カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「教養としての長寿祝いと十干十二支(じっかんじゅうにし)」~ちなみに私は古希だそうで・・・

 子どもと孫たちが古希のお祝いをしてくれた。
 しかし「古希」ってどういう意味だったのだろう?
 その他「還暦」やら「喜寿」やら、いくつかある長寿祝いの意味と、
 歴史理解に必要な十干十二支についてーー。
という話。(写真:SuperT)

【また、まんまと引っかかる】

 今年、私が古希だというので娘のシーナと息子のアキュラが祝いの席を設けてくれました。シーナの家族も一緒です。

 なぜ70歳の祝いを「古希」というのかというと「古」という漢字は二つに分けると「十」と「口」。十の縦棒は下に伸ばすのが当たり前ですが、明治の初期に異体字として排された中には二画目を右上に跳ねるものもありました。その形が、かなりこじつけっぽいのですが、漢数字の「七」に似ていたのです。また「0」は漢数字で「零」か「〇」。「口」は「〇」に似ているので「古」が70を表すようになったのです。
 「米寿」の「米」が「八十八」を縦に書いて詰めた形、「卒寿」の「卒」は略字が「卆」で九十と読めるから、それと同じです。
――というガセネタを、私はつい最近まで、まるまる信じていました。

 あとから考えると「米寿」や「卆寿」と同じなら「古寿」でもいいのに「古希」。実は杜甫の詩の一節、
「人生七十、古(いにしえ)より希(まれ)なり」
から来ているというのが正しい由来のようです。

 私はしばしばこうした衒学趣味のガセネタに、易々と引っかかってしまいます(「ガセネタ列伝」~私がまんまと騙された話)。

【長寿祝いの種類】

 長寿の祝いには今あげたほか、

  • ・年を表す十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせ(干支:かんし・えと)が60通りあることに由来する「還暦」
  • 「喜」の字を草書体で書くと「七十七」に見えることに由来する「喜寿
  • 「傘」の略字「八十」を縦に並べたように見えることに由来する「傘寿(さんじゅ)」
  •  「百」の字から「一」を取ると、「白」になることに由来する「白寿」
  •  百歳の祝いである「百寿」

などがあります。

 歴史的なものではありませんが、77歳の祝いも88歳の祝いも99歳もあるのに66歳がないのは寂しいということで、平成14年に日本百貨店協会が定め(儲けようとし)た「緑寿」(りょくじゅ:「リョク・ジュウ・リョク」ということかな?)というのもあるみたいです。百寿を「100年=1世紀」のため、「紀寿(きじゅ)」とも呼ぶのも西暦を使うようになった最近のことでしょう。

 還暦以外は分かりやすい由来です。深く追求するほどのこともありませんが、還暦の元となった「十干十二支(じっかんじゅうにし)」だけは日本史を学ぶ者には是非とも必要な素養ですから、きちんと勉強しておいた方がいいかもしれません。私も一度、簡単にまとめたことがあります。(「還暦ってなんだっけ?」~十干十二支(じっかんじゅうにし)の話

【セレモニー&プレゼント】

 家族が用意してくれたお祝いは、豪華ホテルの昼食会と大きな花束。
 娘夫婦からは日常使いの立派なバッグ、息子からは特注のTシャツ(右の写真)とチョコレートの詰め合わせセット。今回参加できなかったアキュラの配偶者のサーヤからは九州の焼酎や菓子・酒の肴、そのサーヤの実家からも日本酒のお祝いをいただきました。
 4歳の孫2号のイーツからは最近ハマっている紙飛行機を折って一機、孫1号のハーヴからは手紙とその朗読でした。

ジィジへ
70さい、おめでとうございます。
いつもクリスマスや、たん生日の時にプレゼントをおくってくれてありがとうございます。
ジィジのすごいところ、べすと3をはっぴょうします。
一位! ジィジが野さいをそだてているところです。
二位は洗たく物を干すところです。
三位は、ひいばあちゃんのところに会いに行っているところです。
これからもけんこうにすごしてください。
                 ハーヴより

 ありがたいことです。
 確かに私は洗濯物を干しますし、ハーヴの両親は洗濯をしても干すことはありません(ドラム式の全自動洗濯機だから)。ハーヴの目に、洗濯物を干す私の姿はどんな雄姿として映っているのでしょう。
 平均寿命まであと10年。もうしばらく頑張ろうと思いました。
 (あ、洗濯物干しだけではなく、生きることにがんばるという意味です)