拙速大事

 宿題でも何でも「とにかくやりました」みたいないい加減なものを次々と出してくる子がいます。こちらもいい加減イラついて「オマエ、やりゃあいいってモンじゃないよ」と指導するのですが、そんな子に限って、やけに生きが良かったり活力があったりする場合が少なくありません。学問や知識で身を立てていくならともかく、そうでないならむしろ、そんな生きの良さの方を大切にした方がいいのではないかと思わせるような子たちです。

「巧遅は拙速に如かず(こうちはせっそくにしかず」という言葉があるそうです。「できあがりがいくら立派でも遅いのは、できがまずくても速いのに及ばない」という意味で、出典は孫子だすおうです。

 私は、十数年前に「拙速大事」という言葉でこの概念を教わりました。これだけ忙しいと、一つひとつを丁寧にやっていたら仕事が回っていかないのです。とりあえず速く行って、時間が余ればやり直せばいいのです。

 あのいい加減な子どもたちを見習い、いつかとりあえず「あの人は内容はともかく、圧倒的に仕事は速いよな」と言われるまでになりたい、そう思いながら十数年、なかなか難しいことではありますね。