ABC理論

 先日、凡事徹底について、「当たり前のことを、バカみたいに、きちんとやる」と書いたら、それは違う。「当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる」が正しい、という指摘を受けました。

 大差ないじゃないかと思ったのですが、それが大違い、「当たり前のことを、バカになって、ちゃんとやる」だと頭文字がABCになるのだそうです。その題名の本が出ています(小宮一慶著・サンマーク出版 2009/4/13) 。

 けっこう売れているらしいのでこれが始まりかと思ったらそうでもなく、経営者の間では10年以上前から有名な言葉らしいのです。しかもバリエーションがいくつかあって、

「当たり前のことを、バカにしないで、ちゃんとやる」がもっとも多いかたち。「バカになって」が対抗、「バカみたいに」が穴馬、といった感じです。

さらにそれが変形して、

「ABCD 当たり前のことを、バカにして、ちゃんと、できない」

「ABCDE 当たり前のことを、バカにして、ちゃんと、できないくせに、偉そうにしている」

なんていうのもあります。ここまで来ると冗談の域に入ってきて本来の分かりやすさや真剣さが薄れてしまいます。

 私自身は、ABCにならなくても、「当たり前のことを、バカみたいに、きちんとやる」が好きです。

「バカみたいに」と「バカになって」は紙一重の表現ですが、「バカになって」にはバカになりきれず一歩引いて見ている「お利口な自分」が見え隠れするような気がするのです。

 また、「ちゃんと」と「きちんと」との差は、後者に隅々まで行き届いた厳しさを感じるといった、きわめて個人的な語感があるからです。

 いずれにしろ、当たり前のことがきちんとできない自分を、恥とする子どもを育てたいものですね。