善意に満ちたなごやかな笑顔で、愛情のこもったやさしい言葉で相手に接するということです。『大無量寿経』というお経の中に出てくる言葉だそうですが、それに続くのは「先意承問(せんいじょう…

「10組は”じゅっくみ”ではない」~語の誤用

「十」という字は「じゅう」「とう」「じっ」などの読みはありますが「じゅっ」という読みはありません。したがって「十組」は「じゅっくみ」ではなく「じっくみ」、「十手」は「じって」、「十戒」は「じっかい」が正しい読みです.・・・と、児童にはずっと…

「梅雨」~なぜウメなのか?

雨です。 梅の花のシーズンでもないのになぜ梅雨というのか、しょっちゅう気になりながら調べたことがありませんでした。そこで、今日、その気になって調べると・・・ この時期は湿度が高く黴(カビ)が生えやすいことから「黴雨(ばいう)」と呼ばれ、これ…

「花意竹情」~和室に掲げられた扁額の意味

問題:この言葉、校内のある場所に掲げられていますが、どこにあるのでしょう? 答え:和室意味・その他: 宋の詩人・蘇東坡(そとうば)の詩の一説。「かいちくじょう」と読む。 「花のおもむき 竹の風情」ということで 「花は人を惹きつける心を持っており、…

「おはよう」~”会話を始めてもいいよ、ボクはキミと話したいんだ”という合図

昔、何かで読んだ話ですが・・・「ある夏の日、農家に蟄居していた大村益次郎(別の人かもしれない?)のところに、一人の農民が訪れ『暑いですねぇ』と声をかけたところ、大村は『夏とはそういうものだ』と答えて、勉学を続けた」 これは大村の、ものに動じ…

「天才の世界、凡才の世界」~私はかつて100mを13秒2で走り、東大医学部生とテストでトップを争ったことがあるという誤解

長距離には多少の自信はありますが短距離はまるでダメで、小学校の運動会ではいつも第1組か第2組のメンバーでした(遅い順でしたから)。どうも瞬発力というものに難があったようで、走り高跳びもダメ、幅跳びもダメ。 そんな私でも心に秘めた貴重な思い出…

「健全な精神は健全な肉体に宿る」~だったら楽すぎるダロ!

私は生来体質が虚弱で、小学校1・2年生の頃は養護学級にいたくらいです。スポーツも、どれもこれも普通程度にはできましたが特に取り柄はなく、体つきもヒョロヒョロしてましたから(妙な言い方ですが)今でも肉体労働者に対しては屈折した劣等感を持って…

「まず隗(かい)より始めよ」~誤用された故事成語を元の意味に直せ!

公務員の給与削減や綱紀粛正について、最近「まず隗より始めよ」という言葉が盛んに使われています。意味は「何事かをなすときにはまず自分自身が手本を示せ。そうすれば他の者もそれに従うであろう」といったことかと思います。しかしこれはとんでもない話…

「コーンと国立ダイエット図書館」~摩訶不思議な英単語

運動会の駐車場管理のために、PTAがコーンを20個買ってくださいました。 教員になりたての頃、「コーンを持ってきてくれ」といわれてトウモロコシのことしか浮かばず恥をかいた私は、しばらくしてそれについて調べたことがあります。するとコーン(cone)は…

「健全な精神は健全な肉体に宿る」~語の誤用②

私は生来体質が虚弱で、小学校1・2年生の頃は養護学級にいたくらいです。スポーツも、どれもこれも普通程度にはできましたが特に取り柄はなく、体つきもヒョロヒョロしてましたから(妙な言い方ですが)今でも肉体労働者に対しては屈折した劣等感を持って…