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「懇談会で心がけたい三つのこと」~子どもを簡単にスケッチ、言いたいことをすべて言わない、時間通りに

 保護者懇談会が近づいてきて、皆さん、準備に余念のない時期かと思います。

 懇談会というのはいわば、四月に話し合って決めた教育計画の中間決算のようなもので、「この件についてはここまでやって、この程度までできるようになりました、しかしこの点に関してはまだだ不十分なのでこんなやり方で、こんなふうに指導を進め、3学期の終わりまでには達成して上の学年に進めましょう」といった話が主軸となります。

 しかしそうした話の前提として、その子が学校でどんなふうに暮らしているか、簡単に話しておかなければなりません。というのは、私自身の親としての経験からいうと、保護者は驚くほど「学校におけるその子の姿」について知らないからです。私はかなり丁寧に自分の子どもを見る親でしたが、それでも「学校における」となると想像のつかないことがたくさんあるのです。
 そこで保護者懇談の始めは、「学校におけるその子の姿」を簡単にスケッチして見せることからスタートさせます。

 授業中どんな感じなのか、休み時間に誰とどんな遊びをしているのか、本はどのようなものを好むのか、清掃や作業での様子はどうか、そんなことをかいつまんでお話しするのです。その上で家庭での様子を伺います(たいていの場合、こちらの方は予想の範囲を越えていません)。
 続いて、話の本筋に向かいますが、このとき注意しなければならないことは、言いたいことのすべてを言ってしまわないことです。特に、こちらに対応策のない難しい問題は敢えて出さないようにします。
 なぜなら、対応策のない問題を投げ出すというのは、「困っているから何とかしてください」といっているのと同じだからです。少なくとも親はそう受け取ります。
 しかし教育の専門家から投げ出されても、親には受け取る術がありません。結局は不信感を募らせるだけで終わってしまいます。どうせ3月までの短期目標なのですから、できそうなことを2〜3、一緒にやって行きましょう、といった言い方で提示するのです。対応策はできるだけ具体的で、実現可能なものでなくてはなりません。

 もうひとつ注意しなければならないことは、時間通りに終わらせる、ということです。一人にたっぷりと時間をかければその人の信頼はつなぐことができますが、代わりに続く何人かの信頼を失いかねません。たかだか15分か20分のことです。そんな短い時間で重要な話ができるはずがありません。必要なら懇談会を端緒として、何回でも家庭訪問するなり来てもらうなりすればよいのです。時間通り切り上げ、(必要なら別の日の約束をして)、次の人に変わってもらいます。少しもの足りないくらいで切り上げてしまうと、次の会合への意欲もわいてきます。
 まとめ、

  1. その子の学校での姿を簡単にスケッチする。
  2. 言いたいことをすべて言ってしまわない。問題点を示すときは、必ず対応策を与える。
  3. 時間通り終わらせる。

 以上が私の、懇談会で心がけたい三つのこと、です。