カイト・カフェ

毎朝、苦みのあるコーヒーを・・・

2016-01-01から1年間の記事一覧

「家族葬という形式」③〜冠婚葬祭の経済学

披露宴をきちんとやる方が楽、金もかからない、という先輩の忠告は四半世紀を経てシーナの結婚式の際にも確認しました。結婚式・披露宴の費用というのは招待客の人数に比例しないのです。 人数が増えるほど請求額も支払も増えますが主催者の懐の痛み具合は変…

「家族葬という形式」②〜やったこと、困ったこと

義母の死は半ば予告されたものでしたので一応の下準備はできていました。 私も駆り出されてシニア・カレッジ「家族葬講座」などといったものにも出席してきましたが、そこで聞いた話も義姉たちの聞いてきたものとほぼ同じでした。 葬祭センターとしてはお寺…

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「キース・アウト」 2016.11.14マンション住人同士「あいさつ禁止」 神戸新聞投書が大波紋

「家族葬という形式」①

義母の葬儀も無事終わりました。 無事と言っても細かなことを言えばかなりの不手際があったのですが、みな、無視できる範囲と言えます。 葬儀の当事者になるということは、そうたびたびあっていいものではありません。みな初心者で不慣れであることの方が幸…

「白鳥の歌」〜義母の指

妻の母が亡くなりました。94歳の大往生ですがここ10年余りは認知症も進み、寝ている時間の方が圧倒的に長い生活でした。 私はこの義母がとても好きで、マスオさん状態で一緒に過ごした3年間に、さまざまな話を聞きました。その一つひとつは実に味わい深いも…

「アメリカ大統領選挙の憂鬱」③〜世界はどうなっていくのだろう

世界は変わってしまった深い海の底で地中、奥深くで大気の中でそれを感じるかつて存在したものは消え失せた今は誰の記憶にも残っていない 映画「ロード・オブ・ザ・リング」のオープニング・ナレーションです。 今回のアメリカ大統領選挙、仮にクリントンが…

「アメリカ大統領選挙の憂鬱」②〜子どもに説明できない

この文章を書いている日本時間8日夕刻にはまだ投票すら始まっていませんが、アメリカ大統領選挙の帰趨を考えると心の底から憂鬱になります。 24時間後の9日夕方にはすでに新大統領が決まっていて、その名がドナルド・トランプだっら本当に気が重い。今でも…

「ブログを如何にせん」②~アクセス数の問題

何かずいぶん後ろ向きの記事を書いたら、何人かの方から励ましをいただき、少し元気が出ました。 さて、娘のシーナのブログが一日平均900アクセスで、それでもシーナ自身はまったく多いとは思っていないというお話をしました。「もっとすごい人、いっぱいい…

「ブログを如何にせん」①~娘に負ける

娘のシーナが子育て記録というか、子育てを通しての自分の成長記録というか、そんな感じのブログをやっていて、それが先日一周年になったそうです。 本人に言わせると、「つい先日、ひっそりと開設一周年を迎えました」 しかしその下に書いてあった数字を見…

「絵画鑑賞の喜び」③〜ピカソは何をしたのか

三十代も半ばを過ぎてスキーを始めました。 娘が生まれて、いつかこの子にスキーを教え一緒に滑りたい――が表向きの理由ですが、腹の底には別の思いもあったのかもしれません。というのも、あとで気づくとそのしばらく前に映画「私をスキーに連れてって」が大…

「絵画鑑賞の喜び」②〜モネ

三十数年前、私は十年以上住んだ東京を離れ、田舎に帰る決心をしました。それなりに傷ついた帰還でした。 その最後の年は“とにかく遊ぼう、東京を満喫しよう、学校や職場とアパートを往復するだけの生活を見直し、ここでなければできないことをしよう”と頑張…

「絵画鑑賞の喜び」①〜ダリ

東京の国立新美術館に「ダリ展」を見に行ってきました。 今回は娘夫婦と孫、息子、つまり勤務のある妻を除く家族全員が一緒です。 「今回は」と書いたのは10年前、上野の森美術館で開かれた「ダリ回顧展 生誕100周年記念展示会」にも私は行っていて、いたく…

「ハロウィンって何だったっけ?」~いちおう、正式に調べてみよう

今夜はハロウィンです。 とは言っても今朝あたり子どもたちに聞けば「昨日やったよ」とか「土曜日にやっちゃった」といったふうに、仮装してあちこち歩き回る行事の大部分は土日のうちに済んでしまっているのかもしれません。 ハロウィンは10月31日の夜なの…

「大川小学校の悲劇は防げたか」

東日本大震災の津波で児童74人と教職員10人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族が市と県を相手取り23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁(高宮健二裁判長)は26日、市と県に約14億円の支払いを命じた…

「元ヤンの娘」~これも人の子③

息子のアキュラが生まれたとき、二人部屋で妻の隣にいた人は二十歳そこそこの元ヤンみたいな女性でした。当時の田舎としては珍しい完全な金髪で、目にも鋭い光がありました。 ただ、妻とは気が合ったみたいで、様々に話をしたようです。「十代の恋は死ぬか孕…

