だから結局、強い子をつくらなければ話にならない……と、イジメの指導の現場にいるとつくづく思わされます。
いじめる方もいじめられる方も被害者だらけで、一歩も引こうとしない。
被害者は自分がいかにひどい目に会ったかを訴えるし、いじめる側にも主観的な正義があって、いかに相手が悪い人間であって、イジメと言われても仕方のないようなギリギリの行動に出ざるを得なかったかを訴える 。
誰も相手を許し、相手の訴え引き受けてやろうとはしない。
他人の不備や弱さを許し、少しは肩代わりしてあげよう、助けてあげようという強さがあれば、世の中のたいていの問題は解決してしまう。なのにまったくそれができないのです。
私はしばしば「子どもの心にヤスリをかけろ」と言います。
生まれたばかりの子どもの心はゆで卵のように柔らかいものだから、ヤスリのかけ方は通常とは逆で、目の細かいものから荒いものへと移して行くことになります。辛いこと苦しいことを少しずつ増やし、容易にへこたれない強い心をつくっていくのです。そうしない限り、いつまで経っても、学校の問題は増える一方で減ることはありません。