カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「見えていないものを見せる」~見ているようで案外見ていない子どもたちに

 まだ私が運転免許取りたてのころですから、大昔のことです。

 ひとりで丘陵の田園地帯をドライブしていたところ、小さな集落の近くで、一団の子どもたちが遊んでいるのに合いました。道路の真ん中で全員が顔を寄せ、何かを覗き込んでいるのです。クラクションを鳴らして驚かせるのも気が進みませんし、急いでいるわけでもなかったので、20メートルほど近くまでよってから車を停め、子どもたちが気づいて道を空けてくれるのを待ちました。

 と、その時、みんなで見ていたものに何かが起こったらく、子どもたちは「ワッ」と叫ぶとクモの子を散らすように八方に走り去ったのです。もちろんそのうちの一部は私の方に向かってきたのですが、さらにそのうちのひとりはまっすぐ前を向いて、こちらに走って来、そして私の車に・・・ぶつかりました。
 私はびっくりしました。子どもたちはまったく見ていないのです。

 5年生の教室の廊下に(子どもたちがむやみに走らないようにという意味もあるのでしょうか)、机がいくつか置かれ鉢植えの花が飾ってあります。子どもたちは自然に避けて動いていますが、もしかしたら花のあることに気づいていないのかもしれません。気づいても、美しいなあとか可愛いなあといった感慨を持って眺める子はそれほど多くはないでしょう。
「廊下に可愛い花があるね」といった一言があるだけで、改めて、しげしげと花を愛でる子はいるのかもしれません。

 ところで、私たちはしっかりものを見ているでしょうか?
 私は見逃してしまいましたが、昨夜は皆既月食でした。そこで問題。
 太陽は夏高く、冬低い、これは誰でも知っていますが、月はどうでしょう?
  ①月も太陽と同じで、夏高く、冬低い。
  ②太陽とは逆で,夏低く,冬高い。
  ③季節に変わりなく、同じコースをたどる。
  ④季節に変わりなく、満月は高く、新月周辺(三日月など)は低い
 さて、どれかな?