カイト・カフェ

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「“スマホ”を手に入れた」~必ずしもいいことばかりじゃない

 実家で仕事をすることが増えたため、妻が使っていた古いノートパソコンを移動したのはいいのですがネット環境がない。いったんは光回線を入れようかと思ったのですが聞くとスマートフォンの一部にはテザリングという機能がついていて、USBケーブルでパソコンと接続するとルーターとして使えるとのこと。全体の経費もこちらの方が安くつくのでさして欲しい気持ちもなかったのですが、思い切って”スマホ“に切り替えました。ガラケーの時代にも常に無料機で対応してきた私としては、極めつけの勇断です。

 それで無事インターネットには接続できた(本当はむちゃくちゃ大変だった。旧式ノートパソコンでOSがWindowsXPだったので、接続手順が特殊なのです)のですが、さて、それ以外の機能、つまり本来の携帯電話として働きはどうか・・・。

 実は「スマホは人気」「スマホはいい」という思い込みがあったのでこちらの方はまったく考えていなかったのですが、いざ始めてみるとこれがなかなかうまくいかない。
 まず本体がでかすぎる。老眼の目にはこちらの方がいいに決まっていると選択した大型液晶画面の“スマホ”は、片手で操作ができない。全くできないわけではないのですが、「さ行」のキーの横がディレートキーで「さ行」をいじっている最中に右手の親指の腹がそこを触ってしまい、せっかく打ち込んだ文字がたちどころに消えって行ったりしてしまうのです。
 そこでやむなく左手で本体を持って右手で打つようにするのですが、実際に始めてみるといかに今まで左手が空いていることが便利だったのか、よくわかります。例えばペーパーベースの住所録を押さえて、番号を確認しながら入力するといった、そんな簡単なこともできないのです。

 本体が大きく液晶画面がむき出しなので、ズボンのお尻のポケットに入れておくということができません。座った拍子に画面を割ってしまいそうなのです。

 さらに言えば表面に保護シートを張ったためか(あるいは私の購入した機械自体の欠陥かも知れませんが)タッチパネルの反応がイマイチで、押したつもりがうまく反映しないことがあります。ひらがなで脱字したまま変換するととんでもない文章になったりします。

 もうひとつ。電池の消耗が激しい。ガラケー時代と同じ感覚で使っているとあっという間に残量計が50%を切ってしまいます。

 さらに言えばメール一本送り出すにも、①スイッチを入れる、②ロックを解除する、③メーラーを選択する、④新規作成を押す、⑤「アドレスを入力する」を押す、⑥「アドレス帳を引用する」を押す、⑦送信相手を選択して押す、とあて先を入力するまでに6ステップも必要なのです。全体としてひと手間もふた手間も多い感じです。

 そして最後に、送信ボタンを押すとヤバイと思っても途中でやめることができない。

 もしかしたら使い慣れてくるうちにもっと簡便な方法も見つかるかもしれませんが、現状報告としては「極めて不便」なのです(そういえば最近の新聞で、女子高生たちも「スマホに換えたらメールを打つ回数が減った」とか言っている記事を読みました)。

 私が言いたいのは「“スマホ”はそんなにいいものじゃない」ということです。しかしそれ以上に声を大にして言いたいのは、「『“スマホ”はそんなにいいものじゃない』という情報は今までどこにもなかったじゃないか!」ということです。
 しかし考えてみると「“スマホ”はすごくいい」という情報もそれほどあったわけではないのです。

 みんなが横並びで走っているときは、よほど注意が必要だということです。