2007-01-01から1年間の記事一覧
DVDを借りてきて「武士の一分(いちぶん)」を見ました。 「一分」というのは辞書によれば「面目」「体裁」のことだそうです。この場合は「面目」の方がいいでしょう。 主人公の盲目の武士は、目が見えなくとも、殺されると分かっていても、仇を討たない…
親の育て方と無関係に、「最初から育てにくい子」というものが世の中に存在する、このことは案外意識されていません。 正確な数字ではありませんし日本の研究でもありませんが、確かアメリカでは2~3割の赤ん坊が「育てるのが難しい子」と分類されていたよ…
10年ほど以前、日本の子どもは知識ばかりで(学力が足りないといわれる今とは雲泥の差だ)議論となるとまるでできない、とかで、盛んにディベート学習といったものが行われました。しかしその後、あっという間に廃れてしまいました。「ああ言えば上祐」と…
葬式ごっこで有名な富士見中学校いじめ自殺事件が1986年です。 現職の教員が葬式ごっこに加担していたことで、学校批判はピークに達しました。 本当はこのとき、葬式ごっこという不見識なゲームに教員が唯々諾々と巻き込まれていくシステムについて検証…
教員になったばかりのころ、先輩からもらったアドバイス、「中学校では、とにかく女の子を育てなさい。 女の子さえまじめで頑張り屋に育てておけば、男の子はすぐにピシッとしてしまう。 女の子が不真面目で『チンピラみたいたいな男の子がいい』と言えば、…
昔、ヨーロッパから見るとウラル山脈の向こう側は未開の地、未知の大地でした。そこをロシアと言います。ロシアの東はずれがどこなのか、たいていの人は知りません。 この巨大大陸は、ユーロとロシアから成り立っていましたから、ユーロ・ロシア。そこからユ…
日本人でもっとも名前の長いのは、たぶん次の人だと思います(実在の人ではありませんが)。 寿限無、寿限無 、五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 やぶら小路の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガ…
一昨年、娘が中学校3年生で、私がまだ単身赴任を続けていた時期のことです。 受験生の父親として、校内テストや模試があるたびに一応「どうだった?」と聞くのですが、答えはたいていはかばかしくない口調で「ビミョー」。 ああ「いいとも悪いともいえない…
太宰治がどこかで「三歳児とじっくりつき合える男こそ一人前の男である」みたいなことを言っていました。 私はそれを読んだ当時、子どもと果てしなく遊べるのは子どもだけだと思っていましたし、太宰はとても子どもっぽい人なので、自分のことを「これこそ大…
私は心理学を信じません。信じるとしたら、世の中の心理学者、カウンセラーが不登校や引きこもりの子の80%以上を、一ヶ月以内に直せるようになったときです。 不登校が治るというのはとても簡単な概念です。それは「不登校の子が、生き生きと学校に通うよ…
半年ほど前、教育再生会議が「特別教員免許を持った教員のための採用枠を20%~50%用意する」といった提案をしていましたが、あれはどうなったのでしょう? とても気になるところです。 ここ10年以上に渡って、教員採用は非常に限られた人数の中で行…
【教育のベースが違うものを比較することにどういう意味があるのか】 学力の国際比較について言えば、私は大きく三つの問題点があると思います。 ひとつは教育のベースが違うものを比較することにどういう意味があるのか、ということです。 例えば、日本は世…
よく「子どもの将来を親が決めてはいけない」といったりしますが、そのために横峰さくらの父親や宮里藍の父親が世間の非難の集中砲火を浴びたという話は聞いたことがありません。五嶋みどり・龍という世界的バイオリニストだって、木村拓哉を始めとするジャ…
私はすべての教育談義が事実の検証を前提としないことが不思議で仕方ありません。 例えば、学力問題でも、本当に学力が落ちているのか、落ちているとしたらそれは教師の指導力低下のせいか、といったことは一切検証されません。 不登校について言えば、それ…
今の子どものもっとも心配な点は、人間関係のやりくりがとても下手になったという点にあるように感じています。 理不尽に耐えるとか、小異を捨てて大同につくとか、しばしば長いものに巻かれるとか、二つ譲って三つ通すとか、場の空気を読むとか、あるいはま…
