親父ギャグの伝説

 教師は世間知らずだと言いますが、テレビを見たり週刊誌を読んだりといった時間も不十分なので、どうしても時代に残されてしまいがちです。

 「腐女子」という言葉も、長く普通の「婦女子」だと思い込んでいたので話の辻褄が少しずれたままでしたし、「草食系男子」にいたっては「装飾系」だと思い込んでナヨナヨと着飾った男の子のことを思い浮かべていましたので、いつまでも噛み合いません。

 もっとも、装飾といえば子どものころ、

「見ざる、言わざる、聞かざる」を

「ミザル、岩猿、着飾る」と思い込み、

 岩みたいなごっつい猿が着飾っている様子を思い浮かべていましたから、同音異義の訊き間違えはそのころからなのかもしれません。

(この話、ミザルが何のことか分からなかったのですが「三猿」という字を見て、「ああこれがミザルだったんだ」と誤解してからさらに混乱は深まりました)。

 日本語はひらがな標記だけで90種類ほど、カタカナを加えるとその2倍、さらに大量の漢字とローマ字標記までありますから文字表現はたいへん豊かですが、発音の方は5つの母音と14の子音という非常に単純な言語です(それに比べると英語は26文字しかないのに12個の母音と24個の子音の組み合わせで、さらに子音+子音+母音と言った複雑な発音もあったりします)。ですから同音異義語はものすごい数になってしまいます。

 話は変わるみたいですが、親父ギャグというのは、そうした日本語の持つ特性の集大成なのです。たいしたものだと自分でも思ったりします。