言葉

「オバタリアンと宰相不幸社会」~なんか似ているなと思えてきた

かつて「オバタリアン」という言葉が一世を風靡したことがあります。元は堀田かつひこが連載していた4コマ漫画(1988―1998)なのですが、言葉は原作を越えて広がりました。 オバタリアンは相手次第で知ったかぶりと知らんぷりを交互に連発する‥。オバタリア…

「雨ニモ負ケズ」~ワシントン大聖堂に流れた英文の宮沢賢治

14日の朝日新聞に「雨ニモマケズ」ワシントン大聖堂に響く 宗派超え祈り という記事がありました。 世界の主要宗教の代表者が集まり、東日本大震災の被災者のために祈りを捧げる「日本のための祈り」が11日夜、米首都のワシントン大聖堂であった。 同聖…

「文体とは何か」~文体①

あるレストランで、一人の女優が友人にからかわれる。 「結局キミが一流の女優だっていったって、脚本がいいから観衆を泣かせられるのであって、 良い脚本なしに何もできないものさ」 それを聞いた女優はすっと立ち上がり、手元にあったメニューを持ち上げる…

「火中の栗」~言葉の使い方

昨夜のトップニュースはどの局も民主党幹事長に岡田外務大臣の起用が決まったという内容でした。そしてほとんどの局が「岡田外相は『火中の栗を拾った』」というような言い方をしていました。NHKもそう言います。 言葉というのは最初に覚えた印象をなかな…

「語のグローバル化」~言葉は文化の低い方へ流入する

日本は中国の漢字によってたいへんな恩恵を受けています。漢字がなければひらがなもカタカナもなかったわけで、日本で何らかの文字が発明されるまでに、相当な量の文化が失われてしまったはずです。中国には感謝しなければならないところです。 ところで、中…

「言葉の難しさ」~語の誤用の昨今

職員室で、学力の「ほしょう」はなぜ「保障」なのかという話がありました。 「必ず学力をつけます」という意味では「保証」の方がよさそうな気もしたのですが、現実問題として保証しかねる子もいるわけで、ちょっと言葉が強すぎる感じがします。もちろん「補…

「兆の世界」~つかみどころのない数

先週の授業研究会の最中に「動物は体重1kgにつき、1兆個の細胞でできている」とういう話が出てきました。66kgの私は66兆個の細胞からできていることになります。しかしこの「兆」という単位、これがなかなか曲者で、どうにもこうにも感覚的につか…

「野球と数学」~一流の野球選手は計算ができないのか?

今朝の毎日新聞にこんな記事が載っていました。 日本シリーズ 精神力の差、勝敗左右 「ベースボールの90%は精神力。あとの半分は体力」。大リーグ、ヤンキースの名捕手で1950年代の黄金期を支え、監督も務めたヨギ・ベラ氏の言葉だ。多くの含蓄ある名…

「言葉の水生図鑑」~むがく・えんこー・アホロートル

先日の高校生クイズ大会の決勝戦で、対戦した両チームの答えが割れたにもかかわらず両方正解という妙なことがありました。 問題は「ヤツメウナギは何類?」というもので、一方が「ムガク類」と書き、他方が「エンコー類」と書いたのが、どちらも正解だったの…

「ポ・ジ・ティ〜ブ・シンキング♪」~運を引き寄せる私のおまじない

「銀座まるかん」という漢方を中心とした化粧品・健康食品を販売する会社の社長さんは斎藤 一人(さいとう ひとり)という、十年連続で長者番付ベストテン入りした方です(長者番付自体は現在行っていません)。 この人は徹底的なポジティブシンキングの方で…

「あきすとぜねこ」~突然思い出した昭和のこと

昨日のことですが、どういう脈絡か、突然小田先生が「あれ?『あきすとぜねこ』って何だったっけ?」とか言い出しました。 私には一瞬「空き巣とゼネコン」と聞こえたのですが、「空き巣とゼネコンどちらが『悪』か」といった話ではなさそうですし、アリスト…

「ABC理論」~当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる

先日、凡事徹底について、「当たり前のことを、バカみたいに、きちんとやる」と書いたら、それは違う。「当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる」が正しい、という指摘を受けました。 大差ないじゃないかと思ったのですが、それが大違い、「当たり前…

「言葉遊び」~子どもたちの歓声がとらえた言葉たち

大沢先生のクラスの後ろの黒板に、子どもたちが拾い上げたさまざまな言葉と、その意味が書かれた短冊のような掲示がありました。 ある子は「以心伝心」という言葉に心引かれ、別の子は「取らぬ狸の皮算用」といった言葉を拾い上げてきます。 「ムスカリ」 青…

「三ザル、岩猿、着飾る」~親父ギャグの系譜

教師は世間知らずだと言いますが、テレビを見たり週刊誌を読んだりといった時間も不十分なので、どうしても時代に残されてしまいがちです。 「腐女子」という言葉も、長く普通の「婦女子」だと思い込んでいたので話の辻褄が少しずれたままでしたし、「草食系…

「”お悔やみ申し上げます”と言わざるを得ない日」~悔やみを共有すること

知り合いの16歳の若者が、何の前触れもなく突然亡くなりました。これほど若い人の死に出会うのも初めてなら、それが息子の友だちで、小さな時から成長の様子を見てきた子となればなおさら心が揺れます。しかしこれについては、あとでゆっくりと考えること…

