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「私には夢がある・・・から45年」~何が変わったか

 バラク・オバマが第44代アメリカ大統領に決まりました。合衆国初の黒人大統領と言われていますが、母親が白人ですから、正確には合衆国初の非白人大統領というべきところかもしれません。

 アメリカの人種差別は驚くほど最近まで続いていて1964年の公民権法成立まで、特に南部の諸州では公然と差別法が続いていたりしました。

 1930年代にビリーホリデイが歌った「奇妙な果実」は、白人のリンチによって殺された黒人が木に吊るされたさまを歌ったものですし、1955年にはバスで白人に席を譲らなかった黒人女性が逮捕されたりしています。
 アーカンソー州の高校に初めて黒人の生徒が通うことになったときは、白人の猛烈な反対運動が起きたり(1957年)、ミシシッピ大学に初めて黒人が入学した時も暴動が起きています(1962年)。

 1963年、公民権運動に賛同する250,000人がワシントンD.Cに向けて大行進を行いキング牧師は有名な「私には夢がある」という演説を行います。
 それから45年、公民権運動に尽くしたジョン・F・ケネディロバート・ケネディ兄弟も、キング牧師も過激派マルコムXもすべて暗殺され、そうした犠牲の上に立ってようやくオバマ大統領が出現したことは、本当に感慨深いことです。
 ちなみにオバマは、「ジョン・F・ケネディの再来」という、1963年以来人々が慎重に控えていた称号を初めて受けた候補でした。大いに期待したいところです。

 「私には夢がある」は非常に優れた文なので一度読んでおくとよいでしょう。

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