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「愛情貯金のこと」~いざというときの大型支出(葛藤・対立)に備える

 懇談会の中で、祖父母に子どもを任せ、ほとんど会っていない親御さんがいることがわかって職員室で話題になりました。そのとき滝田先生が「この借金、いつ返せるのかな」とポツリとおっしゃいます。
 今、当然払うべき愛情を支払わなければ、将来膨大な借金として返済しなければならないことをよくご存知だからです。

 非行というかたちか、引きこもりというかたちか、よもや自殺までは考えなくてもいいでしょうが、とにかくこのままで終わらないのは確実です。
 愛情貯金という考え方は、子育てのあり方をうまく説明してくれます。

 私たちは子育てをしながら子どもの心の中にたくさんの愛情を貯金として積み立てます。子どもが小さなころは本気に対決するような内容がありませんから、かけた愛情はほとんどが貯蓄に回されます。しかし大きくなるとそうは行きません。時には怒鳴り、対決し、戦わなければならないときが出てくるのです。互いに傷つけ痛めつけあうそんな瞬間です。そのとき積み立てられた愛情貯金の一部が一気に吐き出されます。

 100万円にも200万円にもたとえられるような、大きな放出が行われることもありますから、それで貯蓄がゼロになるようでは話になりません。親子関係は破綻し、二度と教育はできなくなります。
 そもそも最初から200万円程度の貯金しかないとなれば、限度額を超えないよう常に小出しにしか怒れなかったはずです。それも中途半端で、意味のないものです。
 2000万、3000万といった貯蓄のある人は違います。そういう人にとって100万、200万は苦もなく取り崩せる金額です。不安なく、十分に叱ることができます。多少のことでは揺らぎません。
 愛情貯金というのはそういうものです。逆に言えば、いざというときに心置きなく怒れるよう、その日のために巨大な貯蓄をしておくのが愛情貯金の本来あるべき姿なのです。

 最初に例にあげた親御さん、もちろん積み立てる愛情がゼロだとは言いません。しかし私たちは日常的に愛情貯金から持ち出しをしてしまいますから、少々の積み立てではすぐにゼロになってしまうのです。

 それにしてもあの子、本当に大丈夫でしょうか?