ガリ版の頃

 昨日は係の仕事として、会議室の戸棚の整理をしました。40年分ものPTA文集や学校要覧が、ぎっしり詰まっていたからです。各年バラバラで、1冊も残っていない年もあれば同じものが50冊もある年もあります。それを原則3冊だけ残して、後は別のところに移しました。

 その中で特に目を引いたのは職員文集です。この学校はつい15年ほど前まで、「四ツ目綴じ」と呼ばれる和製本で職員文集を作っていたのです。粋なことです。

  クリックすると元のサイズで表示します 中の文字もほとんどが青インクのガリ版刷りで、一人ひとり字体に個性があり、風情を感じます。これが本当に人間の手によるものなのかと信じられないほど端正な文字を並べている人もいます。

 ガリ版と呼ばれる鉄のヤスリ版(普通は二枚の木板に挟まれる形になっている)の上に原紙という名のロウ紙を載せ、鉄筆でカリカリと文字を書く作業は、非常に時間がかかり集中力のいるものでした。原則的に、一度しか書き直しがきかないからです。ただ、だから昔の教師は今よりも働いたかというとそうでもなく、結構ゆったりとしたところもありました。

 今は作る文章の数が違います。同じ書類でも、入る文字がまったく違うのでどうしても文字数が多くなります。文明は人を楽にするはずだったのに、教師の仕事量は増える一方なのです。

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