人生
94歳の母が昨年11月からデイケアセンターへ通い始めた。 私はコロナ禍のために見学もできていないが、 そこにはさまざまな人たちがいるらしい。 しかしそこにいる自分を、母は受け入れられない。という話。(写真:フォトAC) 【年寄りに必要な「きょう…
年末年始、直接の私の家族8人が揃った 二年前は娘一家が婚家で過ごしたため 実はこれが3年ぶり 久しぶりの全員の顔を見ながら 家族の歴史について考えたという話。(写真:SuperT) 【ようやくそろった我が家】 今年の私の家の新年は8人家族でした。 昨年…
「愛は惜しみなく奪う」というがそうではない 愛は惜しみなく与えるものだ――しかし何を? それはその人の持っているものの中で最も貴重なもの 現代においては「時間」だという話。 (写真:フォトAC) 【О・ヘンリー作『賢者の贈り物』】 クリスマス・イブで…
生きて働いていればどうしても失敗やミスは起こる。 しかし若い人が社会に与えられる悪影響など微々たるものだ。 それで命まで寄こせとは言う人もいないだろう。 私たち老人は失敗をしないが、それは社会的に何もしていないからだ。という話。 (写真:フォ…
ここしばらく、年末に喪中はがきをもらうことが多くなっている。 同世代の友人たちにとっては、ちょうど親たちが亡くなる時期だ。 しかし時に、下の世代の訃報が届くときもある。 やはりひとを大切にしようと思うのはそういうときだ。という話。 (写真:フ…
齢を取るというのは長い階段をゆっくり下りるようなものだ。 しかし順調なくだりではない。階段が不ぞろいだからだ。 ときに深く落ち込んでいたり浅かったりで、コケる。 けれどそれだって楽しくないこともない。という話。 (写真:フォトAC) 【不揃いの階…
もともと記憶力に難があった。それがどんどん昂じている。 問題を解いて答えまで書いたのに、 解いたことを忘れてしまうので、また同じ問題に取り組んだりしている。 三歩進んで二歩下がる精神生活から、二歩進んで三歩進む日々へと移っている。という話。(…
才能――激しい負けん気や厳しい集中力・持続力、他を上回る頭脳や体力など、 みんなが持っているわけでないから、これを才能という。 しかしあれば幸福を約束されるわけでも、なくて不幸なわけでもない。 そこには別の生き方もたくさんある。という話。 (写…
昔から思考が横滑りで、同音異義語が混乱することが多かった。 それが最近さらに昂じている 自分が分からなくなるだけならいいが、 しばしばその不謹慎に呆れる。という話。 (写真:フォトAC) 【同音異義語が切り替えられない】 同音異義語に関する切り替…
新型コロナが現実の問題となってはや1年数カ月。 人々は既に耐え難くなっている。 だからといって決定的に優れた別の道があるわけではない。 誰かのせいにすべきでもない。 変えられるのは自分だけ、自分を置いて他にない。という話。 (写真:パブリックド…
肉体は黄泉と現世をつなぐ手がかり、 みんなで大切にすべきものだ。 だから独りぼっちでは死なせない。 人が最後に見る風景は、幸せなものでなくてはいけない。という話。 (ウィリアム・アドルフ・ブグロー 「死の前の平等」:パブリックドメインQ) 【今あ…
外国の文化を受け入れようとするとき、 すんなり入ってくるものとそうでないものがある。 後者についていえば、その多くは私たちと本質的な部分で軋みを起こすからだ。 例えば私たちが知らぬうちに手に入れていた死生観、肉体観、生命観と。という話。 (「…
新型コロナ過では世界中でたくさんの人々が亡くなったはずだが、 その悲しみの実像はあまりにも報道されない。 どの国も自国の報道で精いっぱいなのだ。 しかしその中からも、世界の独特の死生観は見えてくる。という話。 (アルベルト・エデルフェルト 「子…
13歳のゴールド・メダリストが誕生した。 競技場には魔物がいて、しばしば人の運命を好き勝手に動かすようだ。 それが苦しいこともあれば、失敗が面白すぎる場合もある。 という話。 (写真:フォトAC) 【13歳の金メダリスト】 いよいよ13歳10カ月…
老人は役に立たないと思われる時代が、そう長かったわけではない。 ただ、今がそうだというだけの話だ。 また、価値はひとつではなく高齢者には別の価値がある。 だから後悔することは少ない。 という話。 (写真:フォトAC) 【いつから価値は若者に移った…
