あまりにも当たり前なのでついつい言い忘れてしまうということがあります。マラソンの起源は誰でも知っている話ですが、案外子どもは知らないのかもしれません。そこでもう一度おさらいしてみましょう。
マラソンの名は、紀元前450年、ギリシャのマラトンに上陸したペルシャ軍を、ギリシャが奇襲によって打ち破った事件に端を発しています(マラトンの戦い)。この勝利を伝えるために、フェイディピデスという兵士がアテネまで走り、城門の前で「我らは勝てり!」と叫んで力尽き、息を引き取ったというのです。この故事をしのんで、1896年にアテネで開かれた第1回オリンピックでは、マラトンからアテネ競技場までの競走が加えられ、これが初のマラソン競走となりました。
当初のマラソンは「スタジアムの外に出る長距離走」といた感じで、距離もまちまちでしたが、第4回ロンドンオリンピックの際の42.195kmが、後に正式な距離として定着します。
この42.195kmにもいわくがあって、最初40kmで競う予定だったのを、時の王女アレクサンドラが、生まれたばかりの赤ん坊に見せたいからとわがままを言い、スタートラインを宮殿のバルコニー前まで引き寄せてしまったそうなのです。その伸びた距離が2.195kmでした。
このときアレクサンドラの胸に抱かれていたのは、現在のエリザベス二世の祖父に当たるジョージ5世です。アレクサンドラがマラソンファンでなかったら、現在のマラソンは40kmだったのかもしれませんね。
今日はマラソン大会。「我らは勝てり!」と叫んだフェイディピデスのような気迫を見せてほしいものです。