公平に見て、私はそんなにダメな教師ではないと思います。しかし、真面目に本気でスーパーティーチャーを名乗っていいほど優秀でないことも、よく承知しています。 よくある普通の教員ですが、経験の長い分、平均よりはもう少し良い仕事ができているのかもし…
私は反エコロジストではないのですが、あまり繰り返し正義を押し付けられると、天邪鬼の虫がムクムクと目を覚まします。 昔から思っていたことは、地球の温暖化が進むとシベリアが穀倉地帯になるといったことはないのか、ということです。カナダの内陸部もか…
子どもに勉強をさせ成績を上げるには、作戦と方策が必要になります。例えば苦手科目克服と言ったりしますが、それが向く子とそうでない子がいます。苦手科目克服が成績アップにつながらない場合もあるのです。 煩雑を避けるために3科目だけで考えますが、3…
文明というのはもともと人間が自分でやっていたことを機械や社会システムにやってもらおうとするものです。したがって文明人は機械や社会システムに対してどんどん依存的になって行きます。依存的であるということは子ども的であるということですから、現代…
「和顔」とは、なごやかな顔、「愛語」とは、やさしい言葉です。善意に満ちたなごやかな笑顔で、愛情のこもったやさしい言葉で相手に接するということです。『大無量寿経』というお経の中に出てくる言葉だそうですが、それに続くのは「先意承問(せんいじょう…
秋田に竿灯という、たくさんの提灯をつけた竿を立てるお祭りがあります。 私はあんなふうに手や肩の上に棒を立てるのが得意です。アゴでも額でもできます。棒状のものでなくても、椅子でも机でも、ある程度の大きさと適度な重さのものなら何でも立てることが…
同じく教員をやっている妻の、小学校の時の教え子が東大に入りました。 私は、教科担任も含めると数百人の生徒を教えてきましたが東大生になったという話はとんと聞きませんので、どうしたら教え子から東大生を生み出せるか、あわよくばウチの子も、と研究を…
夏高温多湿で学習になじまない日本はもともと夏休みを必要とする環境がありました。また古くから薮入り(正月とお盆は仕事を休んで実家に帰る)という習慣があったのでその意味でも、夏休みは取りやすい雰囲気があったようです。 今年の場合、本校も夏休みが…
一方で学習指導要領で全国均一の教育を保障しながら、他方で各校「特色ある学校づくり」を進めよ、ということが良く分かりませんでした。 極端に言えば「ウチの学校は学力はぜんぜんダメだが、県内のあらゆるスポーツ大会で賞を取ってます」とか「ウチではと…
先日のサッカー・アジアカップ、オーストラリア戦。 ひとり足りない相手に結局PK戦というストレスの多い試合でした。しかしがそもそもサッカーというスポーツ自体がストレスフルなもので、選手がやたら髪を染めたり刺青をしたりサポーターが荒れるのも、そ…
「十」という字は「じゅう」「とう」「じっ」などの読みはありますが「じゅっ」という読みはありません。したがって「十組」は「じゅっくみ」ではなく「じっくみ」、「十手」は「じって」、「十戒」は「じっかい」が正しい読みです.・・・と、児童にはずっと…
金曜日はご苦労様でした。 さあ二次会だと思ったらもう9時過ぎで、このまま飲んだら明日は出勤できない・・・(土曜日は研修センターの研修がありましたので)。朝、事故でも起こして呼気にわずかでもアルコールが残っていたらアウト。少なくない退職金と教…
アジサイもそろそろ見ごろを終えます。 アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科 アジサイ属の植物の総称。学名はHydrangea、「水の容器」という意味だそうです。原産地は日本。原産種はいわゆるガクアジサイで、私たちが見慣れているボール状のものは改良したセイ…
昔、富岡の製糸工場(明治時代最初に創られた官営製糸工場)について調べていたとき、和田英という人に出会いました。「富岡日記」という本を書いた人です。 この人はまた「我母之躾」という記録を残していますが、幕末の高級な(といっても生活はたいしたこ…
3年前に続き、中越で大きな地震がありました。 食品会社やコンビニチェーンを中心に、企業の援助物資が大量に届いています。前回の経験もあって、物資を送る前に必要なものをどれだけ送るかといったリサーチが行き届き、追加の援助もうまく行っているようで…