カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2008-01-01から1年間の記事一覧

「眉に唾をつけてテレビを見る」~あの人たちはウソばかりついているから

チラッと見ただけなので前後の関係が分からないのですが、テレビのバラエティ番組の一部で、アリ(蟻)マニアのタレントが、「地球上のアリの数は1京(けい)匹、その総体重は地球上の全人類の総体重とほぼ同じ」とか言っていました。「へえ」と思いながら…

「子どもの学力を上げるために」~ほんとうにやるべきは”子どもの授業力向上”なのかもしれない

児童生徒の学力を上げるためにどうするか、という話になると必ず出てくるのが「教師の授業力向上」であり、それ以外の方策はほとんど出てきません。しかし教育方法の研究というのは明治時代から行われているものであって、過去100年間にできなかったもの…

「リンゴ」~西欧人には特別の意味があるのかもしれない

先日話題にした「◯◯が赤くなると医者が青くなる」について、ALT(Assistant of Language Teacher:外国語指導助手)のアンさんに聞いたら、アメリカではリンゴだそうです。トマトなんて聞いたことないと言っていました。 で、ふと思ったのですが、ヨーロ…

「愛があるから」~教員の原動力が”子ども愛”だなんて、世間の人は気づかないだろう

土曜日は漢字検定の日で、工藤先生と安本先生が朝早くから半日、子どもたちの面倒を見てくださいました。ほとんどが初めてだったので、戸惑う子も少なくなかったと思います。また保護者もたくさん受験に来ていましたから、説明したり動かしたりと、お二人の…

「私には夢がある・・・から45年」~何が変わったか

バラク・オバマが第44代アメリカ大統領に決まりました。合衆国初の黒人大統領と言われていますが、母親が白人ですから、正確には合衆国初の非白人大統領というべきところかもしれません。 アメリカの人種差別は驚くほど最近まで続いていて1964年の公民権法成…

「言葉がないことは、存在のないことだ」~したがって思考もできない

『魏志倭人伝』には「日本には馬はいない」というきわめて注目すべき言葉があります。それよりわずか百数十年後、日本を制圧した大和朝廷グループは馬を駆使したことで知られていますから、いつ馬が日本に来て日本人が有数の馬使いになったか問題になるので…

「道徳的行為の三つのハードル」~もちろん気づくことが一番難しいけど

必要があって昨年の記録を調べたのですが、驚いたことに年間に39時間も道徳の授業をやっているクラスが三つもありました。一番少ないクラスでも36時間やっているからたいしたものです。 さて、 すべての場合に当てはまるわけではないのですが、人が道徳的行…

「11月になりました」~今月のウンチク

11月になりました。 国語では霜月、英語ではNovember、9番目の月という意味です。11番目の月なのに「9番目」というのは、ジュリアス・シーザーが自分の生まれ月をJuly(7月)、アウグストス(オーガスタ)がAugust(8月)として無理やり突っ込んだた…

「親の手から子どもをどう守るか」~現代ではそれも学校の仕事となった

札幌で8年間母親に軟禁されていた女性が発見され、学校が不登校として処理していたとして非難されています。 小学校3年生から登校日数が減り、4、5年の登校日数は50日前後、6年で1日、中学も1年の時に2日間登校しただけで2年時からは全く登校しな…

「文書の体裁」~正式な通知はこう書く!

係の仕事をしているうちに、さまざまな形で校長名の書類を作成しなければならない場合があります。そんなとき、文章のレイアウトをどうするのか分かっていないとずいぶんと気を遣うことになります。そこで、簡単にまとめておくことにしました。 ・・・・・・…

「10月29日」~井伊直弼の誕生日

今日、10月29日は井伊直弼の誕生日だそうです。 問題「桜田門外の変で殺されたのは井伊直弼。では殺したのは誰?」答え「悪い直弼」というのは、社会科教師の冗談の定番ですが、この井伊直弼という人、調べてみれば見るほど面白い人です。 あらゆる学問…

「本校、地デジ対応・・・せず!」~昔は地域の文化センター、今は文化の辺境

2011年、地上アナログ放送停止とともに、校内のテレビがすべて受信できなくなります。常識的に考えると、それまでに校内のテレビ全24台を地デジ対応テレビに代えるか、地デジ・チューナーを買い揃えるしかないのですが、予算がないのでしません。 で、…

「本日は・・・」~休日のお知らせ

振り替え休業です。(ブログもお休み)

「他宗派の人々」~学校の外にはまったく異なる価値観を持つ人々がいる

『3種類の日本教―日本人が気づいていない自分の属性 』(講談社+α新書 393-1C) (単行本) 島田 裕巳 (著)と『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学』 (光文社新書) (新書) 山田 真哉 (著)の2冊を平行して読んでいます。 私たち以外の…

「乾杯!!」~教育監に誉めていただきました

昨日はご苦労様でした。私も半分ほど先導役を勤めさせていただきましたが、児童たちの姿勢、聞く態度、挙手の時の天をつく勢い、どのクラスも本当にすばらしい授業の様子でした。 「あいさつ、靴の整理、清掃、授業にしっかりと参加すること、『はい』と言っ…

