懇談会が始まります。懇談会について、私がいつも心がけていることについて、簡単にメモをしておきます。
(1)柔らかく温かい雰囲気で。

若いうちはどうしても気合が入りますが.決戦の場ではありません。暖かく柔らかい場の雰囲気をつくっておきたいものです。
昨年もお話しましたが、私の場合、懇談会の席は机9個を組み合わせて右のようにしました。人対人で相手に圧迫感を与えない懇談の形は常に90°です。必要に応じてお互いに視線を逃すことができるよう、正面で向き合うことは避けます。
資料を見せやすいように保護者と隣り合わなければならないのですが、うっかり他の子のものまで見られないように、資料と保護者の間に自分が入ります。左から資料を取り出しては保護者に見せ、また元に戻すわけです。
花を飾りましょう。心が落ち着きます。また(私はしませんでしたが)お茶を飲みながらといった配慮をする先生もおられます。その場合のポットなどは◎の位置に置きます。
(2)学校での様子を知らせる
まず学校での様子を知らせます。その際念頭に置いておかなければならないことは、家庭訪問の時期と今とで何がどうに変わったかという点です。特に成長の様子が分かる具体的なエピソードを、2〜3用意しておくといいでしょう。
(3)悪いことは言わない、困ったことも言わない。
懇談会の席で突然、親が思ってもみなかった子どもの“悪”を持ち出してはいけません。問題があったのに懇談会まで引きずったというだけでも、対応の遅れを告白するようなものです。もしそれが直近の問題だったとしても、懇談会を待たずに対応すべきでしょう。したがって懇談会の席では新しい問題が出てこないことが基本です。
ときどき、担任から悪い情報を聞かされることを恐れて自分からバンバン子どもの悪口を言う親がいますが、うっかりそのペースに乗せられないように。相手は本気で子どものことを悪く思っているのではありません。本当に聞きたいのは「学校ではそんなことありませんよ」という言葉です。
懇談会なんてどうせ15〜20分程度のものです。そんなわずかな時間で児童生徒の深刻な問題を解決できるはずがありません。生徒指導的なことは、別の日にたっぷり時間を取ってやればいいのです。
(4)3月までの見通しと作戦を語る。
12月の懇談会は基本的には指導の中間決算です。今日までの8ヶ月余でここまで成長しましたがまだこの部分で不十分です、こんな方法・支援によってこのレベルまで成長させましょう、ここで語るべきはそういうことです。
(5)答えられない質問には答えない。
こちらは唐突なことを持ち出さないつもりでも保護者から出される場合があります。満足な答えの伝えられるときはいいのですが、そうでない場合は回答を保留しておくのが良いでしょう。「私はこう思いますが他の先生が良いアイデアを持っているかもしれません。相談して明日(または明後日)までにお知らせします」そう言えばいいのです。
期日を決めるのは大切なことです。そして必ず守ります。
繰り返しになりますが、厄介な問題は日常的に扱っておかなければなりません。常にきちんとやっておけば懇談会は通り一遍のものになってしまいますがそれでいいのです。保護者には気持ちよく帰っていただき、その思いがサンタさんに伝わってプレゼントにひと乗せしてもらうくらいでいいのです。