カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2007-01-01から1年間の記事一覧

「さて、と、10月1日です」~年度の後半の始まり

予告した通り、昨日で平成19年度の前半が終わり、今日から後半が始まります。 いくら何でも半年もたてば、1年生は1年生らしく、2年生は2年生らしくなっていなくてはなりません。もう一度、それぞれの学年にふさわしいあり方とは何かを考えさせ、その域…

「さまざまな表現者たち」~ものを言う人・言わぬ人、言いたくない人、翻訳の必要な人

教員同士の会合でしばしば司会を頼まれます。最初の頃はそれが辛くて辛くて本当に切なかったのですが、あるときから突然気が楽になり、苦にならなくなりました。それは参会者の99%までが、言うべき何事かをもっていると確信するようになったからです。教…

「成績を伸ばす子」~けなげで、ひたむきな、素直な子

教員を長年続けているうちに、成績を伸ばす子というものに類型があることが分かってきます。 まず全員が確実に言うことは「努力できる子」です。これはもう当然でしょう。その後が多少違ってきます。 ある人は「明るい子・(人の話を)よく聞ける子・素直な…

「クレーマー・クレーマー」~苦情を言う人をクレーマーにしない(協力者にする)

連休中に「となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術」という本を読みました。著者はデパートの「お客様相談室」(という名前の苦情処理係)に長年勤務した関根眞一という人です。 この本でもっとも学んだことは次の2点でした。 まずは「苦情を言う人…

「運動会」~晴れましたが暑そうです

とにかく晴れはしましたが、暑くなりそうな天気です。朝から薄い汗をかいて目が醒めるような暑さです。子どもたちの健康に気をつけながら、がんばりましょう。 降水確率 0% 予想最高気温 32℃ 昨日が34℃でしたから、多少楽かもしれません。*日本で最初…

「明日は運動会」~子どもの耳に吹き込んでおきたいこと

明日は運動会です。気になる子どもの耳に、今のうちに魔法の薬を注ぎ込んでおきましょう。それはたとえばこんなものです。 「お父さんやお母さんが一生懸命見ている前で、明日は一番になろう! かけっこはムリでも、体操やダンスで誰よりもカッコよくきちん…

「徂徠訓」~現代にも通じる儒学の教え

江戸時代の儒学者古文辞学派の荻生徂徠には上に立つ者の教えとして「徂徠訓」と呼ばれる一連の文書があります。 人の長所を始めから知ろうとしてはいけない。人を用いて始めて長所が現れるものである。 人はその長所のみをとればよい。短所を知る必要はない…

「探しています。道徳の教材」~列車の中で騒ぐ人たちに車掌が言ったひとことの話

ずいぶん昔に使った道徳の教材を探しています。 それは長距離の電車の車内でにぎやかに騒いでいる一団に対して車掌が注意を促す、といった話しでした。車掌さんの話の大意は、「この電車にはさまざまな人が乗っています。疲れてやっと電車に乗り、ごくわずか…

「問題解決のための『二つと三つ』の二つ」~悩んだら思い出してください

なんだか禅問答みたいな表題ですが、昔、誰かに教わった問題解決のための2種類の考え方「二つ」と「三つ」を励行しています。 まず一つ目の「問題解決のための二つ」ですが、これは何かに行き詰ったら、①それまでやってきた方法を180度転換するか、②それ…

「集団の美」~そういう美しさも大切だと子どもたちに伝えたい

人は何も目立たなければならないというわけでも、誉められなければならないというわけでもありません。 全国には何百万人もの無名氏がいて、その中には「絶対に人前で誉められたくない」、「素人に『すごい』なんて言われたくない」と、かたくなに無名を守っ…

「なにか変ではありませんか?」~本質より些末が大事な社会

角界で朝青龍がプッツンしたかと思ったら、政界で安倍総理がキレてしまいました。相次ぐトップの失墜に、呆然とするばかりです。 安倍総理の政策、特に教育政策には非常に不満がありましたが、そうした政策論ではなく、政治家事務所が1円単位の会計処理がで…

「日本企業の実力」〜大人になって働くようになればきっと楽しいことがあるに違いないというお話

今年7月16日に発生した中越沖地震の際、リケンという私たちにはなじみのない企業が被災し、しばらく生産がストップしました。これだけなら単なる地方の一企業の事件なのですが、二日としないうちに、トヨタ自動車をはじめとする自動車メーカーが次々と操…

「9・11から6年」~子どもたちに伝えたいこと

今日、9月11日は「アメリカ同時多発テロ」の6周年に当たります。 21世紀の最初の年(2001年)に起きたこの事件を境に、世界はまったく違ったものとなってしまいました。1991年のソ連崩壊から10年、アメリカが一人勝ちを謳歌していた時代から…

「信念をもってがんばろう!」~日本人の徳性は私たちが育てているのだ

先週、高校2年生になったかつての教え子が、久しぶりに連絡をくれました。この夏休み、イギリスで開かれたボーイスカウト100周年記念大会(世界ジャンボリー)に参加して来たと言うのです。 初めての海外で驚いたことがたくさんあったようですが、そのひ…

「台風、無事通り過ぎました」~台風の名前と左巻きの理由

一昨年の「カトリーナ」のお陰で、ハリケーンに名前のついていることは、子どもたちも知るところとなりました。ハリケーンは、かつてはすべて女性の名でしたが、これは「気まぐれで荒れ狂う」といった偏見(本当に偏見か?)が生み出した習慣でしょう。しか…

「なぜ、できないのか?」~私は怒っています!