「ひな」~”ひなびた温泉”はあっても”しなびた温泉”はない

雛人形や雛祭りの華やかさから、若い頃「鄙(ひな)」というのは都会のことだと思い込んでいた時期があります。したがって「鄙にも稀な美人」は「都会にもめったにいないような美人」ということで、筋が通っていたのです。 ところが、「鄙」が都会だとすると…

「2009年の年賀状」~子ども向け

今年の子ども向け年賀状です。 ―----------------------------------- あけましておめでとう。 本年もよろしくお願いします。 ウシ[牛:丑]は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科ウシ亜科の動物。4つの胃をもち、一度飲み…

「医者が青くなる」~原因は、柿かトマトかリンゴだったか・・・

先日、職員室で佐藤先生が柿を頬張りながら「『柿が赤くなると医者が青くなる』というからね」と言うと、山中先生が「柿じゃないでしょ、トマトでしょ」と言い始め、少し離れたところでで「りんごじゃなかった?」という声が出ました。 私ははっきりとは言い…

「同漢(?)異義語」~同じ漢字なのに日中で意味の異なる言葉

同じ漢字なのに日中で意味の違う言葉について、職員室で話題になりました。 普通、「手紙=トイレットペーパー」、「愛人=最愛の人(普通は妻や夫)」「麻雀=スズメ」などは定番です。 「愛人」の周辺にはさらにややこしい言葉があって、「娘=母親」「老婆…

「現状回復は絶対にできない」~言葉の誤用について

先日、ある会合で「現状を回復する」という文に出会いました。それは不可能です。「原状(元の状態)」を回復することはできても、「現状(今の状態)」を回復するなど、できるはずがないのです。 大学生の時、「書類が『チョウフク』することがないように」…

「『を』と『は』と『へ』」~日本語で厄介な文字は三つしかない

英語の困難のひとつは、明らかに、文字が26種類しかないことに由来しています。日本語の場合、五十音表に表される45文字以外に、濁音や半濁音などを入れると80以上の表記があり、基本的には日本語の全発音はそれで表現できます。ところが二重母音など…

「油断ならない」~子どもはとんでもない思い違いをしていることがある

昨日のゆずで思い出したことがあります。 昨年7月5日に北朝鮮が軍事ミサイル「テポドン2号」を打ち上げた翌日、女の子が職員室にやってきて、「先生! すごいよねぇ~、北朝鮮、デコポン2号を打ち上げたんでしょ?」 デコポンなんて、そんな平和なものは…

「サンフレッチェ!」~さかーチームの名の由来

「FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2007」の3位決定戦で、浦和ダイヤモンド・レッズが勝利し、世界第3位のクラブチームになりました。サッカーの「サ」の字も分からない人間でも、何となく気分のいいものです。 さて、「ダイヤモンド・レッズ」はダイヤモ…

「今日はマラソン大会」~マラソンと42・195kmの起源

あまりにも当たり前なのでついつい言い忘れてしまうということがあります。マラソンの起源は誰でも知っている話ですが、案外子どもは知らないのかもしれません。そこでもう一度おさらいしてみましょう。 マラソンの名は、紀元前450年、ギリシャのマラトン…

「リンゴ」~なぜ欧米人はこだわるのか

いろいろ調べてみたものの結局分からず、いつか答えに出会うに違いないと思って放りっぱなしにしているテーマがいくつかあります。そのひとつが「リンゴ」です。どなたかご存知の方がおられたら、教えてください。問題は、欧米では、なぜリンゴに特別な地位…

「”天は人の上には人を”は、平等の話ではない」~言葉の誤用

「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」 福沢諭吉の有名な言葉です。これをもって福沢諭吉は平等主義者ということになっていますが、「学問ノススメ」続きを読むと、意外なことが書かれています。 ところがいま、広くこの社会を見渡すと、賢い…

「長い名前の話」~ちょっと思い出したので・・・

日本人でもっとも名前の長いのは、たぶん次の人だと思います(実在の人ではありませんが)。 寿限無、寿限無 、五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 やぶら小路の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガ…

「どんだけ〜」~現代若者言葉の憂鬱

一昨年、娘が中学校3年生で、私がまだ単身赴任を続けていた時期のことです。 受験生の父親として、校内テストや模試があるたびに一応「どうだった?」と聞くのですが、答えはたいていはかばかしくない口調で「ビミョー」。 ああ「いいとも悪いともいえない…

「和顔愛語、先意承問」~教室の定番

「和顔」とは、なごやかな顔、「愛語」とは、やさしい言葉です。善意に満ちたなごやかな笑顔で、愛情のこもったやさしい言葉で相手に接するということです。『大無量寿経』というお経の中に出てくる言葉だそうですが、それに続くのは「先意承問(せんいじょう…

「10組は”じゅっくみ”ではない」~語の誤用

「十」という字は「じゅう」「とう」「じっ」などの読みはありますが「じゅっ」という読みはありません。したがって「十組」は「じゅっくみ」ではなく「じっくみ」、「十手」は「じって」、「十戒」は「じっかい」が正しい読みです.・・・と、児童にはずっと…