「親の願いを一身に背負った子たち」~これも人の子②

シーナの出産の際、集中的にサイトやブログを調べたこともあって、以後、私は出産や乳幼児の養育・保育に関するネット上の記事を読むことが多くなっています。 多くはハーヴと同じ年頃の子を持つ親のブログですが、子は同い年でも親の年齢にはかなりの開きが…

「『いのちのこと』、ハーヴの物語の現在」~これも人の子①

しばらく以前、タレントの壇蜜さんが、「嫌なことがあったときは、“これも人の子”と思うことにしています」といった話をしておられました。「どんな嫌な奴にも親はいるのだ。その人に免じて少し許してやろう」 そんな意味かと思います。いい話だと思いました…

「映画の題名に関するちょとしたウンチク」~つまらない原題に、なんという素晴らし日本語題名をつけたのか!

先週話題にした10月7日のNHK「歴史ヒストリア(「"日本語"を切り開いた"マンネン"な人びと」)」は今年89歳になった私の母も見ていて、「日本語を創った人たちがいたのには驚いた」というような話になりました。 そこで元社会科教師、ウンチクタレの私とし…

「そろそろイライラしてきた」〜日本人はウソをついてはいけない

今週18日にIOCのトーマス・バッハ会長が来て、「東京が(招致レースで)ほかの都市に勝って選ばれたのは、非常に説得力のある提案を出したからだ。(あとになって)競争のルールを変えてはいけない」と言ったとき、私は深く傷つきました。他の人たちはどう…

「日本語の創造者たち」④〜和製漢語の話

私は何もいっさい外国語を使うなと言っているわけではありません。 戦時中おこなった、野球のセーフを「よし」、アウトを「ひけ」と言うような愚かさはもちろん避けなくてはなりませんし、母国語にこだわるあまり極端に英語を排斥したフランスは、ITの世界で…

「日本語の創造者たち」③〜和製漢語の話

「レガシー」「ダイバーシティ」「ワイズスペンディング」「ホイッスルブロワー」 最近、ニュースの中をやたらと飛び回っている言葉ですが、それは最初たった一人の女性の口から発せられたものでした。小池百合子東京都知事です。 めったにないことですが、…

「日本語の創造者たち」②〜標準語の制覇

私は、明治期における日本語の統一ということには無頓着でした。 もちろん日本語表記の方の問題性については承知していました。 木版印刷の時代には問題とならなかった異体字(例えばひらがなの「な」も、元となった漢字の「奈」から「な」に至る中間的な文…

「日本語の創造者たち」①〜日本語の統一

国土を失ったユダヤ人が千数百年の時を経ても民族として生き残ることができたのはなぜか、という問いがあります。ユダヤ教を核心とする考え方もありますが、棄教した現イスラエル国民もいますから必ずしも宗教がすべてではありません。 答えは「言語を失わな…

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「キース・アウト」 2016.10.15働き方変わる? 都庁「残業ゼロ・午後8時退庁」へ挑む

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「キース・アウト」 2016.10.14 いじめ情報共有、怠れば懲戒処分 文科省、教員に周知へ

「人は結局、自由よりも制服が好きなのかもしれない」~自由制服の話④

いわゆる「70年安保闘争」を、私は高校一年生で経験しました。 とは言ってもそれはテレビや新聞の中だけでであって、田舎はいたって平和なままでした。「安保」についても直接話したり誘ったりしてくれる人もいないので、私などには何が起きているのかさっぱ…

「制服をなくしたら制服が返ってきた」~自由制服の話③

私の理解が間違っていなければ、コギャル・ファッションというのは90年代半ば、茶髪・金髪に長めのつけまつげ、色黒メイクにボディコン、ミニスカートというギャル・ファッションが、高校生のレベルまで降りてきたところから始まりました。 それまでも髪を…

「制服を巡る教師と生徒の仁義なき戦い」~自由制服の話②

私自身が高校生のころ、巷に広がりつつあった不良服は「長ラン」といってコートのように長い学生服で、裏地に龍やら虎やらの刺繍をあしらったものが最高級ということになっていました。それがカッコウイイと教えられて育ったので、教員になったころ、子ども…

「ナンチャッテ制服の怪」~自由制服の話①

30年以上前の話――。 当時、中学校で担任していたクラスのN君はほんとうに勉強ができませんでした。 今でいえばLD(学習障害)なのでしょうが当時はそんな概念はなく、ただ、生活力は旺盛で友だち関係も豊かだったので、今でいう特別支援学級に入れるつもり…

「公務員は手を汚さない」〜豊洲・五輪・全国学テ⑤

全国学テの成績を上げるために、半年以上前の今から準備をしてほしい、試験対策をしてほしいと依頼した3人の先生たちは、しばらくして私を訪れ、「先生、あれから3人で検討しましたけど、あの『全国学力学習状況調査』テスト、試験対策によく馴染むんです…