カイト・カフェ

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「県名を懸命に覚える」①

 ひところ、社会科で年号や地名を覚えるのはナンセンスだと流布され、ほとんど勉強しなかった時期があります。知識偏重が蛇蝎のごとく嫌われたころです。しかしどんなものでしょう。年号も地名も、覚えておくとかなり役に立つものです。例えば、
 私は歴史上の有名人で生年・没年を両方言えるのはシェークスピアだけです。ヒトゴロシ(1564年)に生まれてイロイロ(1616年)やって死んだからです。
 ところで1616年は日本では元和偃武 【げんなえんぶ(1615):大坂冬の陣が終わって応仁の乱以来の戦乱が完全に終了した】の次の年に当たります。
 今のところそれが何の役に立つかわかりませんが、徳川家康シェークスピアが同じ時代の人間だと分かっていることは、世界を立体的に見る上でとても重要なことのように思うのです。

 さて、小学校4年生は今ちょうど都道府県名を懸命に覚えているところです。なかなか現実感のないテーマなので苦労も少なくありません。しかし覚えておいて損はないし、意外なところで決定的に役に立つかもしれません。がんばって勉強してほしいものです。

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 ところでこれに関して右の図、何を表していると思いますか? ずいぶん昔に見たクイズ番組の問題ですが答えは「東北六県」。これなど、子どもが誰かに繰り返しなぞなぞを出すだけで覚えてしまいそうです。

 県名を覚えさせることには日本中の先生たちも苦労しているみたいで、昔からさまざまな戯れ歌やダジャレが残っています。古いところでは「鉄砲かついで鳥取県」「すべって転んで大分県」、最近では「この問題は熊も解けん(熊本県)」といった類です。
 以下、私のオリジナルも含めて・・・

「すぐに嫌(や)になる飽きた県」

「やたらと自慢のミエ県」

「あとから苗字の名が先県」

「すぐに驚くギフッ県」

「おすしに巻くのは青ノリ県」

「老人医療で福祉負けん」

「何でも教えるコーチ!」

「トゲがあるからイバラ危険()」

「魚が動いてホッケ移動」

「ひらがななのに、静夫書けん」

「ヒロシは強い!ヒロシ負けん」

「今夜のおかずは?今日トーフ」

「『気をつけよう、車は急にとまれない』ひょう語!」

「ちっちゃい輪!おっきな輪」

 だからどうということはありませんが、とりあえずそういう名の都道府県がある、ということを覚えるのには役に立ちそうです。

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  ところで、「すべって転んで大分県」ですが、白地図で見てみると大分県はほんとうにすべって転んでいます。 国東半島が頭、日田市付近が手、竹田市付近がお尻と、みごとに両足を揚げて滑り転んでいます。

(この稿、続く)


 

 *「茨城県」を「いばらぎ」と発音する人はけっこうたくさんいます。しかし正しくは「いばらき」。「き」は濁りません。「いばら危険」はその点でも意味ある覚え方です。ちなみに大阪府茨木市のほうは「いばらぎ」と濁ります。案外、気のつかないところです。
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と書いたらさっそくコメント欄に「茨木市も濁りません」と市のURLつきでご指摘がありました。その通りでした。
 記憶というのはいい加減なものです。しかも確認のために「いばらし」と打って検索にかけたらGoogleは優秀で、検索ワードが多少間違っていてもきちんと「茨木市」を拾いだしてくれるのです。
 勉強になりました。ありがとうございます。