10月29日


 今日、10月29日は井伊直弼の誕生日だそうです。

問題「桜田門外の変で殺されたのは井伊直弼。では殺したのは誰?」

答え「悪い直弼」

というのは、社会科教師の冗談の定番ですが、この井伊直弼という人、調べてみれば見るほど面白い人です。

 あらゆる学問や芸術に没頭し、儒学国学曹洞宗の禅、書、絵、歌、茶の湯能楽。能面作りに励んでいたかと思うと、狂言の戯曲まで書き、さらに武芸も剣術・居合・槍術・弓術・ 砲術・柔術と片端手を出し、ついには居合で新流派まで開いているのです。時代が時代でなければ、一大教養人として名を残していた人です。

 現代ではこういう人はなかなか出てきません。学問も芸術も武芸も、時間的に膨大な余裕が必要だからです。しかし教員生活をずっと続けてきた以上、一人くらいいはそういた人間を育ててみたいものです。

 さて、その井伊直弼が1860年(安政7年)桜田門外であっさり殺されてしまうのは、当日、季節はずれの雪が降っており、家来たちが刀に油紙を巻き、さらに柄に袋をかけて十分に防湿処置をしていたためとされています。襲われた瞬間に落ち着いて刀を抜き、応戦できたのは一人だけだったといわれています。

 1703年(元禄15年)の赤穂浪士の討ち入りも、1936年(昭和11年)の二・二六事件も雪の中でした。

 日本の歴史に残るテロルはすべて雪の中で行われます。