カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

「なぜ科学の話ができないのか」~科学にゆだねれば解決するかもしれない三題

  科学を持ち出してそれにゆだねれば解決するかもしれないのに誰もしない――私がそう感じている三つの話。

【その1】

 福島第一原発の汚染水。流出事故が止まりません。東電の杜撰さ、責任感のなさ、意識の低さには呆れるばかりです・・・と書いて、果たしてそうだろうかと思い返します。これが意識の問題だと、いつ証明されたのでしょう。責任感、意識といった計測もできなければ高める方法も確立していない要因に帰する前に、調べておかなければならないことはないのでしょうか?

 もしそれが人員不足のせいだとすれば、それは人手を増やせばいいだけのこと、あるいは必要なところにつぎ込むべき資金の不足のためだとすれば金を使えばいいだけのこと、指示命令系統に問題があるとすれば組織を再検討すればいいだけのことです。
 いずれにしろオリンピック招致で国際公約にしてしまった“汚染水コントロール”に関わる問題、最優先で取り組まなくてはなりません。“意識”などと言う曖昧な要素を扱う前に、もっと科学的な考察をしておくべき内容があるはずです。

【その2】

 尖閣処諸島がどこの領土か、竹島がどこの国に属するべきことなのか、お互いの持つ“事実”を出し合ってしかるべき場所で判断してもらえばそれで済む話です(と私は思う)。
 それを互いに自分の主張ばかり叫んで引こうとしないからいつまでも纏まらない。なぜ科学的に話し合うことができないのか、なぜ互いに手札を出し合って検討しあわないのか・・・。
(その答えが「政治だから」であることはもちろん知っていますが)

【その3】

 これだけマスコミが叩き、研修が繰り返され、厳罰化が進んでいるのに、なぜ教員の非違行為がなくならないのか。それは私たちが事実から学ぶことをしていないからではないか。

 なぜスピード違反や追突事故が減らないのか――これなどは科学的検証に最もふさわしいテーマです。急いでいる人、慌てている人が事故や違反を起こしやすいというのはあまりに短絡的です。「ガリレオ」の湯川准教授ならこう言います。
「誰が証明したんだ?」

 教員生活20年〜30年といった分別盛りで背負うものも山ほどある教員が、なぜ突然痴漢行為を働くのか、盗撮に走るのか、薬物に手を染めるのか・・・。

 20代の教員の同種の犯罪だったら「教育公務員としての自覚の欠如」でかまいませんが、40代〜50代の犯罪は“自覚の欠如”では済まされません。その年齢になって初めて犯罪に手を染めるとしたら(20代からずっとやっていれば、はるか以前に捕まっているはずかです)、そこにはそれなりの理由があるはずです。
 すべての「現象には必ず原因がある」のです。

 なぜ個人情報を持ち出すのか、なぜ体罰に走るのか、なぜテストや通知票や内申書でミスを繰り返すのか・・・それをなぜ科学的に検証してこなかったのか。

 私たちにはまだやるべきことがたくさんあるはずです。