「特別の日」~教育監学校訪問の日、手を抜くと面倒くさい

どのクラスも教室環境等、十分に調っています。学習環境としては、あとは板書のみですが、授業の様子・進み具合が児童の目に分かるようなものでありたいものです。せめて最低、学習問題ないし学習課題の掲示(書き込み)が、ありますように。 子どもには、今…

「医者が青くなる」~原因は、柿かトマトかリンゴだったか・・・

先日、職員室で佐藤先生が柿を頬張りながら「『柿が赤くなると医者が青くなる』というからね」と言うと、山中先生が「柿じゃないでしょ、トマトでしょ」と言い始め、少し離れたところでで「りんごじゃなかった?」という声が出ました。 私ははっきりとは言い…

「人間関係のやりくり」~思い通りになる間柄では勉強にならない

昔、月のお小遣い8000円という小学6年生に会ったことがあります。というよりは6年生になったら、それだけもらえるようになったのです。日記には、「8000円と言っても、ここから学年費も旅行積立も出さなければならないので大変です」と書いてあり…

「読書週間に寄せて」~本には賞味期限がある

「国家の品格」の藤原正彦はエッセイの中で、子ども時代に『クオレ』を読んだときの感動を語った後、次のように付け加えています。 余談だが、三十代の頃、ある雑誌に「幼少時に読んでもっとも影響された本を再読し感想を書け」という原稿を依頼された。『ク…

「アダルト・チルドレンと呼ばれた人々」~機能不全の家庭に生まれた子を、親に任せることはできない

一世を風靡した「アダルト・チルドレン」という言葉も誤用を重ねるうちにわけが分からなくなり、最近ではトンと聞くことがなくなりました。もともと学術的用語ではないので消えるのはかまわないのですが、本来の意味である「機能不全の家庭で育ったことによ…

「人物の絵を描かせるコツ」~不細工な教師ほど有利な方法

芸術の秋、各クラスから画板を持って屋外に出てくる児童の姿が見られるようになっています。 絵は、1・2年生くらいまではたいていの子が好んで取り組みますが、いつの間にか苦手な子が出てきて、やがて描くのが嫌いになってしまったりします。しかし、どう…

「案外知られていない校長という職」~責任は重く、孤独な仕事

校長という職がどのようなものなのか、分かっているようで案外知られていない面があります。 例えば、校長は教員ではない、といったらたいていの人は驚きますが、校長は教員ではありません。それは学校教育法の中に繰り返し出てくる「校長および教員は」とい…

「秋田県の学力と実力」~いかにして全国一位を維持したか

全国学力学習状況調査について、大阪府は府知事の圧力に屈して府内43市町村のうち34市町村の教育委員会が、自治体の正答率を公表する方針を決めたそうです。低い市町村の学校は大いに尻を叩かれそうですが、それで一体何ができるのかは、はなはだ疑問で…

「昨夜、カエルが・・・」~忍耐の重要さ

カーテンを閉めようとしたらそこに2匹のカエルがいました。何をしているのかと思ったら、灯りに引き寄せられた羽虫を食べようと、じっと構えて待っているのです。 小野道風は柳に飛びつくカエルを見て努力の大切さを感じたと言いますが、私はそのカエルを見…

「知の網目」~膨大な編み目があって初めて1匹の魚が捕まえられる

本校の今年の教育目標のひとつは「しっかり 勉強」です。具体性に欠けるのでどうしたらいいのか今ひとつ不明ですが(といっても、勉強について全校に共通する具体的な目標、というのも結構難しいですよね)、さまざまに工夫して仕掛けて行きたいところです。…

「たった二日でノーベル賞4人目!」~何が良かったのか調べてみたい

たった二日の間に4人のノーベル賞受賞者です。 ノーベル賞は業績が確定して、さらに絶対にひっくり返らないことが確実になって始めて授与されるものですから、時間的にどうしても遅れます。今回も64歳から89歳まで、実際の研究成果が出たのも1960年…

「だから結局、強い子を育てるしかない」~いじめっ子もいじめられっ子も、みんな被害者意識で満ちている

だから結局、強い子をつくらなければ話にならない……と、イジメの指導の現場にいるとつくづく思わされます。 いじめる方もいじめられる方も被害者だらけで、一歩も引こうとしない。 被害者は自分がいかにひどい目に会ったかを訴えるし、いじめる側にも主観的…

「ADHD再考」~チェックリストでADHDの子に、ときに被虐待がいる

ADHD(Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)は通常「注意欠陥多動性障害」と訳されますが、「多動」に目が奪われると読み間違いをすることがあります。確かに多動な子はたくさんいますが、それよりも衝動性の方が特徴的なように思われるのです。…

「親が決めなければならないこともある」~すべて子に決めさせ、責任も取らせるのはいかがなものか

それがあまりにも正義らしい相貌なので、ついつい現実的な意味を見失ってしまう、そんな言葉があります。 例えば「同じ人間として、子どもの目線に立ち、子どもの意思を尊重することが大切」などがそうです。 この言葉には一片の間違いもないように見えます…

「ガリ版印刷の頃」~今よりはるかに余裕があったような気が・・・

昨日は係の仕事として、会議室の戸棚の整理をしました。40年分ものPTA文集や学校要覧が、ぎっしり詰まっていたからです。各年バラバラで、1冊も残っていない年もあれば同じものが50冊もある年もあります。それを原則3冊だけ残して、後は別のところ…