退職したら思わぬ発見があった。 仕事を辞めると食事が旨くなること、 「時間をうまく使う」という概念がなくなること、 おもしろい本がどこにあるのか、鮮やかに分かること、 という話。 (写真:フォトAC) 【食事が旨くなった】 妻はもともと家庭科の教師…
年老いた人間の生活を、若者はあまりにも低く評価する。 老いて醜く、誰からも期待されず、 社会に寄与するどころか邪魔にさえなっている――。 だが若者よ、そんなふうに見える高齢者の生活、悪いことばかりではないのだよ。 という話。 (写真:フォトAC) …
若い人たちは私たち年寄りのことをどんな目で見ているのだろう。 歌や漫画に出てくる老人は実年齢よりさらに年老いている。 それはまさに若者が年寄りを見る目そのものではないだろうか。 私たちは思った以上に、つまらない存在と思われているのかもしれない…
自覚は薄いが私もずいぶんと老いた――ようだ。 シモーヌ・ド・ボーヴォワールと上野千鶴子が、 偉人でももう老人は役に立たないとガンガン責めてくる。 あの人たちですらダメなのだから、いわんや私をやだ という話。 (写真:フォトAC) 【シモーヌ・ド・ボ…
店を閉じるのだから給付金や協力金はもらって当たり前と思う人、 これきしの支援ではやってられないと、店を開け、酒を提供して深夜まで営業する人。 しかし大半は粛々と協力して耐えている。 中には国や都に、感謝の気持ちを伝えようとする美しい人もいるの…
電話を介して三十数年ぶりにKさんと話しながら、 遠い遠い昔のことを思い出す。 そのうち私は、なぜあれほどKさんと会いたかったのか、 Kさんに“その後の私”を知ってもらいたかったのか、 ようやく理解することになる。 遠く及ばないにしても、私もKさん…
今日は坂本龍馬の命日。31歳の若さで亡くなった。 私の半分以下の年齢だ。 それに比べて自分は何をして来たんだとずっと思っていたが、 いまは少し落ち着いていられる。 という話。 (写真:フォトAC) 【昨日・今日・明日に亡くなった人たち】 昨日、「…
世の中には自分の領域を厳しく限定し、 その中で完璧を期すプロフェッショナルがたくさんいる。 彼らすべてが一流であるわけではないが、 すべてが誇りをもって仕事にあたっている。という話。 (写真:フォトAC) 【肉体労働者:生頼範義】 昨日、イラス…
新型コロナ自粛の中で、歌手・小柳ルミ子はいったん引退を決意したという。 その期間中、誰も小柳ルミ子を思い出さず、誰も仕事をくれなかったらからである。 しかし芸能人の大半は同じ状況にいたはずではないか。 小柳ルミ子はなぜそんなふうに思いつめて行…
女優の竹内結子さんが亡くなった。自殺の可能性が高いという。 打ち続く芸能人の自殺、 あるいはそこに共通点があるのかもしれないが、竹内さんは少し違う。 人には死んではいけないときがある、死ぬことが許されない場合もあるのだ。 という話。 (ダフィッ…
テレビで、三浦春馬さんの最後のドラマを見た。 これほどの人がなぜ死を選ばなくてはならなかったのか、 若い人にはそもそも生きる力が備わっているはずなのに――。 そこで想われるのが新型コロナ事態である。という話。 (写真:フォトAC) 【三浦春馬さん…
ふと気づくと、 新型コロナ禍の中で一過性だと思っていたもののうち、 いくつかはこのまま残ってしまうのではないかと思い始めた。 失うもの、残るもの、残さなくてはならないもの、 今こそそれを、考えておこう。 という話。 (「大勢の仲間と飲み会でビー…
先週金曜日の「チコちゃんに叱られる」で、 「お地蔵様は閻魔様だ」と言っていたが、 私はちょっと違うと思う。 地蔵菩薩はもっとすてきな、私のヒーローなのだ。 というお話。 (「護国寺」フォトACより) 【チコちゃんにひとこと言いたい】 先週の金曜日(…
2学期最初の一週間、ご苦労様。 新型コロナで教師の仕事はさらに増えた様子、たいへんなことだ。 それに比べたら私の生活の、なんとゆとりある、豊かなものなのだろう。 ――と言いたいのだが実は時間がない。 職場に行かなくなって浮いたはずの私の時間は、ど…
天才の脳には形状や大きさに特徴でもあるのだろうか? そもそも天才というのは何なのだろう? 私たちは天才とどうかかわっていくのか? 天才たちは幸せなのだろうか? といったもろもろが浮かぶ――。 というお話。 (「AI スピード」フォトACより) 【脳…