カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「人はなぜ人を殺すのか」~モンスター:津久井やまゆり園事件の話①

人はどのようにして犯罪に至るのか――そういうことに興味があります。 松本清張の小説のいくつかは市井の人々が殺人者となって行く過程を丁寧に描いていて、「ああこれだと確かに人殺しにもなるかもしれない」と思わせるリアリティがあります。それが松本清張…

「謝罪の話」~法律にないからと言っても謝らないわけにはいかない場合

2002年から始まった映画「スパイダーマン」シリーズの第一作で、主人公のピーター・パーカーは老齢の伯父と伯母によって育てられていました。ところが映画序盤でタクシー・ドライバーをしていた伯父はピーターが見逃した強盗によって殺され、これによってピ…

「その対極に想定するもの」〜日本の〇〇はダメだ

日曜日の朝7時からフジテレビで放送している「ボクらの時代」、妻が好きでよく見ています。ちょうど朝食と重なることもあって、私も(例によって)見るともなく見ているのですが、昨日の放送は前半が蜷川幸雄・小栗旬・綾野剛、後半が前田武彦・小沢昭一・…

「危険手当・プライバシー制限手当、自由制限手当、生涯被追跡手当・・・込み」~芸能人の値段④

高畑裕太が芸能界に与えた経済的損失は数千万円から1億円と言われていましたが一日経って数億円という数字も出てきました。 私の息子のアキュラは容疑者とほぼ同年齢ですが、交通事故や器物損壊によって直接的に数億円の被害を与えることはできても、その存…

「注ぎ込まれた価値で決まる値段、需給のバランスで決まる値段」~芸能人の値段③

収入がその人の労働の価値を決めるとしたら、最終年の私と比較して十数倍の年収を得る小島よしおは私の十数倍の価値を持つことになります(今の私と比較すれば、私はほとんど塵芥です)。 しかしいくら何でも毎日手かえ品かえあれこれ工夫をしながら授業をし…

「高畑淳子の憂鬱」~芸能人の値段②

芸能人の高すぎる収入と置かれている環境について書こうと思っていたら、とても興味深いニュースが入ってきました。“興味深い”は不謹慎ですが、他に言葉が見つからないのでそう書いておきますが、それは『高畑淳子さん長男逮捕「欲求が抑えきれなかった」』 …

「オッパッピーで1億稼げる不条理」~芸能人の値段①

一般に大卒の方が高卒より賃金が高いのは、大卒の方がお勉強をして頭がいいからではなく、高卒に比べて4年間分、社会人になる前の投下資本が多いからと説明されます。本人が払ったか親が払ったかは別ですが、その分を回収できないとしたらやはり気の毒です…

「とと姉ちゃんとスピルバーグ」

NHKの朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」を見るともなく見ています。というのは「あまちゃん」あたりから妻が録画したのを見るようになり、お相伴にあずかって私も眺めているからです。子どもが家を出てからは、夫婦共通のほとんど唯一の話題といった側面もあり…

「オリンピック閉幕、そしてシンクロ井村コーチの『叱る絶対三点セット』」

リオデジャネイロ・オリンピックが終わりました。 開幕前は冷静で、むしろ“しらけている”といった感じでカッコウをつけていた私も、いざ始まってしまうと完全に飲み込まれ、毎日一喜一憂しては胃を痛める生活が17日間も続きました。高校野球も終わり、これ…

「『日本のいちばん長い日』と天皇制」

終戦の日の8月15日にテレビで「日本のいちばん長い日」(2015年版)をやっていました。岡本喜八が監督した1967年版が非常に良かったのでリメイク版はあまり期待していなかったのですが、想像していたよりははるかに良かった。これはこれなりに鑑賞できる…

「71年目の夏に戦争について考える」④

考えると第二次世界大戦後の昭和は幸福な時代でした。 世界は米ソ二極化の時代で、ある意味わかりやすい配置でした。あっちかこっちかという振り分けだけでたいがいが済みます。 中国は第三世界(米ソどちらからも距離を置く国々)の長として世界に面倒な発…

「71年目の夏に戦争について考える」③

アメリカ大統領選挙ではほぼトランプ氏の目はなくなったと言われています。ただしまだ3か月ありますから何が起こるか分かりません。 私はクリントンではだめだという人たちの論拠がイマイチ分かっていないのでこの件に関して何ごとかを言う権利もないのです…

