カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2012-01-01から1年間の記事一覧

「もうだめかもしれない」~人々が気分で学校をいじり続けている

こんなことが長く続くはずはないと思い始めてもうずいぶんになりますが、教育問題を気分で分析するといいう風潮は何とかならないものでしょうか。例えばここ十年来言われてきた“学生の理科離れは学校教育のせいだ”といった言い方は、もうそれ自体が“理科離れ…

「来てます、来てます」~近づいてきた老化の兆し

学校帰りの長い道中を翌朝の「デイ・バイ・デイ」を考えながら帰るのが常です(運転しながら考え事をするというのも、あまりほめられたものではありませんが)。30分少々の帰宅時間内に、おおよその構想ができる場合もあれば、何を書こうという見通しも全…

「台風一過と衣替え」~子どもたちに教えてあげよう

「台風一過というのはこういうことなんだよ」って、空の色、空気の爽やかさも合わせて確認しておきましょう。 私が台風一過で思いだすのは枕草子の「野分けのまたの日」(第二百段)です。『野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。立蔀、透垣など…

「死戦期呼吸」~その子はいま、心停止なのに深呼吸をしている

昨日の朝のニュースで見たのですが・・・、 昨年の9月29日、埼玉県さいたま市の市立小学校で駅伝の練習中に11歳の女児が倒れ、救急車で搬送されたものの翌日死亡が確認されるという事故がありました。このとき問題となったのは救急車が到着した際すでに…

「折り返し」~間もなく年度の後半に向かいます

毎年同じことを書く季節ネタです。 今月は月末が土日ですので明日28日が学校としての9月の最終日です。次に登校する月曜日は10月1日で、わずか三日の差ですが、非常に意味ある三日間です。というのは9月末日は年度の折り返し点だからです。9月30日…

「毅然」~”いじめに対して、教師は毅然とした態度で臨め”って、どうすりゃいいんだ?

「いじめに対して、教師は絶対に許さないという毅然とした態度で臨むべきだ」という言い方があります。私はこれがよく分かりません。 とりあえずそれはさておき、 8月15日に香港の活動家14人が尖閣諸島の魚釣島に上陸したとき、識者・評論家・政治家・…

「反抗期は終わった」~少なくとも第二次反抗期は、この世からなくなった

「たかじんのそこまで言って委員会」に最近レギュラー入りした津川雅彦さんは、二言目には「日教組が日本の教育をダメにした」といったことをおっしゃいます。しかし日教組は今や組織率26.2%。学習指導要領を無視して日本の教育を大きく動かす力など、良…

「教師なんてロクなものじゃない」~自分の子を殺す気か!と言われた話

まだ息子が1歳前後の頃のことです。 週の終わりごろ、急な熱を出してまだ赤ん坊の息子は保育園から帰されてきました。しかたがないので妻が午後休みを取り、病院に行って風邪と下熱の薬を処方され帰ってきました。 ところが土曜日の夕方になっても、熱は下…

「教師はサービス業か」~まずノーと答えよう

「教師はサービス業か」と聞かれたら迷わずノーと言わねばなりません。百歩譲って「農林水産業でも鉱工業でもない」という意味では「サービス業」かもしれませんが、それ以上ではありません。なぜならサービス業とは「サービスを提供することによって対価を…

「衝動買い列伝」~私がヤッチマッタこと

洋服なんてほとんど買わないし、ウインドウショッピングもしないので衝動買いというものがありません。基本的には・・・。 ところが先日、故あってスチロールカッターが必要になり、ホームセンターに行ったらオモチャみたいなものが1個1300円もして相当…

「デモ隊だけが中国人じゃない」~反日デモに乗らない人々

尖閣列島の問題が極限まで行ってしまい、心落ち着かない日々が続いています。何しろ中国は人口が13億5千万人もいますから、1%動いても1350万人の大運動なのです。しかしそのことは裏を返せば1%のマイノリティでも1350万人の味方がいるという…

「まったく、先生という人たちは・・・」~どこまで誠実な人たちなんだ!

先週、A小の運動会が半日日程になったとボヤキましたが、見ないで悪口を言ってもイカンということで、別の事情もあってB小学校の運動会に行ってきました。ここも児童数600人近い大規模校で数年前から運動会は半日です。 結論から言えば、内容的に極めて…

「とんでもないものが、やってくるのかもしれない」~維新の会のマニュフェストを読む

小泉郵政選挙のとき、まんまと乗せられてホゾを噛んだ私は、3年前の衆議院選挙では民主党に入れませんでした。個々の政策の具体性についてはよく分からないのですが、とにかくマニュフェストの中身が胡散臭かった。財政再建と言いながら金をばらまくという…

「俺が思った通りにお前がやれ」~学校に突きつけられる”正義”

忙しい忙しいと言いながら、それにもかかわらず教員たちが運動会の縮小を言いださない(逆に大掛かりにしたりする)のにはそれなりの理由があります。/運動会のもつ教育効果を強く信じているのです。 つい一昨日そんなふうに書いたのに、それとは反する話を…

「日本の学校」~校内に癒しが満ちている

小学校の免許は通信教育で取りました。そのとき提出した図工のレポートのコメント欄に、担当者の感想としてこんなことが書いてありました。「これではまるで、図工は心理療法ですね」 皮肉とも揶揄とも取りませんでしたが、印象深く今も残っています。 自分…

「運動会のこと」~清掃や動物飼育とともに、その教育効果について

わずかな期間だというのによくあれほどの運動会を仕上げたものだとホトホト感心しました。そこで、 教師というのはすごいものだ。あれだけの行事を仕上げながら決して自分を出すことをしない。子どもを鍛え、育て、作品を仕上げてもそれだけでは満足せず、「…

「休日」~運動会の振り替えです

本日は、運動会のための振替休業です。

「運動会」~子どもたちはどんな思いで、今日を迎えているのかな?

