連休中に「となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術」という本を読みました。著者はデパートの「お客様相談室」(という名前の苦情処理係)に長年勤務した関根眞一という人です。
この本でもっとも学んだことは次の2点でした。
まずは「苦情を言う人」をクレーマーにしてはいけないとういうことです。本著の中での著者の定義では、クレーマーというのは「快楽として『困らせよう』としている人、大きく常識を逸脱し、度を超えて意見する人、詐欺行為に近い行動で金品をもとめる人のことです。それに対して『苦情を言う人』というのは、まさに苦情を言うだけの人であって、その中には提案としてありがたくいただけるものや、企業や行政などにとって諌めになるものも存在します。
しかし、その苦情を言う人の取り扱いを誤ると、無用にクレーマーを育てることになってしまいます。
学んだことの第2は、お客様相談室の最終目標はクレーマーを引き下がらせることではなく、「よいお客様として、その後も来店し続けていただけけること」だということです。学校で言えばさしずめ「最大の協力者となっていただく」ということでしょうか。
薄い本(中公新書 198ページ)ですが、なかなか読み応えのある本でした。ちなみに「第3章 クレーム対応の技法」の表題は以下のようなものです。
【基本的対応】
- 非があれば、真撃な態度で謝罪をする
- お客様の申し出は、感情を抑え素直に聞く
- 正確にメモを取る
- 説明は、慌てず冷静に考えてする
- 現場を確認する
- 対応は迅速にする
- 一般の苦情客を、クレーマーに仕立てない
- 苦情対応は平等に