「71年目の夏に戦争について考える」②

いったん国家という列車を「戦争行」のレールに乗せてしまったら、それを降ろすのは非常に困難です。元は政府が火をつけマスコミが煽ったものだとしても、世論が燃え上がってしまうともう政府やマスコミですら抑えが効きません。 実際、昭和16年12月8日の開…

「71年目の夏に戦争について考える」①

学校の長期休業中は書かないという原則のために12年間、終戦の日について話すことはありませんでした。しかしそうした事情も含めて、日本の学校教育において終戦記念日が夏休み中というのは不幸なことです。現場教師をしていた時期の私も、そしていま現場…

「さまざまな心のあり方」〜オリンピック中継から

つくづく自分は臆病者で根性なしだと思うのは、スポーツの中継で一方に深い思い入れがある場合、その中継をきちんと見ていられないことです。特に応援するチームや個人のいないマラソン中継だとか相撲だとかだったら落ち着いて見ていられるのですが、オリン…

「ミスがない人生なんてないし―― 」~レゲエ・ミュージシャン、マカラフィンに教えられたこと

「YOUは何しに日本へ」という番組が好きで毎週VTRに撮って欠かさず見ています。 日本にやってくる外国人に空港でインタビューして、おもしろそうだと思ったらあとをついていくという番組です。 それについて先日、次のような記事が配信されました。 『人気番…

「しかしそれでもよかった」~才能も美貌も誰かに持って行かれたけど、幸せだけはここにある

オリンピックの体操男子、悲願の金メダルとか。ほんとうに喜ばしい次第です。内村航平選手などは団体金メダルさえ手に入れば他は何もいらないといった勢いでしたから、ほんとうにうれしかったと思います。心よりおめでとうを言いたいと思います。 ところで、…

「あっこと、あみと、僕らの生きた夏」~甲子園にかけた女性の命

4年前の2012年4月、NHKは「土曜ドラマスペシャル」で「あっこと僕らが生きた夏」(*リンク切れ)を二週連続で放送しました。これは同名のノンフィクションをドラマ化したもので、甲子園を目指す球児と女子マネージャーを描いた物語です。主演は川島海荷さ…

「ライザップに挑戦」〜中間報告

6月22日の本ブログ、kite-cafe.hatenablog.comで、「ライザップに挑戦する」と書きました。その中間報告です。結論から言うと「やはり相手は偉大だった」ということになります。 誰に聞いても「ライザップはボッタクリではない」と言いますから35万円に…

「困難と向き合う人たち」〜オリンピック開会式のテレビ中継を見ながら

リオデジャネイロ・オリンピックが始まりました。 歩道橋など建築を諦めてしまった施設もあるみたいですがとにかくスタートできましたし、入場行進で一カ国だけ殿堂の自転車がないといったハプニングもあったみたいですが、一応つつがなく始められたようです…

「メメント・モリ」〜死を忘るな

妻の母(94歳)が肺炎で入院したので帰省した息子のアキュラを連れて見舞いに行ってきました。先週は娘のシーナと孫のハーヴを連れて行っていますので今回で二回目になります。 一回目は絶食を強いられていた時期なので容態はかなり悪い感じで、手足がむくみ…

「シン・ゴジラ」〜ネタバレはありません

映画「シン・ゴジラ」を見てきました。 shin-godzilla.jp 私は別にゴジラファンでもないのにゴジラ映画は驚くほどの見ていて、1954年の「ゴジラ」、翌年の「ゴジラの逆襲」などは深夜放送で、「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964)や「怪獣大戦争」(1965)な…

「私には名案がある」〜小5からの英語の教科化に思う

(写真:フォトAC) 【普通の教員は英語なんかできないだろう】 産経新聞に『「使える英語」どう教える 中教審案 授業時間確保・小学校教員の質が課題』という記事が出ていました。 イーオン(本社・東京)が3月に指導法セミナーを開いたところ、参加者65…

「この世は親切で優しい」〜相模原の狂気のラスコーリニコフ②

相模原市で起きた「津久井やまゆり園事件」について、時事通信に『「精神疾患当てはまらず」=薬物影響「限定的」−相模原襲撃事件で専門家』 という記事が出ていました。それによると、 精神科医の香山リカさんは「本人の特異な考えから書かれた手紙は、一般…

「8月」~今月のウンチク

8月になりました。 「カイト・カフェ」の元になる文章は12年前、校内で先生たちに読んでもらうために書き始めたものです。ですから土・日・祭日および長期休業中はブログの更新もありませんでした。 2年前に退職してからは児童館の仕事で、これは休日に…