カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「中越沖地震」~災害からもたらされるもの

 3年前に続き、中越で大きな地震がありました。

 食品会社やコンビニチェーンを中心に、企業の援助物資が大量に届いています。前回の経験もあって、物資を送る前に必要なものをどれだけ送るかといったリサーチが行き届き、追加の援助もうまく行っているようです。

 企業イメージをあげるといったビジネス上の目論見があるにしても、全体としては非常に善意の感じられる活動で、私たちもこうした企業を覚えておき、商品をより多く買うことでその企業を応援していく必要があるでしょう。そうしないと企業の暴走をコントロールすることもできません。

 個人商店についても、あるコンビニの店主が取材に対して「日ごろ住民の方にお世話になっているので、できるだけ店を開いてお役に立ちたい」と言っていましたが、これを聞いて「災害にかこつけて儲けようとしている」と思う人はいないでしょう。素直に聞ける言葉です。まだまだ日本も棄てたものではありません。

 12年前の阪神大震災では、あれほどの被害があったにも関わらず一件の略奪事件もなかったことで世界を驚かせました。日本では当たり前のことが世界では当たり前ではありません。その日本人を驚かせたのは、あの、公共心も善意も根性もまるで感じられないような若者たちが、生き生きとボランティア活動を始めたことです。またあの時期、阪神地方では不登校が極端に減りもしました。

 人間は他人の役に立ってこそ人間なのです。必要とされアテにされればいくらでも働きます。「キミはいるだけでいいんだよ」だけではなく、何か役を持ち、何か頼りにされること、それが大切なんだと、そんなことを思わされたできごとでした。
 ただし日常の生活の中で、子どもにそうした役を担わせることには、なかなか難しい問題があります。そもそも普通のサラリーマン家庭には子どもにできるような大した仕事がなかったりしますから。