自分自身が子どもの頃の一番の思い出は、最上級生の花形種目「6年男子マラソン」で、一位になりたくて3年も早朝マラソンを頑張ってきたのに、本番は13位だったことです。おまけに足を傷めてしまい、あとの種目も散々でした。 そもそも運動はそんなに得意…

「“スマホ”を手に入れた」~必ずしもいいことばかりじゃない

実家で仕事をすることが増えたため、妻が使っていた古いノートパソコンを移動したのはいいのですがネット環境がない。いったんは光回線を入れようかと思ったのですが聞くとスマートフォンの一部にはテザリングという機能がついていて、USBケーブルでパソ…

「捨印(すていん)」~それってなんのこと? なんのため?

「教員は常識がない」とか「学校の常識は社会の非常識」などと言われるとたいていの教師は(社会経験がないので)一歩引きます。 しかし考えてみれば教師が世間の常識を知ったらこんなアホな献身的な仕事はできませんから、世間知らずでけっこうなのです。と…

「教科のUの字説」~”実用性”という意味では、教科に優劣がある

中学校の9教科、国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・体育・技術家庭、この中で一番重要な科目は何かというとまず確実に国語です。 私たち日本人は日本語でものを考え日本語で情報の受発信をしていますからこれがないと始まりません。英米の人は英語…

「魔がさす」~人が悪事に手を染める瞬間の考察

先月末、日本IBMの元社長(63)が盗撮容疑で捕まったというニュースがありました。63歳と言えば分別盛りもとうに過ぎた年です。社会的地位も名声も金も十分にある、あとは静かにさえしていたら家族の歴史くらいには名を残せた人です。 そう言えばこの…

「9月になりました」~9月のウンチク

日本では旧暦9月を長月(ながつき)と呼び、現在でも9 月の別名として用いられます。長月の由来は「夜長月(よながつき)」の略であるとする説が最も有力視されています。また、「寝覚月(ねざめつき)」の別名もあるそうです。 英語でのSeptemberはラテン語…

「8月が終わる」~教員不祥事のことを考えて遣る瀬のなかった8月

やるせない8月が終わります。 やるせないは「遣る瀬ない」と書き、進んでいくべき浅瀬がない、つまり川などの中ほどで途方に暮れている様を言います。 いじめ問題に教員不祥事、これらが新聞に載らない日がないくらい。同じ教員の許しがたい犯罪、致命的な…

「美しいことば」~知らない人が聞いて美しい言語というものはあるのか?

例えばドイツ語は固く、フランス語は半分融けかかってビチョビチョ、イタリア語は軒や地面ではぜる雨音、ハングルは北朝鮮の国営放送の影響かやたら大仰で、最後は重々しくぴょんと跳ぶ“スムニダ”、そんな印象を持っています。 フランス語に戻ればこれは世界…

「やってはいけない」~教員養成6年制で教員志望がいなくなる

昨夜NHKで「中教審 教員養成で修士課程履修を答申」というニュースをやっていました。簡単に言うと、4年の教職課程以外に1年乃至2年の大学院研修を課し、その間に学校現場での長期研修と院での高度教育を履修させようというものです。 しかしこれは絶…

「親子鷹」~アスリートの家族に見る親子関係

レスリングの浜口京子という選手が好きです。あんな父親(派手で見栄えが悪くて、ひょうきんで融通が利かなそうな)の派手なパフォーマンスの横で、ニコニコ笑っていられるようなお嬢さんに悪い子はいないという気がしています。 さて、今回のオリンピックを…

「その他のこと」~夏休みに家で考えたこと⑥最終

①原発 原発を含む日本の中長期的なエネルギー政策はどうあるべきか。2030年の原発比率を(a)ゼロ(b)15%(c)20〜25%とする三つの選択肢を示した上で、国が広く国民に意見を聞く試みが行われました。その方法も三つです。 一つ目は全国11都…

「”いじめ”という言葉を使わずに”いじめ”の指導をする必要性について」~夏休みに家で考えたこと⑤

尾木直樹という人はまったく好きになれないのですが、一か月ほど以前、新聞紙上で非常に良いことを言っていました。それは、「加害者の親と話すとき、“いじめ”という言葉を使ってはいけない。ウチの子が“いじめた”と言われると親は絶対に認めない」といった…

「ユトリロとその母の話」~夏休みに家で考えたこと④

この夏、ユトリロのことを少し調べました(大して熱心に調べたわけではありませんが)。若いころ好きだった画家です。そして調べる中でとんでもなく興味深い人物を発見しました。ユトリロの実母、シュザンヌ・ヴァラドンです。 ウィキペディアによれば、ヴァ…