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「案外知られていない校長という職」~責任は重く、孤独な仕事

 校長という職がどのようなものなのか、分かっているようで案外知られていない面があります。

 例えば、校長は教員ではない、といったらたいていの人は驚きますが、校長は教員ではありません。それは学校教育法の中に繰り返し出てくる「校長および教員は」という文言によって明らかです。教員というのは教育職員の頭(かしら)である教頭を中心とする一団のことであって、校長は別なのです。

 教員ではありませんから、学校教育法施行規則の定めにもかかわらず、教員免許がなくても就ける職です。「民間人教員」や「民間人教頭」はいないのに、「民間人校長」が存在するのはそのためですし、理屈上、校長は直接、児童生徒の教育に当たることはできません。

 別な話ですが、
 さまざまな法令を見ていると、「学校は」という言葉が、不思議な使われ方をする場面に出会います。例えば「学校は速やかに対応しなければならない」といったものです。
 これだけ聞くと「校舎が対応するはずもないのに、『学校が』と言われてもなあ」と言った気になりますが、こうしたときは「学校」を「学校長」に置き換えるのが普通です。そうすれば意味が通りますし、普通はそうした読み替えで正解です。
「つまるところ、学校は校長のものだ」といった言い方をする人がいますが、それは違っています。学校長は学校そのものなのです。

 校長は、教職員の失敗や犯罪に対して責任を取る立場にあります。どんな大きなミスがあっても、学年主任や教頭が辞職に追い込まれることはありませんが、校長にはそういう場合があります。

 それほど校長の責任は重く、孤独な仕事なのです。