急ぎのコピーがあって「自動原稿送り装置」を通そうとするのだが、通らない。何度やってもエラーになる。仕方ないのでユニットを持ち上げて、ガラス面に直接おこうとしたらそこに置きっぱなしになっている「コピー原稿版 繰り返し漢字ドリル」・・・。 忙し…

「グリーン・ライフ」~難しいことですが、教室を緑に

初めて買った植物の鉢。冬の厳寒期に「このまま水をやると土の中で凍って可愛そうじゃないか」と考え、お湯をかけて結局枯らしてしまったのは私です。もう30歳を過ぎていました。 ぜひぜひ、こうした人間は育てないようにしましょう。 ウチの学校は職員室…

「”天は人の上には人を”は、平等の話ではない」~言葉の誤用

「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」 福沢諭吉の有名な言葉です。これをもって福沢諭吉は平等主義者ということになっていますが、「学問ノススメ」続きを読むと、意外なことが書かれています。 ところがいま、広くこの社会を見渡すと、賢い…

「9月になりました」~今月末が年度の折り返しです

毎年9月末の30日になると、私は児童にこういう話をしました。「昨日9月29日と今日30日の間は単なる1日だけど、今日と明日10月1日との間は特別な一日なんだ。分かるかい? そう、今日で1年間の半分が終わり、明日からは後ろ半分が始まってしまう…

「子どもは階段を上る」~子どもはしばしば停滞する

私はダメでしたが、英会話の堪能な人に聞くと、日常会話のリスニングは「ある日突然、、できるようになる」のだそうです。「アラ、私、分かるじゃん」と、そんな感じらしいのです。 長年付き合ってくると分かるのですが、子どもの成長は身長がそうであるよう…

「昨日の答え・・・」~月はどっちに出ているの?

昨日の月の問題 太陽は夏高く、冬低い、これは誰でも知っていますが、月はどうでしょう? 答えは「②太陽とは逆で,夏低く,冬高い」でした。 この問題は、西林克彦 著「間違いだらけの学習論〜なぜ勉強が身につかないか」(新曜社 1994)の中にあったもので…

「見えていないものを見せる」~見ているようで案外見ていない子どもたちに

まだ私が運転免許取りたてのころですから、大昔のことです。 ひとりで丘陵の田園地帯をドライブしていたところ、小さな集落の近くで、一団の子どもたちが遊んでいるのに合いました。道路の真ん中で全員が顔を寄せ、何かを覗き込んでいるのです。クラクション…

「見る目の育て方」~道徳的な善い行いばかりを見てきた子の目に、悪徳は吐き気を伴って映る

織田先生はしばしば、東京まで出かけ、一流の美術展などを見てこられるようです。素養・教養という点で見習いたいところです。 しかしそうは言っても、ミロだのマチスだのピカソだのといったわけの分からない絵を見に行くのは、なかなかしんどいことです。で…

「新しい学期が始まります」~今日からがんばろうという子たちが、たくさんいます

民間の不登校支援の専門家である富田富士也は、子どもたちが気持ちを切り替え、もう一度やり直そうとするチャンスは5回あるといいます。 3回の新学期、誕生日、そして節分です(節分というのはちょっと意外ですが「豆をまき、邪を払ってやり直し」というこ…

「結局、何がいいのか分からない」~子どものためにしたことの当たりはずれ

【第一話】 読み聞かせが好きで、二人の子どもにはそれぞれ2歳のころから、小学校の5年生になるまで、毎晩必ず布団の中で本の読み聞かせをしていました。 その結果、姉の方は大変な読書家になり、最近は東野圭吾に傾倒して、受験勉強の合間にもせっせと読…

「あれは、どうなんだろう・・・」~普通の親は、家族のために意にそわぬ仕事に耐えているだけなのか

テレビドラマなんかを見てると、「お父さんはお前たちのために必死にがんばってるんだ!」といった台詞の出てくることがありますが、あれというのはどうなのでしょう? 意に沿わない仕事を家族のために必死に耐えているというのが、世の中のお父さんの一般的…

「教員採用試験特別免許枠の話」~教育原理や児童心理を学ばなくても、教科の専門知識があれば教師になれる

教員の特別免許というのは、正規の教員養成カリキュラムを経ないまま、理科や社会科の専門知識・技能を持っているという理由で渡される免許です。 もともとは高校の看護科に看護師を教員として迎え入れたり、農業科に農業指導員を、工業科にその筋の専門家を…

「暑いですね」~3コンセットのない学校で、子どもがいつまで耐えられるのか

長く暑い一週間がようやく終わります。さすがに昨晩は家に帰るとバタン・キュー(←これも死語かな?)で、今朝も起きられませんでした。 今週は主として電力需給の関係から「クールビズを徹底し、室温を28度程度に上げて・・・」などというふざけた話が繰…

「雨ニモアテズ 風ニモアテズ」~このごろ巷(ちまた)に流行るもの

この一ヶ月あまり、ネットの世界では「雨ニモアテズ」という宮沢賢治のパロディが流行しています。 7月12日付の産経新聞で紹介されたのだそうですが、作者は不詳。どこかの校長先生だという話です。 雨にもあてず 風にもあてず 雪にも 夏の暑さにもあてず…

「路上生活者にもなれない」~とにかく子どもを集団の中で育てる

私が会った最初の不登校の子は小学校3年生の女の子でした。1978年の春のことだったと思います。 幼稚園の途中から登園しなくなり、学校も数日行っただけで、あとは毎日、公園で年下の子と遊んでいると、そんな話だったように記憶しています。 勉強をま…