医者が青くなる


  先日、職員室で佐藤先生が柿を頬張りながら「『柿が赤くなると医者が青くなる』というからね」と言うと、山中先生が「柿じゃないでしょ、トマトだろ」と言い始め、少し離れたところでで「りんごじゃなかった?」という声が出ました。

 私ははっきりとは言いませんでしたが、この『諺』臭い雰囲気は明治以前のものだろうから、やはり『柿』じゃないか、と思っていました。

 こういうときにやってみるのが検索エンジンでの調査です。それによると、

「トマト 医者が青くなる」は41,200カウント

「かき 医者が青くなる」は、68,300カウント

「りんご 医者が青くなる」は44、800カウント

になります(Googleですと「かき」と入れると「柿」も拾ってくれますので、別に検索する必要はありません)。

「柿が赤らむと医者が青くなる、サンマが出るとあんまが引込む」

といった、いかにも古そうな諺も出てきますから、一見、柿の勝利! ということになりそうなのですが、「柿」が正解で他が不正解なら「柿」が圧勝するはずです。それがそうならないとしたら、別に理由がなければなりません。

 そこでさらに調べると、こんな答えが出てきました。それは「トマト〜」や「りんご〜」は西洋の諺で、「柿〜」は日本の諺、というものです。「トマト(りんご)を食べると医者が青くなる」は英語では「A tomato (An apple)a day keeps the doctor away」。つまり、日本にあった「柿〜」の諺に、同じ意味の西洋の諺をのせたので、すっかり同じような文になってしまったのです。

 「トマト〜」がもともとイタリアの諺だったらしいというのはほぼ確実です。「りんご〜」については「ドイツの…」といった記述がありましたが、これはややマユツバでした。

 何にしても、調べてみるといろいろ面白いものが出てくるものですね。