カイト・カフェ

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「教科のUの字説」~”実用性”という意味では、教科に優劣がある

 中学校の9教科、国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・体育・技術家庭、この中で一番重要な科目は何かというとまず確実に国語です。
 私たち日本人は日本語でものを考え日本語で情報の受発信をしていますからこれがないと始まりません。英米の人は英語、ドイツの人はドイツ語、フランス人はフランス語、それぞれの母国語の豊かさがその人の思考と情緒の豊かさです。

 二番目に大切なのは技術家庭科。何しろ衣食住に関る教科ですからこれさえできれば最低限の生活は保障されます。

 三番目は社会科です。社会科はつまるところ「公民」を学ぶ教科です。「歴史」と「地理」はより良く「公民」を学ぶための基礎です。そのため中学校1・2年生で並行して「地理」「歴史」を学び、3年生「公民」を学んで上から蓋をします。これを二本線で上に持ち上げて蓋をする形から“π型”と呼んだりします。
 その「公民」はつまるところ政治と経済の学習です。前者「政治」はひとことで言ってしまえば「社会的に生きていくための学習」、後者「経済」は「より豊かに生きるため(つまり金儲け)の学習」と言えます。

 四番目は保健体育。本当はもっと上位に挙げたい気もするのですが人間が社会的な生き物である以上、社会科の後塵を拝することになります。
 以上四教科が生きていく上でどうしても必要な教科、いわば必需品です。

 五番目には数学を挙げます。その前提となる算数はやはりできないと生活そのものに支障をきたします。なので五番です。

 六番目は美術。高級な美術は必要ないのですが図や絵が書けないとうまく伝えられない、つまりコミュニケーションの十分できない場合があります。

 あとの三教科の差はあまりないのですが、理科・音楽・英語の順にしましょう。何といっても日本国内にいる限り英語はなくてもそうは困りません。理科は分野によっては生活に役立つ場合がありますから音楽より上位に置きます。

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 この順に従って教科を左右、左右と並べていくと右のようになります。見てすぐに分かるようにこれは国・社・数・理・英・・・をUの字に並べたのと同じになるのです。これを私は“教科のUの字説”と呼んでいます(勝手な思い込み)。
 つまり国・社・数・理・英・・・は、生きていく上で必要性の高いものから低いものへ、そして再び高いものへと並べてあるのです。

 ただし別の言い方もできます。
 世の中の必需品以外のすべての製品は高級品か嗜好品です。したがってこの並びは必需品→高級品(嗜好品)→必需品だとも言えます。考えて見れば国語や技術家庭科ができてもあまり「格好いい」という感じはしませんが、英語や音楽、理科や美術が“でき”たりすると、相当に「格好いい」のは間違いありません。

「やっぱ音楽だよな」
 先日の音楽集会を見て思ったことはそういうことです。音楽なんて生きていく上で決して必要欠くべからざるものではありません。しかし人々を一体感を与え人々を癒すのにこれだけの働きをするものは他には見当たりません。

 1989年11月9日、ベルリンの壁崩壊の一報が入ると、その時開かれていた西ドイツ議会では議員たちが一斉に立ち上がって国歌を斉唱したといいます。2004年の新潟県中越地震では平原綾香の「ジュピター」が復興のテーマ曲となって人々が歌い続けました。音楽にはそうした力があるのです。