先日、ある会合で「現状を回復する」という文に出会いました。それは不可能です。
「原状(元の状態)」を回復することはできても、「現状(今の状態)」を回復するなど、できるはずがないのです。
大学生の時、「書類が『チョウフク』することがないように」という説明を聞いて、「重複(じゅうふく)を『チョウフク』と読む変なタツだ」と思ったら向うの方が正しくて、以来、語の誤用については特に敏感(なつもり)になっています。
「侃侃諤諤(かんかんがくがく)」は白熱した議論。「喧々囂々(けんけんごうごう)」は大勢が声を出して喧しい様子で、しばしば非難の時に使います。「けんけんがくがく」というのは誤りです。
独壇場(どくだんじょう)という言葉がありますが、これも独擅場(どくせんじょう)が正しく、ポイントは真ん中の文字が「てへん」だということです。
7組、8組、9組と数えた次のクラスは「じっくみ」であって「じゅっくみ」ではありません。「十」という文字には「じゅう」「とう」「じっ」という読み方がありますが、「じゅっ」という読みはないのです。したがって「十手」は「じって」、「十戒」は「じっかい」が正しい。
以上、私のつまらないこだわりです。